| ▼ゆとり教育による学力低下・学力二極化の原因 | |||||||||||
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| ■羊毛→ひつじげ、子孫→こまご…学力低下どうフォロー(産経新聞2006.7.14) | |||||||||||
| 国立教育政策研究所が14日公表した児童生徒の学力テストでは、基礎、応用力とも低下している実態が浮き彫りとなった。具体的に浮かび上がった課題について、教育現場でどう反映させていけばいいのだろうか。 【子孫はこまご】 漢字の読み書きの結果では、「日常生活や学校で使用頻度が高い漢字は定着している」と教育政策研究所の担当者。平均正答率は読み取りで7割、書き取りで6割を超えた。 一方、小4、小5で「挙手」「改行」が正確に読めたのは3割未満。書き取りでも「主力」「景品」「青春」「屋上」(小4)、「観光」「経験」「険しい」「要点」(小5)、「回覧」「設ける」「均等」「疑い」(小6)の正答率は4割にも満たなかった。 誤答例を見ると、「挙手」を「けんしゅ」、「子孫」を「こまご」、「羊毛」を「ひつじげ」、「改行」を「かいこう」とする児童が目立った。 教育政策研究所では、読書活動などを通じて漢字の使用頻度を上げることの必要性を強調。さらに間違えやすい漢字を一覧にまとめ、児童生徒に配布することも考えているという。 【支離滅裂】 小学生には「テレビの見方」について、中学生には「言葉の使い方」についてそれぞれ長文の意見文を書かせ、記述量や論旨構成、きちんとした意見表明ができているかを見た。 「テレビを近くで見てはいけない」と書き出したものの、視力が落ちる弊害の話題に触れた後、視力を良くする方策に論旨がぶれたり、自分の生活経験だけを並べただけで意見が盛り込まれていなかったりする文章が多かった。 中学生の作文では、設問が「言葉の使い方について」書くよう求めているのに、「言葉は大切だ」という論旨に終始し、課題への理解不足が散見した。現象の分析だけで自分の意見がなかったり、根拠なく唐突に結論を導き、「正しい言葉遣いをしたい」と結んだりする文章も多かった。 こうした結果について、宮川俊彦・国語作文教育研究所所長は「主張自体がないから、説得するための論理を組み立てられなくなる。自分で判断、表現させる環境も整備されていない」と指摘。解決策として「正解がない課題に取り組ませることが突破口になる」と話す。 【基礎も応用も?】 小学生は「3+2×4」など足し算とかけ算が交ざった簡単な四則計算に四苦八苦。小4では73.6%の正答率があったが、学年が上がるとともに急降下し、6年では58.1%と4割がつまずいていた。 「白のテープの0.6倍が赤いテープで、赤いテープは210センチ」という条件から、白いテープの長さを求める問題では、小6の24%しか正解者がいなかった。小4の履修分野を終えた後のフォローが不十分だったことが原因とみられる。 例示されたおはじきの並べ方から数学的な規則性や法則性を見いだし、一般化して数式を考える小学生への問題では、おはじきの数が100個になると、正答率は低下する傾向がみられた。 段差の水槽に一定の量ずつ水を入れる際の水面の高さの変化をグラフで示す問題では、正解の「イ」を選んだのは中1で22.7%、中2で32.7%、中3でも47.5%しか正答がなかった。特に、水面の高さも階段状に変化するとした「ア」と「オ」を正解に選んだ中1は42.6%に達しており、日常的な出来事を数学的にとらえることが苦手な中学生の実情が浮き彫りとなった。 芳沢光雄・東京理科大教授(数学)は「四則計算の理解不足は、3項以上の計算がほとんどなされていないのも原因。2項だけの計算ドリルが流行し、現行の教科書も3項以上の計算が激減している。計算規則の必要性を理解させることが大切だ。また、日常生活に関連させて考えさせる訓練が求められるし、教科の壁を超えた授業を積極的に行う必要がある」と指摘している。 <教心ネットの見解> 「自ら学び自ら考える力を育成しているはずのゆとり教育」だが、その実態は、 「白のテープの0.6倍が赤いテープで、赤いテープは210センチ」という条件から、白いテープの長さを求める問題が解けない子が76%もいるという深刻な学力低下だ。学校現場では、指導に工夫をしているが「授業時間が足りない」と言い訳ばかりが目立つ。現場の教師の「指導力低下」も著しいのではないか。 先のような問題は、 「白のテープ(?センチ)×0.6=赤のテープ(210センチ)」 ↓ 「□×0.6=210」 と□を使った式で表せば90%の子が解けるようになる問題です。それが24%しかできていないということは、明らかに現場教師の指導力が不足しているから。今は、こうした問題について、教師がくどくどと説明をしたり、子どもたちに延々とディスカッションをさせるなどして、とにかく授業で無駄なことに時間を割きすぎている。授業ではそういう中味のないことに時間を割くわりには、肝心な問題を解くことに労力を費やしていない。時間が足りないと言うのは授業のメリハリがないからにすぎない。 教師の役割は、子どもに基礎基本の学力をつけることである。学力低下は、教師の指導力低下が原因であることを忘れてはいけない。 |
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| ■3+2×4=20? 四則計算、小6の4割誤答(産経新聞2006.7.14) | |||||||||||
| ≪小中生、数学的思考が苦手 学力テストで明らかに≫
一貫した論旨の展開や数学的な思考が苦手な小中学生が多いことが14日、国立教育政策研究所が実施した学力テスト(特定の課題に関する調査)の結果で明らかになった。「3+2×4」(正答は11)という基本的な四則混合計算では小5の3分の1、小6の4割強が誤答し、深刻な計算力不足がうかがえる。国際調査で学力低下を示す結果が相次ぐなか、現在進められている「ゆとり教育」(現行の学習指導要領)の見直し作業にも影響を与えそうだ。 調査は昨年1月と2月、全国の国公私立の小学4年から中学3年までを対象に、各教科・学年ごとに3000人強ずつ実施。国語では漢字(読み・書き)と長文記述、算数・数学では「数学的に考える力」と「計算に関する力」を探った。従来の調査では把握できない、特定の学力に焦点を絞った調査は初めて。同研究所ではホームページで公表し、教育現場で活用してもらう。 国語の漢字では、読み・書き各50問ずつを出題し、うち10問は複数の学年にまたがる共通問題とした。日常生活で使用頻度が高い漢字は定着していたが、「挙手」「改行」の読み方は小4の8割強が誤答するなど、使用頻度が低い漢字の定着は不十分だった。 長文記述では小学生で400〜600字、中学生で600〜800字の記述量を求めた。自分の考えを明確にできるよう相互関係を考えて段落分けしたり、一貫した文章を書いたりする点で正答率が低かった。 算数・数学の場合、「数学的に考える力」で、グラフ化をはじめとして日常事象の考察に算数・数学を生かす力に問題があった。また、論理的に反証する力や数量関係の法則を発見する力、発展的に考える力が不十分だった。「計算に関する力」では、四則計算で、掛け算や割り算を足し算や引き算より優先させる決まりについての理解不足が目立った。 特定の課題に関する調査は、義務教育の指導改善策についての中央教育審議会答申(平成15年10月)を受けて、カリキュラムの見直しに反映させるために実施する。17年度には英語(中学のみ)と理科を行っており、現在集計中。今年度は社会を対象に行う。 <教心ネットの見解> 以前から指摘されていた問題点であって、このような悲惨な調査結果が出ることはわかっていたこと。ゆとり教育になって教科書が薄くなって、学校できちんと計算スキルなどを教えなくなったのが原因。ゆとり教育では、子どもの主体性を大切にしているため、学校では「途中の式」をかくように指導していない。これでは教師の手抜き教育だ。『「3+2×4」(正答は11)という基本的な四則混合計算では小5の3分の1、小6の4割強が誤答し、深刻な計算力不足がうかがえる。』が典型例で、これは読み書き計算を軽視する「ゆとり教育」の失敗を示す結果だ。 |
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| ■「子孫」は「こまご」…小中学生の学力調査結果を発表(2006.7.14読売新聞) | |||||||||||
| 文部科学省の国立教育政策研究所は14日、全国の小学4年生から中学3年生を対象に実施した国語と算数・数学の学力調査結果を発表した。 国語では、「挙手」を正しく読めた小4の割合が約17%にとどまるなど、各学年とも極端に正答率の低い漢字があることが分かった。 作文や数学的な考え方を問う問題では、物事を筋道立てて考える「論理的思考」が不得意という傾向も出ており、“ゆとり教育世代”の苦手分野が浮かび上がった。 調査は全国から抽出した国公私立の小・中学生計約3万7000人が対象。「確かな学力」の育成を求めた中央教育審議会の2003年答申を踏まえ、今回初めて漢字の読み書きと作文(国語)、計算力と数学的考え方(算数・数学)に絞ったテストを実施した。 |
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| ■原因はゆとり教育と教師の指導力不足 | |||||||||||
| 産経新聞で、芳沢光雄・東京理科大教授(数学)が「四則計算の理解不足は、3項以上の計算がほとんどなされていないのも原因。2項だけの計算ドリルが流行し、現行の教科書も3項以上の計算が激減している。」と解説しています。 「3項以上の計算」とは、例えば、同じたし算でも「3+3+4」といった計算です。こうした計算にさらに、加減乗除やかっこが混じっているとだんだん難しくなります。中学校では、そこへ「負の数」と「指数(累乗)」が入るわけですが、小学校での基本的な計算さえも出来ない今の中学生は、ここでまた、つまずくわけです。 3項以上の計算、四則計算の例 小2:3+3+4 小3:3+2×4 小4:(5−2)×3 小5:8+0.5×2 小6:(1/3)×6+3 中1:(1−3)^2−4 原因は小学校で「3項以上の計算」をほとんど解かせていないからです。ゆとり教育になって、こうした計算のほとんどは発展的扱いとなっているため、学校で教えなくても良いことになっています。しかし、それは文部科学省が学力低下の批判をかわすためにあとからとってつけたこじつけで、発展的内容もすべての子に教えるべき基礎基本です。学校によっては、こうした内容を発展的扱いとして教えていない学校もある。だから、学力二極化が起こります。
特に「四則計算」は途中の式をかかせないと、解き方がぐちゃぐちゃになったり計算間違いをするので、絶対に途中の式をかかせなければいけないのに、ほとんどの小学校教師は途中の式をかくように指導していません。 理由は、学習指導要領に「途中の式をかくように」と書いてないからです。つまり、教えることが専門のはずなのに、学校の先生のほとんどが基礎基本を指導する上で、何が必要で何が必要でないかがわかっていないのです。 ほかにも例えば、難しいとされている(筆者から見れば割合を教えることはむしろ簡単なことなのですが)小5の割合の単元に、 「白のテープ(?センチ)の0.6倍が赤のテープ(210センチ)」という問題があります。これは文部科学省の学力調査で出題された問題です(ちなみに正答率は24%ときわめて低い)。 しかし、この割合の問題では、 「白のテープ(?センチ)×0.6=赤のテープ(210センチ)」 ↓ 「□×0.6=210」 と□を使った式で教えれば、9割以上の子が解けるようになります。 それが24%しかできていないということは、明らかに現場教師の指導力が不足しているからでしょう。 この問題は、「もとにする量」を求める問題で、割合の中でもっとも難しいとされている問題です。なのですが、これがもし、 「□×6=30」 という問題だったとしたら、9割以上の子が解くことが出来るでしょう。 割合の問題で子どもが一番パニックになる原因は、「0.6」という数字と「210」という数字の関係性に気づけないからです。「210×0.6」を計算すればいいのか、「210÷0.6」を計算すればいいのか、はたまた、「0.6÷210」を計算すればいいのか、全くちんぷんかんぷんになってしまうからです。もとにする量と割合の関係から、くらべる量を求める問題なのですが、大人でさえ「もとにする量」と「くらべる量」の区別が難しいのですから、子どもにとってはもっと難しいはずです。
難しいこと(難しそうなこと)をシンプルに説明する指導力が多くの小学校の先生にないのです。学校では、こうした問題について、教師が10分も20分も時間をかけてくどくどと説明したり、あるいは子どもたちでディスカッションさせてわからせようとしますが、このような授業をやってもいたずらに時間がかかるだけで、結局ほとんどの子が問題が解けるようになりません。
もうこれは悲劇でしかありません。「学校よりも塾の方が(授業が)良くわかる」と揶揄されるゆえんはここにあります。今も昔も教師の役割は、子どもに基礎基本の学力をつけることです。ゆとり教育では、こうしたことが軽視されているのです。学力低下は、教師の指導力不足が原因であることを、われわれは教訓としなければならないでしょう。 教師の指導力チェック項目 ・ノートや途中の式をきちんと書くことを教えない ・速さや割合など、難しい内容をシンプルに説明できない(説明がくどくどしていてわかりずらい) ・子どもが間違えた問題を直させない ・子どもの目を見て話さない(子どもが何かほかごとをやって聞く姿勢が出来ていないのに、説明や発問をする) |
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