日本は本当に民主主義国家か?
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国民主権=民主政治?
 日本国憲法の3つの基本原理は、「国民主権」、「基本的人権の尊重」、「平和主義」です。国民主権とは、すなわち民主政治である、ということは中学校の教科書にはっきり記述してあることで、一般人の常識でさえあります。民主政治を行うには民主主義という立場に立つ必要があります。このとき、国民全員が直接話し合いに参加することが理想ですが、現実問題として不可能です。そこで、国民の中から選挙で代表者を選び、その代表者(=国会議員)が国会で話し合って決めるという「間接民主主義」がとられています。要するに、「国会」は国民すべての意見を反映する場であり、「国会での話し合い」は「国民すべての話し合い」でなければないのです。と同時に、国会議員は国民(有権者)の意見を代表していなければいけません。また、国民を代表する国会議員は選挙によって公平に選ばれなければいけません。しかし、実際にはどうも違うようです。これを読んでみれば、日本は本当に民主主義国家なのか?と疑ってみることになるでしょう。 最もここで一番問題なのは、教科書に書かれていることをうのみにするのではなく、現実を見るということです。教科書に書かれているのは、あくまでも日本の民主政治の仕組みであって、それがすべてではないということです。学習指導要領にも、「民主政治の意義・・・について、社会の諸問題に着目させ,自ら考えようとする態度を育てる」とあります。肝心なことは教科書で習った民主主義、民主政治というものに対して批判的な思考や判断力を養うことなのです。

・文部科学省学習指導要領より
〔公民的分野〕 1 目 標
(2) 民主政治の意義,国民の生活の向上と経済活動とのかかわり及び現代の社会生活などについて,個人と社会とのかかわりを中心に理解を深めるとともに,社会の諸問題に着目させ,自ら考えようとする態度を育てる。

「国会は国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関」
 「国会」の役割の中で最も重要なのは、「立法機関」としての役割です。「立法」とは、「法律を作る」ことです。法律を作ったり、今ある法律を改正するには、まず国会へ「法律案や法律改正案」を提出しなければいけません。このような案が国会に提出され、そこで話し合いがなされ、多数決の原理に基づいて法律が作られます。ここまでは教科書に載っていることです。

 さて、こうした法律案を作成したり、提出するのは誰か知っていますか? 日本の場合は、法律の約8割は「閣僚」によって作られたもの(閣僚立法)です。「国会議員」によって作られた法律(議員立法)はたった2割しかありません。つまり大半は閣僚によって作られた法律なのです。閣僚というのは、内閣総理大臣とその他の国務大臣(外務大臣、農林水産大臣など)です。内閣総理大臣は国会議員でなければいけません。そして、国務大臣も半分以上は国会議員から選ばれなければいけません。でもよくよく考えてみると、閣僚も半分以上は国会議員なのだから、結局は法律のほとんどは国会議員によって作られたものになります。しかし、ここに大きな間違いがあります。

 閣僚によって提出される法律案は、実は閣僚その人が作ったものではなく、次官といった「官僚」が作ったものなのです。次官とはいったい何者なのか?官僚とはいったい何者なのか?各省庁にはトップに大臣がいます。そしてその下に、「次官」と呼ばれる人がいます。今は省庁再編でやや変わりましたが、基本的に大臣の下に事務次官がいます。そして、事務次官はキャリア官僚と呼ばれる官僚だけがなれるのです。

 各省庁は、国の機関であるのでここで働く人たちは国家公務員採用試験に合格した人たちです。その試験の中でも、国家公務員T種採用試験というものに合格し、各省庁で働く人たちのことを「キャリア組」と言われいわゆる「キャリア官僚」です。この国家公務員T種試験に合格したキャリア官僚は、一般の試験を合格した人たちよりも、大変出世が速いのが特徴です。そして「キャリア官僚」の出世の最終目的地・最高地点は、各省庁の事実上のトップである「事務次官」になることです。

省庁で一番偉いのは大臣ではなく事務次官である。
 省庁のトップは「大臣」です。その次に「副大臣」がいます。そして、政務官がいて、事務次官がいます。しかし、これは形式上で、実際に各省庁の政策(法律案)を決めているのは事務次官なのです。そして「事務次官会議」と呼ばれる、各省庁の事務次官が集まって国(政府)の政策を打ち合わせする会議があります。ここでだいたいの政策が決まってしまいます。国会で「大臣が政策を発表したり、答弁をしたり」していますが、これらはほとんどが事務次官が作成した文書を読んでいるだけなのです。要するに大臣は飾り物で、ウラで実権を握っているのが事務次官、これが日本の政治の実態です。

日本は「民主主義」ではなく「官僚主義」である。
 国民的アイドルだった田中真紀子議員は、小泉内閣の時に外務大臣になりました。しかし、外務省の機密費流用問題や鈴木宗男議員の圧力問題など、外務省の「膿」を出そうと孤軍奮闘していました。次第に、田中真紀子外務大臣は野上義二という事務次官と対立することになりました。田中氏と野上氏の国会での答弁、つまり質問への答えが食い違い、大きな問題になっていました。結局2002年1月29日、ついに2人は小泉総理大臣から更迭されました。更迭とは簡単に言えば「クビ」です。田中真紀子は国民の支持の高い国会議員でした。しかし同時に外務省にとってはうるさいハエ、つまり邪魔者だったわけです。外務省の野上事務次官は、外務省からうるさいハエを追い払った(相撃ち)ということで歓喜の声で迎えられたとか。

野上義二事務次官はどこへ行った?
(教心ネット:http://www.kyo-sin.net/)

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