| ニセ科学?道徳教育「水からの伝言」を斬る TOSS=向山洋一教育技術法則化運動を問う |
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| 道徳教育「水からの伝言」はニセ科学?2006.1.11 | |||
| ▼「ニセ科学」どう向き合う 物理学会、3月にシンポ(2006.1.5朝日新聞) 日本物理学会(約1万8千人)が3月に松山市の愛媛大で開く学会で、「ニセ科学」について議論する。これまでは「相手にしない」姿勢だったが、「社会的な影響は無視できない」として、シンポジウムを開いてどう対応すべきか考える。研究者が集まる学会の場でニセ科学がとりあげられるのは珍しい。 シンポを企画した田崎晴明・学習院大教授(統計物理学)によると、最近のニセ科学は「科学らしさ」を装っている場合が多く、オカルトや心霊現象にはだまされない人でも、「科学」として信じてしまう場合が少なくない。ニセ科学に詳しい菊池誠・大阪大教授(同)によると、「水に優しい言葉をかけると美しい結晶ができる」などとする珍説が、小学校の授業で紹介されている。 シンポは学会最終日の3月30日に開催。「『ニセ科学』とどう向き合っていくか?」をテーマに、根拠がはっきりしない「健康にいい水」などの実例を紹介し、それらを生み出した社会的要因を考える。 日本物理学会の佐藤勝彦会長(東京大教授)は「ニセ科学を批判し、社会に科学的な考え方を広めるのは学会の重要な任務の一つだ」と話す。 |
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| 「水からの伝言」とはなにか? | |||
| 「水からの伝言」(江本勝著,波動教育社)という本がある。この本には、水をいれた瓶に「ばかやろう」、「ありがとう」と書いたラベルを貼って、その水を凍らせて結晶を作る、「ありがとう」と書いた瓶の水の結晶は方はきれいな結晶になるが、「ばかやろう」と書いた瓶の水の方はきれいな結晶にならないと、結晶写真を使って説明している。 そして問題なのは、この「水からの伝言」のには、(今のところ)科学的根拠がまったくないという点である。本には、「ばかやろう」と水に汚い言葉を浴びせるときれいな結晶にならず、逆に「ありがとう」などのきれいな言葉をかけるときれいな結晶になるとしているが、仮にこのような実験を行う場合は、実験群と統制群で分けて、しかも、言葉以外の要因による影響を排除するなど実験情景を厳密にしなければいけない。そうした点には一切ふれていない。よって物理学の世界ではこうしたことはたまたま起きたとしても、再現性はないという結論に達している。そもそも、水が言葉、しかも日本語を理解するという点からしておかしいのだ。 そしてさらに問題なのが、このエセ科学であるエピソードが、学校で道徳の授業として実践されているケースが明らかになったことだ。ネット上で、この「水からの伝言」についての実践を調べてみると、「TOSSランド」という教育技術法則化運動を行っている教員の私的サークルに実践例が掲載されている。掲載されている内容から、「水からの伝言」の実践は、だいたい以下のように行われている。 1.生徒に水の結晶写真を見せる。 (一方はきれいな結晶のもの。もう一方はそうではないもの。 2.この2つの結晶は、おなじ水からできているが、「あること」が違うと発問し、何が違うか児童(生徒)に議論させる。 3.その後、きれいな結晶の方は「ありがとう」というラベルを貼っておいたもので,汚い結晶の方は「ばかやろう」というラベルを貼ったものだという種を明かす。 4.最後に、人体の70%以上が水であることを説明し、「言葉は水に影響を与えるものだから当然人体にも影響を与える」という主旨の話に発展させ、道徳教育としてしめくくる。 というものだ。 こうしたオカルト話を道徳教育として実践していることに関してやっとメスが入った。物理学会が「小学校で行われているニセ科学についてシンポジウムを開くことを決めた」ことが新聞で取り上げられたのだ。 一連の問題は下記のサイトにまとめられている。 「TOSSランド」(教育技術法則化運動)へのコメント http://atom11.phys.ocha.ac.jp/wwatch/misc/comment_misc_06.html 「ニセ科学」シンポジウム(物理学会) http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1133343027 物理学会でのシンポジウム開催のおしらせ http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/events/JPSsympo0306.html |
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| こんなにあったニセ科学を使った道徳の授業実践 | |||
| 2006年1月10日現在で、 ・「水からの伝言 授業」で検索すると575件 ・「水からの伝言 道徳」で検索すると483件 ・「水からの伝言、指導案」で検索すると46件 がヒットした。 すでに問題と認識され、削除されたページがいくらかあった。以下にまだネット上で確認できる授業実践を上げてみた。 修正H14.12.6道徳授業参観 http://www.interq.or.jp/gold/reiko/arigatou.htm 教師修業への挑戦(TOSS鹿児島 西田裕之) http://homepage2.nifty.com/genta80/home.htm 「水からの伝言」の授業(全学年) http://homepage2.nifty.com/genta80/mizukaranodengon-jugyou-file.htm 〜水からの伝言〜(水が伝えるもの) TOSS奄美 有村紅穂子 http://n-blieve.hp.infoseek.co.jp/mizukessyou.htm 小林 義典 【TOSS SANJO】 http://www4.ocn.ne.jp/~yoshirin/seimei/mizu/mizu_dengon.html TOSS岡山サークルMAK 所属 岡山市立大野小学校 吉田真弓 http://www.seidensha-ltd.co.jp/~mayuyosh/arigatou.htm 同時進行の道徳授業 3年生 TOSS岡山サークルMAK 吉田真弓 http://www.seidensha-ltd.co.jp/~mayuyosh/doutoku4-3.htm よい言葉と笑顔にはパワーがある!−水からの伝言− サークル「シグナス」 松村雪子 http://www.d1.dion.ne.jp/~yu_ki_ko/mizukaranodengon.html 悪口(その2) http://www001.upp.so-net.ne.jp/bittervalley/tusin/stage/stage016.html 言葉の大切さを強調するには最高の教材!!「水の伝言」 TOSS静岡/松尾清恵 http://www5a.biglobe.ne.jp/~matsuo-k/mizushidoann.htm 文字のもつエネルギー(プラス思考を育てる)〜釜石市立小佐野小学校・白川太一氏の修正追試〜 富田林市立久野喜台小学校・山村 精一(大阪・かわち教育サークル) http://homepage2.nifty.com/yamasen/mojinotikara.htm ことばのちから 山梨県/小林千恵 http://www10.ocn.ne.jp/~chiepon7/doutoku/kotoba.htm 水からの伝言 〜「ありがとう」と「ばかやろう」〜 森竹 高裕 http://homepage1.nifty.com/moritake/doutoku/mizudengon.htm 「水からの伝言」 岩崎政則 作成 http://www11.ocn.ne.jp/~nagisa/mizukaranodengon.htm 水からの伝言 道徳授業記録 2002/7/1 http://www9.ocn.ne.jp/~akane23/c55.html 水からの伝言 福山聖志サークル/杉原 進 http://www2.odn.ne.jp/~cgy06380/mizukara%20denngonn.htm 言葉のパワー http://www21.tok2.com/home/member/manma/doutoku/power.htm 『水・か・ら・人間性へ』 http://www5f.biglobe.ne.jp/~kyouzai/ronbun/a50.htm 「水からの伝言」水の結晶が語るものは 菊陽中部小学校4年生 http://www.1ness.net/1ness_bn/y2003/190/190.htm やはり、TOSS絡みの実践がほとんどだ。中には、2つの実践例をのせている教師もした。 |
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| 再発防止に向けて | |||
| 児童・生徒の感想例 ・「ばかやろう」とか言うと、きたない水になったりするから、こんどから言わないようにしたいです。 ・家でも氷を作って実験してみたい! マインドコントロールは成功といったあたりか。ところでなぜこのような問題が起きたのか?それは、結晶写真付きの本をみせられてそれをホントのことのように思ってしまう人がいかに多いかということを物語っているのだが、問題は教えることのプロである教師がなぜこのようなことを無批判に行うのかということである。 「水からの伝言」の実践の多くが、ある教師が行った授業実践の「追試」として行っているケースがほとんどである。そもそも「追試」とは追実験とか追試験という意味で、もう一度同じ実験を行ってみて同様の結果が出るかどうかを確認することである。そうであるからこそ、この授業実践を行う者は、まず自らが、「ホントに言葉がけの違いで水の結晶が異なるのかどうか」を確認することなのである。これが本当の追試(=追実験)なのだ。この追実験を行ってみれば、十中八九この実践が間違った科学認識に基づいて行われていると言うことが明らかになるはずなのだ。いや、追試を行わなくても普通の科学知識で考えれば、こんなことあり得ないことくらいわかるはずだ。現場教師の中には、この程度の科学的知識さえもない教師がいるのだ。 現場教師がこのような実践をしていること自体信じられないし、それをマネする教師がいたのは笑えない笑い話だ。教師の指導力や資質を疑問視する声が昨今後を絶たないが、こうした基礎的な知識や教養レベルでも、教師の資質を疑わなければいけない時代がきたのかもしれない。そして、こうしたニセ科学が現場で堂々と教えられていて、文部科学省や教育委員会はいったい何をやって監督しているのだろうか。 |
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