| 教育時事 2006.04〜2006.10 | ||
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| ■夏休み1週間短縮も検討=「ゆとり」見直しで素案(2007.3.14時事通信) 政府の教育再生会議(野依良治座長)は14日午後、都内で「学校再生」分科会を開き、ゆとり教育見直しの具体案を示した素案をまとめた。先の第1次報告が掲げた「授業時間数の10%増加」のための具体案として、(1)春休みや夏休みの1週間程度の短縮(2)早朝授業の実施(3)土曜日を活用した補充学習(4)7時間目の授業導入−を提示した。 素案では、国語、算数、理科、社会、英語を「基本的教科」(仮称)と位置付け、「授業時間数の確保が必要」と指摘。それ以外の科目は「基礎的教科」(仮称)とし、授業時間は「全体の枠に幅を持たせ、全体の枠の中で各学校が選択できる」などと提案している。 また、義務教育段階での英語学習の重要性を強調。小学校からの英語教育も「積極的に取り組むべきだ」と提言している。 ■日本の親 我が子にすら注意しない… 日中韓で調査(2007.3.8産経新聞) 日本の小学生は中国や韓国に比べて家庭で注意を受ける割合が際立って低いことが7日、財団法人「日本青少年研究所」の調査報告書で分かった。家庭でよく言われる注意事項23項目のうち21項目について3カ国中最下位で、家庭での教育力の低さが浮き彫りになっている。同研究所は「最近の日本の親は、親と子は別個の存在と考える米国型の価値観に変化してきているため、子供に注意をしないのではないか」とみている。 昨年10〜11月、東京、北京、ソウルの3都市の小学4〜6年生を対象に、各学校で書面形式で生活習慣を調査。計5249人から回答を得た。同研究所によると、同種の調査は初めてという。 親のしつけに関する設問では、家庭でよく言われる注意事項23項目のうち21項目で、日本の子供は中韓より注意される割合が低かった。特に「先生・親の言うことをよく聞きなさい」とよく言われる子供は2割前後で、両国の半分。先生と親の権威低下がうかがえた。 「よく勉強すれば、将来いい仕事がある」も17・8%と低く、中国(53・8%)、韓国(41・7%)と対照的。「好き嫌いしないで全部食べなさい」「嘘(うそ)をついてはいけない」「友達と仲良くしなさい」なども大幅に低かった。 一方、日常的な生活習慣では、毎朝歯磨きをする比率が63・9%、毎朝洗顔するのが66・9%にとどまり、それぞれ中韓より2割下回った。テレビを見ながら食事するのは46・0%と半数弱を占め、いずれも11%台だった中韓の4倍に達し、「ながら食事」の浸透ぶりをうかがわせた。 友人関係では、親友の有無や友人の数では3カ国とも大差はなかった。だが、「友人の喧嘩(けんか)を止めるか」との質問に、「必ずする」と回答したのは15・9%と中韓より10〜15ポイント低く、「しない」(22・5%)は5〜15ポイント上回った。 ■4県統一学力テスト:「中学数学」3年連続最下位に 県教委「応用力が不足」(2007.3.9毎日新聞) ◇国・社は1位 岩手、宮城、和歌山、福岡の県の児童、生徒を対象にした「06年度4県統一学力テスト」の結果が8日、発表された。岩手県は、中学校の数学が3年連続最下位だった。自ら考える力を身につけていないことが一因とみられる。県教育委員会は、教師が難しい応用問題を避け、簡単な計算の反復練習に偏った指導をする傾向があることに原因があるとみて、今後の対策を検討する。 3回目の今回は昨年10月、4県で小学5年生と中学2年生に実施。県内は2万5704人が受けた。小学校の平均正答率は4科目すべて1位。 一方で中学校は国語(69・2%)と社会(57・8%)が1位だが、理科(54・6%)2位、英語(64・7%)3位と下がり、数学は55・9%で4位だった。 正答率が低かったのは応用問題など自ら考える問題。三つの連続した整数の和が3の倍数になると文字式で説明する問題では正答率24・7%。半数以上が無回答だった。 小5の問題で、整数同士の割り算の正答率が84%と高い一方、整数と小数の引き算が71%と低かったことから、県教委は「小学校段階で基礎を身につけないと、中学の応用問題を解く力がつかないのではないか」と分析する。 ■<学習意識調査>日本の小学生は中韓より「学ぶ意欲」低い(2007.3.8毎日新聞) 日本の小学生は中国や韓国の小学生よりも「学ぶ意欲」が低い――。財団法人「日本青少年研究所」(千石保理事長、東京都新宿区)の調査で、学習を巡る子供の意識に日中韓で大きな差があることが分かった。近年、日本の子供たちの学力低下が取りざたされているが、中韓両国に比べ「学力」以前の「意欲」の低さが浮き彫りになった形だ。 調査は昨年10〜11月、3カ国の首都に住む小学4〜6年生計5249人を対象に通学先の学校を通じて実施、全員から回答を得た。対象は東京1576人▽北京1553人▽ソウル2120人。 目指す人間像の一つとして「勉強のできる子になりたいか」と質問したところ、「そう思う」と答えたのは東京が43.1%だったのに対し、北京78.2%▽ソウル78.1%といずれも7割を超えた。「将来のためにも、今がんばりたい」と考える小学生も、東京48.0%▽北京74.8%▽ソウル72.1%で、日本は将来の夢に向けた学ぶ意欲が低くなっている。 また、「先生に好かれる子になりたい」と答えたのは、北京60.0%▽ソウル47.8%に対し、日本はわずか10.4%。教師への関心や尊敬の念も薄れているようだ。 生活習慣では「テレビを見ながら食事をする」のは東京46.0%▽北京11.8%▽ソウル11.7%。「言われなくても宿題をする」と答えたのは北京が82.7%と最も多く、東京42.1%▽ソウル37.1%と続いた。 ■<教育特区>神奈川・相模原市に 初の「会社立小学校」(2007.3.1毎日新聞) 株式会社が経営する全国初の小学校認可のため、神奈川県相模原市が国に国際教育特区の認定を申請した。同市横山台の株式会社「LCA」(山口紀生代表)が05年4月に開校したフリースクール「LCAインターナショナル・スクール小学部」が対象で、認定されれば来年4月に“株式会社立小学校”になる。 国際人の育成のために設立された同小学部は1650平方メートルの敷地内に木造2階建て校舎がある。学校教育法の学校設置基準に満たないため、フリースクールとして1〜4年の児童64人が通っている。認可されれば英語科を設置する。文部科学省の検定済み教科書を使うが国語の時間を除き授業はすべて英語とする。教師も自国で教員免許を持つ米国や豪州などの外国人がほとんどだ。 特区申請について相模原市は「実践的な英語力の習得や国際的なコミュニケーション能力を身につけさせたいと望む保護者が増えてきたため」と説明している。 ■全国学力テスト:「参加中止を」申し入れ 京教組が府教委に(2007.2.28毎日新聞) 府内公立校の教職員で組織する京都教職員組合(藤木雅英委員長)は27日、府教委(田原博明教育長)に対し文書で、「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」に府内の市町村教委が参加を中止するよう指導することなどを申し入れた。 同テストは4月24日、全国すべての小学6年生と中学3年生を対象に文部科学省が実施する予定。小学校はベネッセコーポレーション、中学校はNTTデータが回収、採点、問い合わせ対応などの業務を委託されている。 申し入れは、参加中止のほか、参加した場合も▽市町村、学校ごとの結果の公表をしない▽子どもと保護者に十分事前に説明し、了解を得て無記名などを指導する▽すべての教職員へ説明責任を果たし、平均点を上げるための事前訓練などを行わない――などの指導を求めている。 ■中学で数Tを履修 なぜこれは履修不足にならないのか? 2006年の10月に、高校で世界史を中心に相次いで履修不足が問題となった。中には、世界史の授業と銘打っておきながら、実際には日本史の授業を行っていた高校もあったというから、まさに羊頭狗肉、看板に偽りアリだ。 ルール違反は、もちろんいけないことなのだが、根本的な問題は、ルール違反でもしない限りこなせないカリキュラムの矛盾にある。ゆとり教育という名の下、中学課程の多くが高校課程へのしわ寄せとなり、その一方で高校は大学合格実績という数値目標が要求されるようになった。履修不足問題は、こうしたゆがみの現れに過ぎないのだ。 ここで、まだ問題となっていない“ある問題”がある。今現在でも多くの私立の中高一貫校では、中学課程の2年間で中学数学を終えてしまい、中学3年生から高校数学である数Tや数Aの履修を前倒しして行っているところがある。こうして数学の履修を前倒しし、高校3年生のほぼ1年間を大学入試の問題演習にあてている。高校課程の前倒しは、私立の中高一貫校ではむしろ定番である。これもまさに看板に偽りアリだ。どうしてこれは、履修不足問題のようにならないのだろうか? 東京大学の合格ランキングに占める公立高校の割合は年々下がり、今やベスト30のうちのほとんどが私立高校だ。ゆとり教育という名の下の教育改革も、結局は公立と私立の格差を助長しているに過ぎない。なんのことはない。官僚も政治家も大企業のトップのご子息も、ほとんどが私立の中高一貫校へ通っているのだ。 私立の高校にだけは、ちゃっかり“逃げ道”を用意しておいて、公立の高校だけがしわ寄せを食うような教育改悪をこのまま放置してはいけないだろう。 ■「教育現場を知れ」文科省が若手官僚を学校教員派遣へ(2007.2.18読売新聞) 文部科学省は来年度から、将来の教育行政を担う若手キャリア官僚を公立中学校などに教員として出向させることを決めた。 「文科省の官僚は教育現場の実態を知らない」との批判を受けたもので、教壇に立ち、児童・生徒と向き合うことで、現場感覚を養うのが狙いだ。手始めに教員免許を持つ入省7年目以下程度の若手数人を1年間出向させる。 ■府内中2文章を読み取る力に課題(2007.2.17京都新聞) 京都府教委は16日、府内の中学2年生を対象に国語と数学、英語の3教科で実施した学力診断テストの結果を発表した。基礎学力は身についているものの、昨年度に引き続き、3教科を通じて文章を読み取る力に課題が見られた。府教委は「国語力向上プロジェクト」の一環として、近く完成させる独自教材を活用して、教科を超えて国語力の強化に乗り出す。 今回4度目となる学力診断テストは昨年11月7日、京都市を除く府内の99の中学校の約9700人を対象に実施した。各教科とも基礎的な問題を45%、応用的な問題を55%出題した。 各教科の平均正答率は、府教委が正答できると予想していた「設定正答率」を上回ったが、各教科を通じて、文章を読み取る力を試す問題で正答率が低かった。 数学では長方形の折り目を作図する問題で設定正答率60%に対し、正答率が31%と低迷し、20%近くは無回答だった。「構造的にとらえる力に加え、文章を正確に読み取り、論理的に考える力が弱い」(府教委)という。 国語では文章の内容を示した図を選ぶ問題、英語では英文で書かれた情報を整理して答える問題の正答率が低かった。 ■犬山市テスト不参加を説明 保護者から批判の声も(2007.2.17中日新聞) 文部科学省の全国学力テストに全国で唯一、「不参加」を表明している愛知県犬山市教育委員会は16日午後、市福祉会館で保護者への説明会を開いた。 説明会には犬山北小学校の保護者約150人が出席。瀬見井久教育長は「政府の教育再生会議は市場競争原理によって教育の活性化を図ろうとするが、そういった“流行”に対し、犬山の哲学は学び喜び、自ら学ぶ力を重視する“不易”を踏まえた教育だ」と主張した。 滝誠・指導課長は「子どもの指導に生かす学力テストは実施しており、進路指導に心配はない」と説明し、「全国学力テストに参加すれば、教育改革が後戻りすることになる」と訴えた。 これに対し、質問に立った母親の一人は「参加してほしい」とした上で「これまでの教育改革は子どもや親を置き去りにしてきた。事前に細やかな説明がなく、保護者は不信感を募らせている」と市教委を批判した。 全国学力テストは4月下旬、小学6年、中学3年を対象に国語と算数・数学で実施される。去年12月の犬山市長選で田中市典市長が「参加」を公約に掲げて当選したが、市教委は方針を変えていない。今月9日には市議21人のうち16人が連名で参加するよう申し入れる文書を市教委の丹羽俊夫委員長に提出した。 ■「学力テスト」犬山市除く1908市区町村教委が参加(2007.2.17読売新聞) 文部科学省は16日、4月24日に実施する「全国学力テスト」に愛知県犬山市教委を除く1908市区町村教委が参加すると発表した。参加は国公私立の小中学校計3万2804校となった。 43年ぶりに実施する同テストは、小学6年と中学3年のすべての児童・生徒が対象。 文科省が教育委員会や小中学校に調査したところ、国立は160校すべて、公立は犬山市の14校を除く3万2105校(99・96%)が参加。私立は、871校のうち61・88%にあたる539校が参加を表明した。 犬山市は、不参加の理由について「調査の趣旨が市の教育理念に合わない」と回答しているという。 ■全国学力調査に非協力、北教組が支部に指示(2007.2.14読売新聞) 文部科学省が今年4月に行う「全国学力・学習状況調査」について、北海道教職員組合(北教組)本部が支部に対し、非協力を指示していたことが13日、明らかになった。 北教組の指導により、道教育委員会のいじめ実態調査に協力しなかった小樽市内の複数の中学校で先月、組合員が学力調査への非協力の署名簿を校長に示した。 かつて全国一斉の学力調査に対し、激しい反対闘争を展開した北教組は、読売新聞の取材に「学力の定義や調査内容に疑問がある」(小関顕太郎書記長)などとして、指示を認めた上で「現段階で、調査当日の具体的な行動は未定」としている。 ■全国学力テスト:不参加撤回を 犬山市議が市と市教委に申し入れ(2007.2.10毎日新聞) 全国学力テストへの不参加を表明している犬山市で、同市議16人が9日、不参加を撤回し、児童が参加できるようにすべきだとする申し入れ書を丹羽俊夫・市教委委員長と田中志典市長に手渡した。 申し入れ書は、市議21人中、共産4人と無所属1人を除き、無所属14人と公明2人が署名。「全国学力テスト・学習状況調査は、自治体間や学校間を競争させるものでなく、児童生徒の全国的な学習到達度・理解度の把握を検証し、教育指導の改善や教育環境の充実を図るもの」と参加できるよう求めている。 同市教委は昨年2月、「子供の学力評価は全国一律テストではできない」と不参加を表明、石田芳弘市長(当時)も同じ考えを示した。だが、昨年12月の市長選で初当選した田中市長は「参加を希望する児童、保護者の権利を行政が奪うことはできない」と発言し、市教委との対立が表面化。市教委は16日から教職員と保護者を対象に市の教育改革について説明会を始める予定で、保護者からどんな意見が出されるか注目される。 ■聞き分け能力、U字形に発達=母音の長短で違う言葉(200.7.2.3時事通信) 「かど(角)」と「かどう(華道)」など、日本語特有の母音の長短で違う言葉を赤ちゃんが聞き分ける能力は、生後半年ごろに生じた後、いったん消え、1歳すぎから本格的に発達し始めることが分かった。慶応大と国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所が3日までに脳機能のU字形発達を確認し、米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンスに発表した。 慶応大の小嶋祥三教授(心理学)によると、最初は一般的に音を区別する仕組みが発達するが、やがて言葉を専門に処理する仕組みに切り替わると考えられる。研究成果は言語習得過程の解明や言語発達障害の改善に役立つと期待される。 ■<漢字検定>いま、なぜ人気? 入試に有利になるのも一因(2007.2.3毎日新聞) キーボードをたたけば漢字変換してくれるIT時代に、なぜか「日本漢字能力検定(漢検)」が大はやり。年3回ある試験の延べ受験者数は254万人(06年度見込み)。5年前の1.5倍に増えている。過去の受験者は4歳から94歳まで。4日の試験は79万人が受験する予定だ。この人気はなぜ? 「世界遺産」や「江戸文化歴史」など検定ばやりの昨今、ブームの担い手は中高年層だが、漢検は違う。受験生の45.7%が中学生、32.4%が高校生。これに小学生の12.4%を加えると全体の9割。「本を読まなくなった」「漢字が書けない」といわれる今どきの子どもたちが、なぜ競って漢検を受けるのか。 答えは入試。最近、漢検成績を内申書に加算したり、推薦入試で評価する大学や高校が増えている。「漢検は入試に有利」は今や受験界の常識となり、学校ぐるみで受験する中学や高校もある。 ■<米国>ブッシュ政権が気象学者に圧力 民間団体が調査公表(2007.1.31毎日新聞) ブッシュ米政権下で連邦政府機関に勤務する気象学者のうち150人が、過去5年間で延べ435回にわたって「気候変動」という言葉を報告書から削除したり研究結果を政権の方針に合わせるよう求められるなどの「政治的介入」を経験していた。米民間団体「憂慮する科学者同盟(UCS)」などが30日公表した調査で明らかになった。 ■<中学受験>5万人超え過去最高 首都圏1都3県(2007.1.31毎日新聞) 「12の春」が厳しさを増している。東京都、神奈川県で来月1日から入試が始まるなど、中学受験がピークを迎えているが、大手進学塾の予測では、首都圏1都3県の07年度入試の受験者は5万人を超え、過去最高となる見通し。政府の教育再生会議が「ゆとり教育」見直しを打ち出したが、公立校の不人気を裏付けた形だ。 ■「学校の週5日制、見直し必要」太田公明代表(2007.1.22読売新聞) 公明党の太田代表は22日、党本部で開いた同党全国県代表協議会であいさつし、教育改革について、「基礎学力の低下や公立と私立の格差などの教育格差問題に対応するため、週5日制の見直しも含めた議論を丁寧に進めていかねばならない」と述べ、学校の週5日制見直しを検討する必要があるとの考えを示した。 ■<教育再生会議>高校で社会奉仕活動を必修化、明記の方針(2007.1.15毎日新聞) 政府の教育再生会議は14日、今月とりまとめる第1次中間報告に、高校で社会奉仕活動を必修化するよう明記する方針を固めた。安倍晋三首相の自民党総裁選の公約だった。19日に全体会議を開いて決める。学習指導要領に盛り込むかどうかなどの実施への制度作りは、その後さらに議論する。 学校での社会奉仕活動については、森内閣の教育改革国民会議が00年、小中高校で共同生活をしながら行うことなどを提唱した。しかし「憲法が禁じる苦役につながる」との指摘や受け入れ態勢の問題があり、実施は見送られてきた。 ところが、安倍首相は昨年の総裁選で「公の概念が大切」と大学入学の条件にボランティア体験を義務付ける考えを示し、著書「美しい国へ」で「最初は強制でも、若者に機会を与えることに意味がある」と主張。 これをきっかけに社会奉仕活動の導入論が再浮上し、再生会議でも「奉仕の義務化が必要」(池田守男座長代理)などの意見が出て、報告に明記する方向となった。 ただし、具体的に何をするのかは「高校や地域の清掃、校内のトイレ掃除」といった程度の議論しかされていない。既に東京都は07年からの必修化を決めている。 <教心ネットの見解> 高校での社会奉仕活義務化は非常にナンセンスだ。今でさえ必修科目を履修しないなど、高校自体にゆとりがないのに、どこの奉仕活動をする時間があるのか? 一見良いと思えることを何でもかんでも学校教育に盛り込めば、それで学校が良くなるという発想は、教育現場の実態を知らないとても稚拙な発想であり、こうした考えが根本的に学校教育をダメにしてきたという実態を再生会議のメンバーは知らないのだろう(詳しくは、『欲ばりすぎるニッポンの教育 苅谷剛彦ほか 講談社現代新書』参照)。 そもそも奉仕活動は、自発的に行われるのならまだしも、他人から強制されるべきものではない。子どもに強制する前に、政治家など大人がまず手本を見せるべきではないか? 奉仕活動というのは、無償で行われるべきものだろ。タダのはずの事務所費用を、何千万円も経費として落としていた政治家がごろごろいたのに、奉仕活動の義務化とは何とも皮肉な。おやおや、文部科学大臣の伊吹さん、あなたもでしたか。 ■ゆとり教育転換 再生会議、明記を確認(2007.1.12産経新聞) 政府の教育再生会議(野依良治座長)は11日、中核メンバーで構成する運営委員会を開き、今月中に安倍晋三首相に提出する第1次報告に、子供の深刻な学力低下の大きな要因とされる「ゆとり教育」の見直しを盛り込む方針を確認した。19日に全体会議を開催し、正式に報告書をまとめる。これにより、ゆとり教育の流れは転換。平成19年度中の改定を目指す新学習指導要領には、夏休みの短縮などが盛り込まれ、過去30年間も減り続けた子供の授業時間は、増加に転じることになりそうだ。 安倍首相の肝いりで発足した教育再生会議では、早い段階からゆとり教育の見直しを求める声が大勢を占めていた。ところが、昨年12月21日の再生会議の総会で事務局が示した報告書骨子案に、見直しは明記されなかったため、委員らは猛反発。この日の運営委で見直しの方向性を明確に打ち出し、報告書に反映させることになった。教育再生を政権の最重要課題と位置づける首相ら官邸サイドの後押しもあったようだ。 報告書がまとまれば、学校の週5日制は維持しながらも、新学習指導要領には、夏休みの短縮や土曜補習、平日の放課後補習などを採り入れることで総授業時間数を増加させる内容が盛り込まれることになる見通しだ。 ■小学校に教科担任制 愛知県(2007.1.11中日新聞) 愛知県教育委員会は、2007年度から小学校高学年で、中学校と同様の教科担任制を試行的に導入する。中学校進学後、学習や生活環境の変化に順応できず、不登校や非行につながる「中一ギャップ」を解消し、専門科目にスムーズに取り組めるようにすることが目的。 07年度は中学一校と複数の小学校を組み合わせるモデルケースを県内2カ所で指定し、原則として6年生を対象に3年間継続的に実施する。成果や課題を踏まえ、県内全域に導入できないか検討する。 実施教科は国語、算数、理科、社会。専門性を高めるため、教科担任には中学校から教員を派遣する。中学校と同様の授業形態をとることで、中学校生活にスムーズに移行できると見込んでいる。 県教委は教科担任制の導入で児童にとってより楽しく、理解しやすい授業ができると期待。学級担任以外の教員がクラスにかかわることで児童一人一人の状況を多面的に把握できるほか、学習につまずきを感じている児童に対し充実したサポート態勢がとれるとする。 小学校での教科担任制は、三重県では、津市や四日市市など多くの自治体で導入しているが、中学校から教員の派遣はしていないという。岐阜県では導入していない。 ■はし使いを入試でチェック しつけ重視の佐世保女子高 長崎県佐世保市の久田学園佐世保女子高校は今年の入試から数学、国語に加え、「正しいはしの使い方」を検査することを決めた。しつけ教育を重視する同校として「普段の生活習慣を見るのが目的」というが、県学事振興課は「非常に珍しい試み。全国的にも前例がないのでは」と関心を示している。 1月31日実施の試験では推薦、一般を問わず「はし使い」を導入。約10分間にはしの持ち方や運び方が正しくできているかなどを見る。 おはじき、小さなサイコロ、インゲン豆、ビー玉、大豆、小豆の6種類をそれぞれ10粒くらいひと皿に入れ、断面が六角形をした特注のはしでつまんで別皿に移してもらう。 同校は1学年40人の少人数制で1902年の創立以来、しつけ教育を重視し、茶道や華道が必修科目。立ち居振る舞いの指導とともに食育にも力を入れている。 久田順子校長は「当校の教育方針を明示する意味で取り入れることにしました。体の障害などでハンディのある受験生にはマイナスとならないよう配慮します」と話している。 ■夏休み短縮、土曜補習 ゆとり教育転換、総授業時数増加へ(2007.1.3産経新聞) 相次ぐ学力低下の批判を受けて始まった学習指導要領の見直しをめぐり、週5日制を維持しつつ総授業時数を増やすため、政府が夏休みの短縮や土曜補習を進める方向で検討していることが2日、分かった。「ゆとり教育」が導入される前の平成元年改定の教育課程水準に戻し、基礎学力を回復させる狙いがある。 保護者や教育関係者、与党の中には「土曜は子供がダラダラしているだけ」などと週6日制の復活を求める声もあるが、週5日制は社会全体として定着し、諸外国の教育制度上でも標準的となっているため、制度としては維持する方針。 しかし、学力低下批判が相次いでいることを重視し、次期学習指導要領では総授業時数の大枠を増加。その方策については、夏休みの短縮や土曜日の補習のほか、平日の放課後の補習、一日あたりの授業時間の増加などによって対応させる考えだ。 ■<教育再生会議>「ゆとり」見直し明記へ(2006.12.28) 政府の教育再生会議は28日、東京都内で運営委員会を開き、来年1月の第1次中間報告に「ゆとり教育の見直し」を明記することを確認した。大学の9月入学も、来年末の最終報告に向けた検討課題として明記する。いずれも21日公表した素案では見送ったが、同会議に「具体的な目標と検討課題」の提示を求める安倍晋三首相の意向を受けて明確化した。 ■野依座長「塾は禁止に」と主張−教育再生会議(2006.12.24時事通信) 「塾はできない子が行くためには必要だが、普通以上の子どもは塾禁止にすべきだ」。政府の教育再生会議分科会で、座長を務める野依良治・理化学研究所理事長が「塾の禁止」を唱えていたことが、同会議ホームページに掲載された議事録で24日明らかになった。ただ、委員の間では賛否が分かれ、21日に公表された中間報告原案には盛り込まれなかった。 ■<単位不足問題>教育長らに教員の厳正処分求める 文科省(2006.12.22毎日新聞) 高校での単位不足問題で、文部科学省は22日、都道府県、政令指定都市の教育長らに対し、学習指導要領を順守していなかった教員らを法令に照らして厳正に処分するよう求める通知を出した。 通知では「故意に法令に違反した」「過去に同様の処分を受けながら再度不適切な行為をした」場合などに厳正な処分を求めた。公平性を保つため、具体的な処分事例を示すことも検討したが「(文科省は)任命権者ではなく、法的根拠もない」(初等中等教育企画課)として見送った。 都道府県教委に出向していた文科省職員が処分対象になった場合については「通知の趣旨が違う」として触れていない。文科省職員が処分対象になった場合の対応策は決まっておらず、地方だけに処分を要求する形になった。 文部科学省へ <教心ネットの見解> これがこの国の国家の品格だろうか?責任を学校現場にだけ押しつけて、官僚は一切責任をとらない。 もともとは、ゆとり教育という欠陥カリキュラムを導入したことが原因のはず。さかのぼってでも処罰すべきは文部科学官僚の方ではないか?にもかかわらず、官僚は一切おとがめ無しで、地方の教育委員会や現場教師だけが処罰の対象というのは、明らかにトカゲのしっぽきりだ。 ダメ教師にもダメ総理にもやめていただくが、もうひとつダメ官僚にもやめていただかなければいけないようだ。 ■教育再生会議の第1次報告案に、委員から不満の声相次ぐ(2006.12.22朝日新聞) 安倍首相直属の「教育再生会議」(野依良治座長)は21日、首相官邸で総会を開き、来年1月に打ち出す第1次報告の原案「社会総がかりで教育再生を」を提示した。学力問題、規範意識など当面の課題に絞ったが、実現可能性を重視し、政府・与党にも配慮したため、項目の羅列など具体性に乏しく、委員からは不満の声が次々に上がった。池田守男座長代理は「メッセージ性をどう打ち出すかという部分はある」と表現ぶりについて再考する考えを示した。 総会では、安倍首相が59年ぶりに教育基本法を改正したことに触れ「新しい教育再生に向けての理念と原則が確立された。礎ができた。まさにこれから教育再生がスタートする」と強調。「すべての子供たちに高い水準の学力と規範意識を身につけさせる機会を提供していく」と語った。 再生会議は来年1月に第1次報告を提言し、08年度予算編成の「骨太の方針」をまとめる前の5月に第2次、年内に第3次報告を打ち出す。 第1次報告の原案の「基本的な考え方」では「世界に開かれた『美しい国、日本』の実現の基本は、次代を背負う子供や若者の育成にある」と安倍カラーを強調。そのためには「国民全体の平均的な資質の向上が不可欠」とうたっている。 学力向上は「教育内容を充実し授業時数を増加する、しかし、詰め込み教育には逆戻りさせない」と銘打った。当初の素案にあった「ゆとり教育の見直し」という言葉は消えている。 いじめ問題では、いじめた子など問題のある子に対する「サポートを伴う出席停止」を掲げたが、「児童に授業を受けさせないという処置は、懲戒の方法として許されない」とした1948年の法務庁見解などの見直しには触れていない。 また、教員の多様化をはかるため、社会人の中途採用、優れた研究者、大学院修了者と並んで、芸術家やスポーツ選手などの採用を提唱。副校長や主幹の新設も提言している。 教育委員会については「情報公開」「教委が学校を支援するプロジェクトチーム」に取り組むとしているだけで、国や首長との権限の分担などは「今後の検討課題」として先送り。不適格教員の排除についても具体策は記されていない。 <教心ネットの見解> やらせで世論もでっち上げる内閣のすることだから今さら驚かないが、始めから「結論ありき」の再生会議、議論した内容が報告書に盛り込まれないのはむしろ当たり前のことだろう。 委員から不満の声が相次いでいるようだが、自分たちが客寄せパンダに過ぎないということに今気づいたとしたらお粗末な話だ。再生会議で議論した内容がことごとく事務局によって報告書に盛り込まれなかったのは、官邸主導で最初から結論ありきだからで、「教育再生会議」という会議さえも“やらせ”だったというだけの話だ。 ■<教育再生会議>素案提示も、委員から不満続出(2006.12.21毎日新聞) 政府の教育再生会議の全体会議が21日午前、首相官邸で開かれ、来年1月の第1次(中間)報告に向け、学力向上やいじめ防止など5項目を柱とする素案を各委員に提示した。これに対し「議論したテーマが削除され納得できない」(渡辺美樹ワタミ社長)などの不満が続出。義家弘介担当室長が「(了承は)これから」と語るなど、取りまとめは難航必至だ。 安倍晋三首相はあいさつで「法律を改正すべきは改正し、予算も充当していく」と報告を重視する考えを示した。 素案は、社会人の教員への中途採用や授業時間数の増加、いじめなど問題行動を起こす子への出席停止を提言。基本的な考え方で「家庭、地域社会、経済界、メディアが当事者としての自覚を欠いた」と批判している。 これに対し委員からは大学の9月入学の削除や「ゆとり教育の見直し」の明記を見送ったことに不満が噴出。「メッセージ性が弱い」(中嶋嶺雄国際教養大理事長)と具体的な政策を盛り込むよう求める声が相次いだ。山谷えり子首相補佐官は終了後の記者会見で、こうした不満について「今後議論を詰めていきたい」と述べるにとどまった。 ■「ゆとり」原因 学力不足深刻 大学の2割で補習(2006.12.19朝日新聞) 高校の必修科目で履修漏れが次々と発覚したことについて、高校生を受け入れる大学側はどう感じているのか。関係者に尋ねたところ、学生の知識水準の低さへの危機感は強く、履修漏れ問題の前に「小・中学校を含む『ゆとり教育』」をやり玉にあげる声が相次いだ。国公私立合わせて大学全体の2割にあたる159校が、高校レベルの知識を補うために補習をしている。 「せめて必修は学んで」 取材で聞いた学力不足の例は表の通り。教授らが実際に体験したことばかりだ。 「学生の知識不足は、ゆとり教育が本格導入された約20年前に始まった」。東北大学の荒井克弘副学長は言う。「能力が低下したのではなく、小中高での学習範囲が狭まったせいだ。大学の授業にうまく接続できず、困っている」、「小学校で教えるべきことが中学校に回され、中学校で教えるべきことが高校に回されている。週5日制という限られた時間の中で、高校の先生は(科目の)選択と集中をせざるを得なかったのではないか」。こう同情するのは東京農工大の佐藤勝昭副学長だ。 こうした高校までの事情に、大学側の都合が重なる。入試科目を絞って受験の負担を軽くし、特色を出して学生を集めようとする取り組みが私立大を中心に急速に広がった。推薦入試やAO(アドミッション・オフィス)入試など一般入試以外での入学者は、私立では全体の49%(06年度)に達する。数学の一部を学んでいない経済学部生、物理を履修していない理学部生が珍しくない。 大阪大は来年度から、高校の教科書を使って、「市民のための」と名づけた世界史の授業を始める。正規の科目として単位も認められる。学内で案が出たのは今年9月で、履修漏れ問題が明らかになる前のことだ。 琉球大の理系学部は数学と物理、化学について、通常の授業のほかに高校レベルを含む入門クラスを用意。私立の関東学院大の工学部は、数学などの基礎科目を重視したカリキュラムをつくり、「学生支援室」も置いた。「補習の時間は設けていなくても、日々の授業で高校の学習内容を補わざるを得ない」との声も多い。 「ゆとり教育が本当に意義のあることか、見直す必要がある」(長崎大)、「記述式の問題を増やすなど、幅広い知識がないと乗り切れない入試にすべきだ」(京都大)といった声があふれる。教員養成系の大学・学部では、「先生の卵が知識不足では学力低下が拡大する」(埼玉大の渋谷治美・教育学部長)と切実だ。 履修漏れについては、「ゆとり教育から派生した問題」とのとらえ方が一般的だ。「せめて必修の科目はもれなく学んでほしい」(京都大)、「国立大は入試の5教科7科目を守るべきだ」(埼玉大)との声もあるが、「現実」をにらんだ要望も目立つ。 多いのは、必修科目の見直しを求める意見だ。「芸術は外せ」「日本史を加えるべきだ」など様々な取捨選択案のほか、理科基礎と理科総合A、理科総合Bなどと細かく分かれた科目の統合を求める声もある。東北大の荒井副学長は「小中の延長として高校教育を考えがちだが、社会で働くには、大学で学ぶには、といった逆からの発想も取り入れて見直す必要がある」と提唱する。 また、授業の時間数やカリキュラムについても、「週5日制を見直し、せめて月2回ぐらい土曜授業を復活させては」(京都大)、「5日制を変えられないなら、各教科に充てる時間を柔軟にするなど学習指導要領を弾力化してはどうか」(東京学芸大)といった意見が出ている。 「なぜ必要か」学生に示せ 大学の授業が理解できる学力をつけさせようと昨春発足した日本リメディアル教育学会の小野博会長の話 学力不足の学生が多数在籍する悩みと無縁な大学はわずかだろう。同じ大学の同じ学部でも、学生間で学力に大きな差が出てきたのが現状だ。AO入試など入り口が多様化した結果、履修漏れと同じ発想で「入試に必要ないから勉強しなかった」という学生が目立つ。少子化の影響で、以前なら大学に入れなかった学力の層が入学していることも否定できない。 ただ、そうした学生を「切り捨て」ては大学運営は成り立たない。入学させた以上、リメディアル(補習)教育は大学の使命でもある。取り組む大学は年々増えているが、補習を必要としない優秀な学生だけが熱心に聴いていたり、中高の6年分を1年で済ませたりする大学では成果が出ていない。「なぜ必要か」を学生に示しながら丁寧に教えるべきだ。 ●大学教授らが直面した学力不足の例 〈歴史〉 ・第1次、第2次世界大戦の時期がわからない ・坂本龍馬やゲーテを知らない ・ユーロを知らず、EC(欧州共同体)とEU(欧州連合)の区別もつかない 〈地理〉 ・ベトナムやコロンビアの場所がわからない 〈数学〉 ・分数の足し算の仕方(通分)を忘れている 〈英語〉 ・「三単現(三人称単数現在形)のs」を頻繁につけ忘れる ・英検3級がとれない 〈国語〉 ・語彙(ごい)力が中学生以下で論文を読めない ■公立高必修逃れ、文科省が関与の歴代校長ら処分の方針(2006.12.17読売新聞) 文部科学省は、必修科目を教えていなかった公立高校の校長らに対する処分について、必修逃れを始めた時期にまでさかのぼって実施するよう、都道府県教育委員会に求める方針を固めた。 大半の高校で必修逃れが数年前から始まっているためで、文科省は週明けにも通知を出して徹底をはかる。本来、都道府県教委が独自に行う教員の処分について、同省が統一見解を示すのは極めて異例。 必修逃れ問題の処分については、前例がないだけにほとんどの教委が対応を決めかね、文科省が統一見解を出すかどうかが注目されていた。文科省の調査で、必修逃れのあった371の公立高のうち、今年度から始めた高校は4校、昨年度からは13校しかなく、残りの95%以上の高校は2004年度以前から必修逃れを始めていたことが判明。文科省は過去にさかのぼった処分が不可欠と判断した。 <教心ネットの見解> 全くお門違いの処分だ。処罰すべきは、ゆとり教育という欠陥カリキュラムを造った文部科学省の官僚にあるのに、責任転嫁も甚だしい。しかも、なぜ公立高校だけなのか?ゆとり教育で公立の学校の信用を貶め、私立の学校や私学に通う人たちに有利に働くよう仕向けたことが、一番の原因だ。 ゆとり教育は、私学関係者のみが恩恵を受ける制度であることが、皮肉にもここでも示された形だ。 ■高校の必修逃れ、03年度から急増…週5日制が影響?(2006.12.13読売新聞) 高校の必修逃れ問題で、文部科学省は13日、各高校が必修逃れを始めた年度についての調査結果をまとめ、公表した。 必修逃れのあった公私立663校のうち、44・2%に当たる293校が2003年度から必修逃れを行っていた。文科省では「完全週5日制などで授業時間が減ったことなどが背景にあるのではないか」とみている。 開始年度で最も多かった03年度は、学習内容が大幅に削減された現在の学習指導要領が実施された年度で、02年度の30校から一気に増えた。次いで多かったのは04年度の116校で、全体の17・5%。1993年度以前から必修逃れをしていたと回答した高校も11校あった。 ■<教員意識調査>会社員以上に、仕事に満足感と多忙感(2006.12.12毎日新聞) 公立小中学校の教員は会社員よりも仕事に満足感を得ていると同時に、多忙感も感じる傾向にあることが11日、文部科学省の調査で分かった。また、教員自身は勤務実績などで給与に差をつけることを否定的にとらえているが、保護者は肯定的ということも分かった。 文科省は10月、全国354校の公立小中学校教員8976人(回収数8059人)と保護者1万4160人(同6723人)を対象に意識調査を行い、平均点を算出。中央教育審議会の「教職員給与の在り方に関する作業部会」に中間報告した。 中間報告によると、「仕事にやりがいを感じている」と答えた教員が5点満点で平均4.23点だった。一方、「仕事が忙しすぎて、ほとんど仕事だけの生活になっている」のは3.75点となり、調査会社が所有している会社員のデータと比較すると、教員は会社員よりも満足感と多忙感を同時に感じているという。 また、「指導力不足教員らに給与などへの反映が必要」と考える教員は3.37点。保護者への同種の質問では4.41点となり、両者のかい離が際立った。 ■<家庭学習時間>小中学生で増加「学習離れ」に歯止めか(2006.12.11毎日新聞) 減少していた家庭での学習時間が増加に転じるなど小中学生の「学習離れ」に一定の歯止めがかかっていることが、「ベネッセコーポレーション」(岡山市)の調査で分かった。また「いい友達がいると幸せになれる」と小中高校の9割以上が答え、子どもが「友人関係」を重視していることも浮き彫りになった。 同社の「学習基本調査」は90年からほぼ5年おきに実施。今年6〜7月に全国の公立小中高生計9561人を対象に行った。回答は児童生徒に直接記入してもらった。 家庭学習時間(平日)の平均は90年調査から2回続けて減少していたが、今回小学生は前回01年の71.5分から81.5分、中学生は80.3分から87.0分に増えた。今回70.5分の高校生は前回とほとんど差がなかった。 社会観に関する問いでは、「いい友達がいると幸せになれる」とした小中学生はいずれも9割を超え、高校生は96.3%に達した。子どもたちが友人関係を重んじ、生活の中心にしていることがうかがわれる。「いい大学を卒業すると将来幸せになれる」と答えた小学生は61.2%だったが、高校生は38.1%に減少。学年が上がると「高学歴が有利」とは考えない傾向を示した。 また、「日本は努力すれば報われる社会だ」と答えた小学生は68・5%▽中学生54・3%▽高校生45・4%となり、こちらの答えも年齢が上がるにつれ減少した。さらに高校生の75・8%が「日本は競争の激しい社会だ」と答えた。 ■教員採用に「社会人枠」…教育再生会議が提言へ(2006.12.8読売新聞) 安倍首相直属の教育再生会議(野依良治座長)は8日、都内で合宿審議を行い、教員全体の質の向上のため、「教員採用の社会人枠」を設けるべきだという見解を、1月にまとめる第1次提言に盛り込むことで一致した。 すでにある特別免許状制度を活用するなどして、専門性が高く、意欲ある社会人の採用を促し、教員の多様化を図る狙いだ。 一般社会人が対象の特別免許状制度は、専門的な知識や経験に着目し、都道府県の教育委員会が検定や第三者による推薦で免許を付与する制度。1989年に始まったが、免許の付与は4月現在で195件にとどまっている。 再生会議では、特に理科や英語の専門性を持つ教員の増加を狙い、「採用者全体の2割」などの数値目標を設定して特別免許の付与を進めるよう提言する。同日の審議では「目標は2割では足りない。教員の半数程度を民間人から採用すべきだ」という意見も出た。 ■なれあい学級でいじめ多発、長期被害は小学生の3.6%(2006.12.5読売新聞) のびのびしているが授業中に私語も見られる「なれあい型」クラスの方が、一定のルールが自然に形成され人間関係も親密な「満足型」クラスに比べ、小学校では3・6倍もいじめが起きていることが、都留文科大の河村茂雄教授らの調査でわかった。 また、小中学校とも、「同じクラスのいろいろな人」からいじめを受けたという回答が最も多かった。河村教授らは、「クラスの状態を考えたいじめ問題対策が必要だ」と指摘している。 小中学生、6000人を調査 この調査は、河村教授らが2005年度の4か月間、全国の小中学生計約6000人を対象に行ったもの。 それによると、「長い期間いじめられて、とてもつらい状態」という子供が、小学校では3・6%、中学校でも2%いた。 さらに、クラスの状態を、「なれあい型」、「満足型」、規則があって子供が教師の評価を気にし、活気のない「管理型」に分類して分析したところ、「満足型」のクラスでは、いじめを受けている小学生が100人中1・38人だったのに対し、「管理型」は3・4人、「なれあい型」では4・95人に上った。中学生でも、「満足型」の0・87人に対し、「管理型」は1・4人、「なれあい型」は1・79人だった。 ■いじめ対策、「厳罰化」効果に疑問=教育再生会議の緊急提言(2006.12.3時事通信) いじめを苦にした自殺が相次ぐ事態を受け、政府の教育再生会議(野依良治座長)がまとめた緊急提言に対し、有識者や与党内から疑問の声が上がっている。提言は加害者の子どもに別教室での指導を課すほか、いじめを助長・放置した教員の懲戒処分が柱だが、「厳罰化は根本的解決にはつながらない」とみられるためだ。 提言は「見て見ぬふりは加害者」「家庭の責任は重大」などの8項目。これまで具体的な対策がなかったことから、教育再生を看板に掲げる安倍内閣として、問題解決に取り組む姿勢を示したものだ。 ■<教育再生会議>「ゆとり教育見直す」中間報告素案で明記(2006.12.1毎日新聞) 政府の教育再生会議(野依良治座長)で学校教育の改革を協議する第1分科会は30日、来年1月にまとめる中間報告の素案を公表した。「不適格教員を排除するため、あらゆる制度を活用する」との姿勢を打ち出し、保護者や児童・生徒が教員評価に参加する第三者評価を打ち出した。また、学力向上のため学習指導要領を改め、「ゆとり教育を見直す」と明記した。 素案では、学力向上に向け、国語や英語、算数(数学)、理科の授業時間を重点的に増やす方針を明記。多様な「生きる力」の育成のため導入された「総合的な学習の時間」の短縮など「ゆとり教育」行政の転換を求める姿勢を鮮明にした。 また来年4月に約40年ぶりに実施する全国学力テストで、各小中学校に平均点などの調査結果を伝える時期を、文部科学省計画の9月から夏休み前の7月に前倒しするよう提案。成績のよかった学校の取り組みを公表し、他校にも実施を促すことを提言した。 教員への評価では、校長だけでなく保護者や児童・生徒も加わることを提唱。教員免許更新制も「不適格教員の排除」のため厳格な運用を求め、5、10年研修でも適性を審査することを提案した。「団塊の世代」の大量退職に向け、社会人や理系研究者の教員登用も盛り込んだ。 学校や教育委員会制度では、将来的な検討課題として、独立行政法人などを活用した学校、教委の第三者評価の実施を提案。教育委員から互選される教育委員長の輪番指名の排除や、学校に「副校長」「主幹」などの管理職を複数配置して学校運営を強化するなど、体制の大幅な見直しを提唱している。 これとは別に、地域や家庭教育のあり方を検討する第2分科会も郷土の風土や歴史を学ぶ「ふるさとの時間」授業の導入や、ボランティア活動の実施、「家族の日」の創設を盛り込んだ素案をまとめている。 ■大量の文書 指導時間奪う(2006.11.30読売新聞) 「これ、プレゼントしますよ」 相次ぐいじめ自殺事件を受け、文部科学省が15日開いた有識者会議で、東京都杉並区立和田中学校の藤原和博校長(51)は、にこやかに告げると、池坊保子副大臣の前に文書の束を置いた。その数約400枚。2、3か月の間に国、都、区などから届いた報告や調査の依頼文書の一部だ。 〈こんなに大量の文書を送りつけられて、どうやって子供たちとの時間を確保すればいいんだ〉。そんな藤原さんの心中が伝わったのか、副大臣は苦笑しながら「だから文書を減らしなさいと言ったじゃない」と、周囲にいた文科省の官僚に話したという。 「教育再生をするなら、まず学校に課す文書を10分の1に減らすことだ」 社会のいまを学ぶ「よのなか」科などで、学校をもり立ててきたリクルート社出身の藤原さんが語気を荒らげる。文書の処理には、副校長や指導主事までもが追われているからだ。 藤原さんは、文書の多い理由について、〈1〉本当に必要な調査、業務なのか精査しないままIT化した〈2〉「少年犯罪が増えたから心の教育や命の教育が必要だ」など、付け足し教育が増え、その度に実態と成果を調査している――と分析。その根本にあるのは「不信のシステム」だと強調する。現場に対する官僚の不信感が文書を増やすというのだ。 「管理職の本来の仕事は、子供の学びの質を上げることに尽きる」とふだんから強調する藤原さんは、ある日、副校長の前で文書を破ってみせた。〈自分が調査結果を知りたいと思った文書以外は協力しないでいい。文書にかける時間は子供と教師指導に充ててほしい〉。そんな思いを込めた“暴挙”だった。 教育委員会も、手をこまぬいているわけではない。杉並区教委は文書を減らす手立てを探るため、区立の全小中学校と、区教委各課に先月、昨年度1年間に受け取った(送った)文書の数や種類、処理した担当者を調査した。 その結果、小中学校が受けた文書の数は平均300件。これに対し、各課が送った文書は614件に達した。司書教諭配置状況調査、体育授業時の着替え実態、始業式・終業式に関する調査など、多くの文書を副校長が処理していたが、校長が把握しないまま、文書を受け取った教諭らが処理した例が300件以上もあったのだ。 文書の3分の1は、学校がまだ落ち着かない年度初めの3か月に集中していることも、弊害が大きい。 ダブリも多い。帰国生に関する実態調査は、区教委から複数の課が5月中に3回出し、7月には都教委も依頼。学校が受け入れるボランティアは「学生ボランティア」と「介助ボランティア」で区教委の担当課が違うため、それぞれが報告を求めていた。 区教委事務局の佐藤博継次長(54)も「縦割り行政の弊害だ」と認める。学校側の負担を減らすため、区教委では副校長の複数配置の検討も始めている。 杉並区教委から小中学校に送られた文書 (抜粋、カッコ内は担当課) 4月 ・嘱託員の勤務時間の割り振り(指導室) ・道徳授業地区公開講座調査(都教委→指導室) ・道徳教育推進状況調査(都教委→指導室) ・嘱託員の実態調査(指導室) ・学校サポーター利用計画枠調査(社会教育スポーツ課) ・学校サポーター計画書(社会教育スポーツ課) 5月 ・特色ある教育活動の調査(学校運営課) 6月 ・特色ある教育活動調査(指導室) ■いじめ緊急提言 厳しい教育現場の声 「アメとムチ」(2006.11.30毎日新聞) 東京都内の区立中学校長は「学校の先生がきちんと指導できていないという発想に立ったもので本末転倒な話だ。現場の先生の神経を逆なでし、処分されるとなればますますいじめを隠そうとする」と強く批判する。一方、“アメ”に関しては「何をもって、いじめが減ったか増えたか、取り組みが進んだか進んでないかを評価するのか。現場の実情とはかけ離れた考え方だ。学校はユートピアではなく、けんかもあればいじめもある。特効薬はなく、現場は一つ一つ全力を挙げて対応していくしかない」と憤りを込めて話した。 一方、別の区内のある小学校長は「いじめ自殺があった学校では、校長らがマスコミを前に謝罪しているが、一過性に過ぎない。現場の教員は『いじめを見逃したら教師生命がない』というくらいの真剣さが必要だ。その意味で懲戒処分を盛り込んだことは評価できると思う」と話す。 ただ、緊急提言の中にいじめた子への「指導・懲戒」案として、奉仕活動をさせることが掲げられていることに関しては「社会奉仕が有効なんですかね。きれいごと過ぎますよね」と疑問符もつけた。 提言通りなら、教師の懲戒処分は各地の教育委員会が行うことになる。94年に大河内清輝君いじめ自殺事件があった愛知県。名古屋市教委のある幹部は提言内容を読み「ちょっと厳しいな……」と漏らした。「現場の先生方の苦しさをもう少し理解してほしい。先生だって失敗はあるが、一生懸命仕事をしている。その結果として懲戒処分にされたら、やってられない」と同情的に語った。 一方、提言に文科省幹部も批判的だ。内容の多くは、すでに同省が各都道府県教委などに指導・助言をしている。ある幹部は「なんで今ごろこんなものを(提言するのか)……。けんかを売られているような感じがする」と批判した。 ■「いじめ問題への緊急提言」教育再生会議(2006.11.29毎日新聞) すべての子どもにとって学校は安心、安全で楽しい場所でなければなりません。保護者にとっても、大切な子どもを預ける学校で、子どもの心身が守られ、笑顔で子どもが学校から帰宅することが、何より重要なことです。学校でいじめが起こらないようにすること、いじめが起こった場合に速やかに解消することの第1次的責任は校長、教頭、教員にあります。さらに、各家庭や地域の一人一人が当事者意識を持ち、いじめを解決していく環境を整える責任を負っています。教育再生会議有識者委員一同は、いじめを生む素地をつくらず、いじめを受け、苦しんでいる子どもを救い、さらに、いじめによって子どもが命を絶つという痛ましい事件を何としても食い止めるため、学校のみに任せず、教育委員会の関係者、保護者、地域を含むすべての人々が「社会総がかり」で早急に取り組む必要があると考え、美しい国づくりのために、緊急に以下のことを提言します。 (1)学校は、子どもに対し、いじめは反社会的な行為として絶対許されないことであり、かつ、いじめを見て見ぬふりをする者も加害者であることを徹底して指導する。<学校に、いじめを訴えやすい場所や仕組みを設けるなどの工夫を><徹底的に調査を行い、いじめを絶対に許さない姿勢を学校全体に示す> (2)学校は、問題を起こす子どもに対して、指導、懲戒の基準を明確にし、毅然とした対応をとる。<例えば、社会奉仕、個別指導、別教室での教育など、規律を確保するため校内で全教員が一致した対応をとる> (3)教員は、いじめられている子どもには、守ってくれる人、その子を必要としている人が必ずいるとの指導を徹底する。日ごろから、家庭・地域と連携して、子どもを見守り、子どもと触れ合い、子どもに声をかけ、どんな小さなサインも見逃さないようコミュニケーションを図る。いじめ発生時には、子ども、保護者に、学校がとる解決策を伝える。いじめの問題解決に全力で取り組む中、子どもや保護者が希望する場合には、いじめを理由とする転校も制度として認められていることも周知する。 (4)教育委員会は、いじめにかかわったり、いじめを放置・助長した教員に、懲戒処分を適用する。<東京都、神奈川県にならい、全国の教育委員会で検討し、教員の責任を明確に> (5)学校は、いじめがあった場合、事態に応じ、個々の教員のみに委ねるのではなく、校長、教頭、生徒指導担当教員、養護教諭などでチームを作り、学校として解決に当たる。生徒間での話し合いも実施する。教員もクラス・マネジメントを見直し、一人一人の子どもとの人間関係を築き直す。教育委員会も、いじめ解決のサポートチームを結成し、学校を支援する。教育委員会は、学校をサポートするスキルを高める。 (6)学校は、いじめがあった場合、それを隠すことなく、いじめを受けている当事者のプライバシーや二次被害の防止に配慮しつつ、必ず、学校評議員、学校運営協議会、保護者に報告し、家庭や地域と一体となって、解決に取り組む。学校と保護者との信頼が重要である。また、問題は小さなうち(泣いていたり、寂しそうにしていたり、けんかをしていたりなど)に芽を摘み、悪化するのを未然に防ぐ。<いじめが発生するのは悪い学校ではない。いじめを解決するのがいい学校との認識を徹底する。いじめやクラス・マネジメントへの取り組みを学校評価、教員評価にも盛り込む> (7)いじめを生まない素地をつくり、いじめの解決を図るには、家庭の責任も重大である。保護者は、子どもにしっかりと向き合わなければならない。日々の生活の中で、ほめる、励ます、しかるなど親としての責任を果たす。おじいちゃんやおばあちゃん、地域の人たちも子どもたちに声をかけ、子どもの表情や変化を見逃さず、気付いた点を学校に知らせるなどサポートを積極的に行う。子供たちには「いじめはいけない」「いじめに負けない」というメッセージを伝えよう。 (8)いじめ問題については、一過性の対応で終わらせず、教育再生会議としてもさらに真剣に取り組むとともに政府が一丸となって取り組む。 ■教育再生会議 高まる「不透明」批判 首相肝いりも非公開(2006.11.29毎日新聞) いじめ自殺や高校の履修単位不足など教育問題に国民の注目が集まる中、安倍晋三首相肝いりの「教育再生会議」の初会合から1カ月が過ぎた。これまでに総会2回と第1分科会(学校再生)、第2分科会(規範意識・家族・地域教育再生)が各1回開催され、27日は第3分科会(教育再生)も東京都内でようやく開かれた。議論にスピード感があるとはいえず、非公開のまま進められる会議のあり方に「不透明」との批判が高まっている。 ■非公開が原則 教育再生会議は、運営委員会で議題などを確認した上、分科会で具体的な議論を進めるが、非公開が原則で、運営委は開催日時・場所さえ非公表だ。分科会、総会の内容は最低1週間以内に議事要旨、1カ月以内に議事録が公開される。 運営委は中間報告(来年1月予定)に反映させる7項目の「基本的な考え方」を決定したが、公式発表はしていない。27日の第3分科会終了後の会見でも、川勝平太委員(国際日本文化研究センター教授)の試案が「完成稿でない」と公表されず、「議論の内容が分からない」など記者団から批判を浴びた。 ■非効率生む事務細分化(2006.11.25読売新聞) 事務職員出身の校長が、独自の視点で学校の組織再編に取り組む。 「改革のしがいがあるな」。昨年4月、横浜市立谷本(やもと)中学校に赴任した神谷(こうや)敏明校長(57)は、校内組織図を手につぶやいた。 組織図には、学級担任や部活動のほか、生活指導など様々な校務の分担表が書いてある。その中で、本来なら事務職員が引き受けるべき事務が、いくつも教師に割り当てられていることに注目したのだ。しかも、備品の設置計画を立てる業務や転校手続きの業務などに細かく分けられ、それぞれ担当教員の名前が並んでいる。 市内の小中学校などで30年余り事務職員を務めた神谷校長の目には「事務職員がやれば済む仕事がほとんどで、必要のない分類。なるべく多くの教員の名前が出るようにという平等意識が働いている」と映った。 担当教員を決めることで、かえって効率が悪くなるという。例えば、転入生が来校しても、担当教員の授業中は、他の教員が対応できないため、待たせることもある。こうした事務の振り分けは、多くの学校で慣習化している。 来年度、神谷校長は自身をトップに新たな企画立案会議を設ける構想を練る。校内の事務全体を把握して、実務は事務職員を中心にし、状況に応じて手の空いた教員が手伝う柔軟な体制にするのが狙いだ。 谷本中は生徒数626人と比較的規模が大きい。授業や部活動で多忙なうえ、事務が教員の余計な負担になっているとの問題意識もある。「教員の手を事務的な仕事から離し、教材研究や子供と接する時間を増やしてほしい」と願う。 ■多様な校務 負担に偏り(2006.11.24読売新聞) 校務の効率化へ試行錯誤が続く 個々の教員の仕事量に偏りがないようにする取り組みがある。 静岡県沼津市立沼津高校では、学校での教員の仕事を約200項目挙げて数値化、1週間あたり40ポイントを目安として各教員に配分している。 担任をしていると週5日で5ポイント、授業を週15コマ担当して22・5ポイント、部活動の指導も週5日で5ポイント。校務分掌は、残る7・5ポイント分を担当することになる。担任の仕事や部活指導もなければ、その分、校務分掌の負担が多くなる仕組みだ。 地元の銀行マンから教育界に転じた田中保幸校長(59)が「これまでは漠然と割り振られていたが、一人ひとりの担当業務と担当量が明確になりました」と胸を張る。2003年4月、同校の中高一貫校化に伴って校長となった。 仕事内容を数値で表す「ジョブサイズ」の導入はその1年後。銀行の人事部長時代、新しい給与体系を導入する際に採用した考え方だ。高校では、教員の意見を聞きながら、「業務に必要な時間数」「難易度」「重要性」などをもとに数値化した。多忙な教員とそうでない教員の格差を解消するとともに、高校と、併設した中学校の業務を一体化することも狙いだった。 ■進路指導 データ処理膨大(2006.11.22読売新聞) 秋から冬は、進路指導担当者が最も忙しい季節だ。 「先生、ちょっとよろしいでしょうか」 愛知県小牧市立光ヶ丘中学校の進路指導主事、塩崎暢彦教諭(53)が午前の授業を終えて職員室に戻ると、私立高校の教師が待ち構えていた。 校長室で売り込みが始まる。「学校見学会への申し込みがないのですが、ぜひ生徒に声をかけていただけませんか」。少子化で高校側は生徒獲得に必死だ。10分ほど説明を聞いて席を立つと、外には別の私立高校の教師が待っていた。 来年度用の学校案内が出そろう10月から11月にかけて、連日のように高校から担当者が訪ねてくる。受験シーズンを目前に控え、進路指導主事の忙しさはピークを迎えている。 試験結果や部活の成績、志望校など、様々なデータを扱う進路指導は、IT活用が欠かせない。 他の公立中でもこの分野での活用が進んでいるというが、塩崎教諭が胸を張るのは、独自に作った高校別の合否分析資料だ。過去数年分の卒業生の試験結果の順位と、成績などを組み合わせた。個々の生徒が志望校の合格圏にいるかどうかが歴然としている。 「公立中の進路指導主事の会議で紹介したら、驚かれました。進学塾ならともかく、公立中では、このような資料を作ってこなかったのです」 手作業で同じものを作ろうとすれば、膨大な過去の書類を探し出し、必要な数字を拾い集めて計算しなくてはならない。ITを活用することで、各担任が学期末に生徒ごとの成績をつければ、その日のうちに進路指導の会議が開けるほどスピード化ももたらされた。 生徒が急に相談に来ても、容易に生徒の情報を引き出し、助言ができる。 ■私立高の1校当たり15人が授業料滞納 経済的理由で(2006.11.20サンケイスポーツ) 家庭の経済的理由で授業料を滞納している私立高校生は9月末現在、1校当たり14・74人と、2004年9月末の16・76人に次いで2番目に多かったことが、全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)の調査で20日、分かった。 全国私教連は「景気回復と言うが、経済格差が広がって生活が苦しい家庭は増えている。補助制度の拡充が必要」としている。 調査は毎年実施。今回は23都道府県の私立高校200校(生徒数16万8666人)と私立中学78校(同2万8049人)を対象に、3カ月以上の滞納者数や経済的理由による退学者数などを調べた。 滞納者は高校生で全体の1・75%(2947人)で、中学生は0・48%(136人)。 また退学者は高校生で81人(1校当たり0・41人)、中学生で4人(同0・05人)おり、経済的理由で修学旅行に行けなかった高校生は373人いた。 都道府県別で、高校1校当たりの滞納者が最も多かったのは熊本県(38人)。中には中学時代から39カ月滞納の高校生(神奈川県)や入学以来30カ月滞納の中学生(滋賀県)もいた。 滞納や退学の理由は、保護者のリストラや倒産、離婚による生活状況の悪化が目立ち、授業料や生活費のために生徒自身がアルバイトをしているケースも多いという。 ■広島市:教育特区認定 小5から英語科、言語・数理運用科導入も(2006.11.17) 広島市は16日、内閣府から「ひろしま型義務教育創造特区」に認定されたのを受け、来年度から小学5年〜中学校で新教科「言語・数理運用科」▽小学5・6年で「英語科」を段階的に導入すると発表した。同市教委によると、言語科目と数理科目を合わせて学ぶ教科の設置は、全国初という。 「言語・数理運用科」は、応用問題が苦手な子どもやコミュニケーション能力の低下が目立つため、国語や算数で学んだ基礎知識を活用し、適切な表現力を伸ばす。学習内容は専門家らでつくる委員会が検討中だが、文章題なども扱う予定。小学5年〜中学1年は週1コマ(小学校は45分、中学校は50分)、中学2・3年は週2コマ設ける。 「英語科」は、中学1年半ばから学力の二極化が生じている現状を改善するため、小学生のうちから英語に慣れてもらう。週2コマで「話す」「聞く」を重点的に学ぶ。うち1コマは週3日15分ずつに分けて、単語の暗記などに充てる。 ■<大学受験料>割引導入の大学増加、早大も参入(2006.11.17) 「大学全入時代」の到来を迎え、各大学が受験生の確保に躍起となる中、受験料の割引制度を導入する大学が増えている。早稲田大学(東京都新宿区)が来年度入試で初めて導入するほか、拓殖大学(文京区)は1回よりも2回受けた方が受験料が安いという新制度を設ける。大手予備校によると、全国の大学の半数近くが割引制度を取り入れているという。一方、「そもそも受験料自体が高い」との声もあり、価格破壊はさらに進みそうだ。 早大は来年度の5学部の入試で割引制度を初めて導入する。一般入試に加え、大学センター試験の成績を加味した入試を併願する場合、一般3万5000円とセンター3万円で計6万5000円となるところを、1万円割り引いて計5万5000円(スポーツ科学部は6万円が5万円に)とする。早大広報室は「これまで1回の試験で2回分の受験料を取っていたが、受験生の負担が大きいと考えた」と話す。 早大では89年度に約16万人いた志願者が少子化に伴って減少し、近年は約10〜11万人台で推移している。大手予備校・代々木ゼミナールの坂口幸世入試情報センター本部長は「受験料割引は早慶上智クラスではこれまでなかった。志願者を増やして、学生の質を維持しようとしているのではないか」と分析する。 <教心ネットの見解> 検定料3万5千円で、受験者数が10万人ということは、それだけで30億円以上の収入になる。必要経費を引いても余る計算だ。私立大学を中心に、受験科目を減らすことで大学の見かけ上の偏差値をあげ、それを大学のブランドとしているところもあり、また○○方式と称して何度も受験ができることをウリにしている大学もある。背景には、儲かけるための受験の仕組みが見え隠れしている。 ■世界史履修不足問題、愛知が32校で全国ワースト(2006.11.14教心ネット) 愛知県で、岡崎高校など県立高校18校で新たに履修不足が見つかった。岡崎高校は、2006年度の東大合格者数が公立高で全国最多の36人となったが、同校の教頭は「日本史の中で中国の歴史を扱うことや、地理の中で世界史にふれることもあり(社会を)総合的に行っている。学校裁量の範囲で未履修とは考えていない」と主張しているという。 ■バウチャー制度は公教育を崩壊させる(2006.11.14教心ネット) 全国で相次ぐ履修不足問題、ゆとり教育を求める一方、、教育にも競争原理を取り入れ数値目標を掲げることが要求される中で、各高校が合格実績を上げるため苦肉の策として必修はずしが行われていた。 どっかの首相は、「教育にも競争原理を取り入れれば、教育全体の質が向上する」とのたまっているが、実際には必修はずしなどの不正を働いてでも実績を上げようとする学校がでてくるだけだ。また、現在の高校の現状のように、毎年東大に何十人も合格者を出す超進学校と、教科書を絵本のようにしなければ授業についてこれない生徒が集まる底辺校とに二極化するだけである。教育に競争原理を導入すると言うことは、そういうことにほかならない。 現在、教育再生会議で、教育にも競争原理を取り入れるために義務教育への「バウチャー制度」の導入が検討されている。しかし、バウチャー制度のように教育現場に競争原理を取り入れると、先の高校での履修不足問題が小中学校で起こることにつながりかねない。大切なのは、教育全体の質の向上であって、教育現場に競争原理を導入することではない。 教育再生会議のあるメンバーは、テレビ番組で「バウチャー制度は教育格差を縮めます」と全くのデタラメを話していた。バウチャー制度は、イギリスなど諸外国でも不評で、むしろ教育格差を広げるだけだという。そんな欠陥制度を、いさんで導入しようとするにはなにか裏がある。 現在、特区などで株式会社が学校教育へ参入することが認められるようになった。例えば、2006年度に愛知県でトヨタ自動車などが出資して設立したエリート校の海陽学園がある。しかし、こうした企業がバックボーンになっている学校へは、「私学助成金」は支払われない。バウチャー制度の導入を推奨しているのは決まって財界だ。その財界が、自分たちの設立した学校へ助成金を得るためにバウチャー制度の導入を推奨しているのだ。「競争原理で教育全体の質が向上する」というデタラメと共に。 それに手を貸しているのがどっかの首相というわけだ。国民を愚弄するにも程がある。ダメ教師にやめていただくのはもちろんだが、ダメ総理にもやめていただきたい。 ■ダメ総理にはやめていただきたい!(2006.11.12教心ネット) 耐震強度、高校での未履修と、相次ぐ偽装問題。教育改革に関するタウンミーティングで、こともあろうに政府が“やらせ”をしていたことが発覚。ここへきて内閣府の“再チャレンジのタウンミーティングでもやらせをしていたことが発覚した。日本中偽装だらけと言うことだ。 安倍内閣の目玉。教育再生会議では、教員免許の更新制が議論されているのだが、そこでは安倍氏は「ダメ教師にはやめていただく」と明言したとかしないとか。同会議で議論されているバウチャー制度は、諸外国でもそれほど導入されているわけでもなく、ましてやむしろ格差を助長するなど、なにかと問題ばかりが目立つ制度。日本で導入するメリットは全くない。効果が無いどころか、百害あって一理無しのバウチャー制度を「この内閣の目玉」と豪語して、積極的に導入を図っているのだから正気の沙汰とは思えない。 自身の著書「美しい国へ」では、愛国心など教育基本法改正が焦点となったのだが、ちまたでも、小学校での英語教育必修化に反対する人が多く、まずは日本語をしっかりしてからということなのだろうか。「まず、自国のことばを愛し、自国を愛するべし」といったところか。しかし、肝心のこの国のトップは、「イノベーション」「再チャレンジ」など横文字混じりの汚い日本語しか話せないのは笑えない冗談か。これは、日本に対する愛国心ではなく、あの同盟国に対する愛国心の現れか。 とにかく、ダメ総理にはやめていただくとしか言いようがない。 ■<たかり>小5女児が多額現金渡す…被害額十数万円(2006.11.11毎日新聞) 北九州市八幡東区の市立小学校で、5年生の女児が同級生らから頻繁に金をたかられ、多額の現金を渡していたことが分かった。被害女児の保護者は「1年間で被害額は十数万円に上る」と話しているという。学校や市教委は事実関係を把握しながら、いじめとして対応していなかった。大庭清明教育長は11日、「極めて不適切だった」と陳謝した。 市教委によると、9月26日、被害女児の保護者から学校に「子供が金銭を要求されている」と相談があった。学校が保護者や関係児童に事情を聴いたところ、女児は5、6年の6人から繰り返し現金を要求され、ショッピングセンターやゲームセンターなどで1回に数百円から1万円を渡していたことが分かった。自宅の金庫などから現金を持ち出していたとみられる。 さらに、同校5年の別の女児も、現金を強要され、3万円を渡していたことが分かった。 学校側は市教委に「児童間の金銭トラブル」と報告。毎月提出するいじめ発生件数には含めていなかった。 ■大分のタウンミーティング、県教委職員が“さくら”(2006.11.10読売新聞) 大分県別府市で2004年11月に開かれた教育改革に関するタウンミーティングで「やらせ質問」が行われていた問題で、大分県教育委員会は10日、県教委職員4人が一般県民を装って質問していたことを明らかにした。 ■「YES係は奴隷」3生徒に命令…埼玉の中学教諭(2006.11.10読売新聞) 埼玉県北部の町立中学校の男性教諭(41)が、担任する3年生のクラスで、男子生徒3人を「YES係」と呼び、教材を運ばせるなどしていたことが10日、わかった。教諭は他の生徒の前で、「YES係は(『はい、はい』と自分の言うことを聞く)奴隷みたいなもの」と発言していたという。 町教委や学校などの説明によると、教諭は野球部の顧問で、3人はクラスにいる同部員の全員。教諭は今年4月、他の生徒もいる教室で、3人に「YES係」となるよう命じた。教諭は3人を「1号、2号」「1番、2番」などと呼び、「1号、職員室へ」などと指示し、教室まで教科書やワークブックを運ばせたり、授業に使う掲示物を張らせたりしていたという。 ■<やらせ質問>タウンミーティング 定着一転、存続の危機 (毎日新聞2006.11.10) 政府の教育改革に関するタウンミーティングで発覚した「やらせ質問」問題は、過去174回におよぶ全タウンミーティングを調査する事態に発展し、今後も問題は拡大する様相だ。小泉前政権が「政府と国民との直接対話」をうたい文句に導入したが、あらかじめ質問者を用意し、政府側の意に沿った質問をさせるやり方は国民の強い不信を招き、「情報操作」との指摘も出ている。政府は信頼回復に躍起だが、タウンミーティングの再開のめどは立っておらず、存続も危ぶまれる状況となっている。 「参加者には大変不愉快なことだろう。運営が不透明という批判が起きてもやむをえない」。内閣府の内田俊一事務次官は9日の会見で政府の非を全面的に認め、陳謝した。 政府の同日までの調査で「やらせ質問」が明らかになったのは、教育改革に関する過去5回のタウンミーティング。政府が事前に用意した質問案は、「新しい時代にふさわしい教育基本法となるよう改正が必要だ」(04年5月、松山市)▽「義務教育の財源が地方に移ると公教育に地域格差が生まれることが懸念される」(同年10月、和歌山市)−−など文部科学省の意向を反映させたものだった。「できるだけ自分の言葉で」「『依頼されて』とは言わないでください」といった注意事項を付けたケースもあった。 タウンミーティングは小泉純一郎前首相が就任時の公約に掲げ、01年6月〜06年9月に計174回開かれた。昨年の場合、1カ所につき平均1100万円の開催費をつぎ込むなど「劇場型政治」の典型とも指摘されてきたが、自作自演のPRショーの疑いをぬぐえなくなっている。 政府は調査結果が出るまで再開を見送る方針だが、時期については「時間を少しいただきたい」(塩崎恭久官房長官)と述べるのが精いっぱい。タウンミーティング自体は抜本的に見直した上で存続させる意向だが、信頼回復のための妙案は見いだせないでいる。 ■<履修不足>4年前の大学生調査で判明 文科省見過ごす(2006.11.9毎日新聞) 全国の高校での履修単位不足問題で、文部科学省の委託を受けた研究会が01〜02年に行った調査に、大学生の16%が高校時代に必修科目の世界史を「履修していない」と回答していることが分かった。特に理系の学部では20〜30%が履修していないと答えた。4年前に研究会の報告を受けて未履修の実態が確認されていながら、文科省が見過ごしていたことになる。 調査は「高等教育学力調査研究会」(研究代表者、柳井晴夫・聖路加看護大教授)が01年11月〜02年2月に実施。大学生の学習に対する意欲などについて調べ、高校での科目の履修状況についても聞いた。全国408大学600学部に調査用紙を配り、約8割に当たる335大学477学部の学生計3万3432人から回答を得た。 それによると、94年度から高校の必修となった世界史を「履修した」と答えたのは84%で、残り16%は「履修していない」とした。歯学部系では31%、医学部系は26%が履修していないと回答。理系学部で受験に関係のない科目が軽んじられていた実態が浮き彫りになった。文系学部でも外国語学系9%、文学系10%が未履修と答えた。 8日の中央教育審議会大学分科会大学教育部会で、この調査結果を取り上げた東北大学の荒井克弘副学長は「(未履修の問題は)研究者の間で95年ごろから話題になっていた」と説明した。 文科省高等教育企画課は「調査自体は履修漏れなどの直接の調査ではなく、問題意識がそこまで追いつかなかった。しかし、調査結果に含まれている以上、学習指導要領を所管する初等中等教育局に連絡しなかったのは問題意識として十分ではなく、適切ではなかった」と話している。 ■99年の女子高生自殺、ようやく「いじめ原因」と訂正 (2006.11.9読売新聞) 1999年10月、いじめをほのめかす遺書を残す、堺市立商業高の女子生徒(当時16歳)の飛び降り自殺があり、市教委は当時、「理由不明」とした国への報告を、「いじめが原因」と訂正し、7日に再報告していたことがわかった。 ■「考えるだけ」でスイッチ切り替え、日立が実験成功(2006.11.6読売新聞) 日立製作所は6日、暗算や暗唱などによって生じる脳内の血液量の変化を電圧信号に変えることで、鉄道模型の電源スイッチの「オン」「オフ」を切り替える実験に成功した、と発表した。 将来的には、「こうしたい」と考えた際の血流変化を電気信号に置き換える技術の開発を目指しており、運動機能を失った難病患者が自立するための福祉機器開発につながるものとして期待される。 暗算や暗唱などを行うと、活発に働き、血流が増加するのは、額の裏側付近に位置する脳の「前頭前野」と呼ばれる部分。同製作所基礎研究所の研究チームは、近赤外光を照射してこの血液量変化をとらえる装置「光トポグラフィ」で、暗算などをした時の血液量の変化を把握し、これを電圧信号に変換することで、鉄道模型の駆動、停止ができるかどうかに挑んだ。 ■小中校予算に学力テスト反映(2006.11.4時事通信) 東京都足立区教育委員会は4日までに、区立小中学校に配分する予算の一部について、2007年度は都と区が実施する学力テストの成績などに応じて差をつける方針を固めた。各学校を4つのランクに分け、例えば中学校の場合、約500万〜約200万円とする考え。 区教委は「(学力向上などで)頑張った学校を正当に評価するようにしたい。成績が低い学校には、別建ての学力向上予算で非常勤講師を派遣するなど対応は可能」と説明している。 ■教育改革タウンミーティングでやらせ質問、内閣府作成(2006.11.1) 今年9月2日に青森県八戸市で開かれた政府の「教育改革タウンミーティング」で、内閣府などが教育基本法改正案に賛成の立場で質問するよう参加者に依頼していたことが1日の衆院教育基本法特別委員会で明らかになった。 石井郁子議員(共産)が内閣府や青森県教育庁などが作成した文書を基に指摘し、政府もこれを認めた。 文書は、青森県内の教育事務所と同県教育庁が、地元の中学校長あてにファクスで送った2種類。一つは「タウンミーティングの質問のお願い」として、三つの質問案を示し、そのうちの一つを質問するよう依頼している。 もう一つの文書は「内閣府から以下のとおり発言の仕方について注意があった」として、<1>できるだけ趣旨を踏まえて自分の言葉(せりふの棒読みはさけてください)<2>「お願いされて」とか「依頼されて」と言わないで下さい(あくまで自分の意見を言っている、という感じで)――などと、アドバイスしている。 <教心ネットの見解> なんだ、安部内閣の目玉である教育改革とはこの程度のものだったのか。 ■灘高、3年全員が履修漏れ 神戸市の名門私立・灘高校でも、3年生全員の約220人に履修漏れがあったことが31日、わかった。同日午後、兵庫県教育課に報告する。 同高によると、2003年度から、理系クラスの一部生徒が2科目必修の地理歴史で1科目しか履修していなかった。また、家庭科では、同科の教員免許を持たない物理や化学の教諭が教えるなどしており、県教委によると、こうしたケースも履修したことにならないという。 一方、これまで該当校がないとされていた神奈川県でも、私立3校で必修逃れが判明。鹿児島県でも新たに私立4校が判明し、必修逃れの高校は熊本県を除く46都道府県で、計460校となった。(読売新聞社調べ) ■日本の大学生の約44%が世界地図上でイラクの位置を正しく示せず(昔、むかし・・・) ある国会議員が、地図上でヨルダンを指して「イラク」と言ったことがあったそうだ。それをテレビで見ていたアメリカ政府は、フセイン政権を倒すつもりで誤ってヨルダンを攻撃してしまい、世界から大ひんしゅくを買った。 なんていう“笑えない間違い”がよく起きなかったものだと思う、今日この頃である。というわけで、今思えば、昔こんなニュースがあった。 『調査は昨年12月から今年2月にかけて、25大学の学生約3800人と、9高校の生徒約1000人を対象に実施。世界地図上の30か国に番号を付け、その中から、アメリカやイラク、北朝鮮など10か国の場所を選ばせた。その結果、最も正答率が低かったのはウクライナで、大学生が54・8%、高校生が33%。イラク戦争や自衛隊派遣でニュースに登場する機会が多いイラクは、大学生56・5%、高校生54・1%にとどまり、五輪に沸いたギリシャもそれぞれ76・5%と59・4%だった。最も正答率が高かったアメリカでも大学生の約3%、高校生の約7%が間違え、中にはイラクの場所としてイギリスやインドを選んだり、アメリカの位置として中国やブラジルを示した“珍答”もあった。』 「このごろみやこに流行るもの、夜討ち、強盗、ニセ必修」、ということで、高校で必修であるはずの世界史を履修していない高校が400校、生徒数で7万人以上いるということでとても問題となりました。だが、1年半前には、学者先生はこんなことをおっしゃっている。 同学会よると、高校の「地理歴史」は1989年の学習指導要領改訂以降、「世界史」を含めた2科目が必修となり、残り1科目に「地理」を選択する生徒は半数にとどまっている。先進諸国などには地理を必修としているところも多く、同学会で地理教育専門委員会委員長を務める滝沢由美子・帝京大教授(地理学)は「最近、都道府県の場所や県庁所在地も知らない学生が増えていると話題になっていたが、実際に調べて驚いた。地理と歴史をバランス良く学ばせることが大切だ」と話している。 なにやら、「地理の履修が少ないからけしからん!」と言わんばかりの勢いだが、おかげさまで今現在、必修の世界史をとばして、地理を履修している生徒がごまんといるわけで・・・。学者先生様の念願叶ったというところでしょうか。 「のど元過ぎれば熱さ忘れる」ということわざがあるわけで、いったい全体、犬が西向きゃ尾は東、“地理”を履修すべき?か“世界史”を履修すべきか?この結末はいかに!? ■いじめた教員は免職も 東京都教委が懲戒処分へ(2006.10.27産経新聞) いじめを苦にした児童、生徒の自殺が相次いだ問題を受けて、東京都教育委員会は26日、生徒を自らいじめたり、生徒間のいじめに加担・助長した教員に対し、悪質な場合には免職を含む懲戒処分にすることを決めた。今月中にも都立学校や区市町村教委に通知する。 都教委によると、生徒をいじめたり、いじめに加担・助長した教員は「減給、戒告」に、内容が悪質だったり、生徒が欠席や不登校になるなど重い苦痛を与えた場合や、隠蔽(いんぺい)や常習性がある場合などでは「免職、停職」にするとしている。 いじめの定義について都教委は「身体、心理的な攻撃を継続的に加えることにより、生徒に深刻な苦痛を感じさせる行為」などとしており、処分を受けた教員には再発防止研修を行う。 都教委は「教員を委縮(いしゅく)させたり処分するのが目的ではなく、生徒の心を傷つけないよう戒めを求めるのが目的」と説明している。 <教心ネットの見解> 裏を返せば、今まで教師によるいじめに対して何の処罰もしてこなかったということ。教師がいじめをするなど言語道断で、厳正に処罰するのはむしろ常識。学校の常識は世間の非常識とはよく言ったものだ。 ■工学部の志願者減、下げ止まらず(2006.10.25毎日新聞) 日本の科学技術を支える大学工学部が、存亡の危機に立たされている。志望者がここ10年で半減し、下げ止まらないのだ。このため、東京電機大(東京都千代田区)や早稲田大(新宿区)といった「名門」をはじめ、各地の工学部が対応に乗り出した。その秘策は? 文部科学省の学校基本調査によると、95年は57万4000人いた工学部志願者は、05年に33万2000人にまで減少。逆に医・歯・薬学部は同23万9000人から28万5000人に、看護・医療・保健学部も5万人から11万人に倍増している。医療系学部は理学療法士などの資格が取れるため、就職を見越した受験生が殺到する状況だ。 一方、工学部の不人気の理由としては、(1)資格取得に直接結び付かない(2)学問の内容が多岐にわたり、高校側が進路指導しにくいなどが考えられるという。 この「不人気」に対して、関西大(大阪府吹田市)は工学部の募集を停止し、「システム理工」「環境都市工」「化学生命工」の3学部に再編する。システム=仕組み作り▽環境都市=街づくり▽化学生命=モノ作り、というキャッチフレーズでアピールする。土戸哲明工学部長は「ただの工学部というだけでは、何を学ぶのか分かりにくかった。中高校生は理系に興味はあるが、志願者に結びつかないのはそんな側面もあったのでは」という。 早稲田大も96年続いた理工学部を「基幹理工」「創造理工」「先進理工」の3学部に再編。大学院も併設し一貫教育を強調する。柳澤政生教授は「時代の変化への対応と受験生に魅力がアピールできる学部にすることが必要」と話す。 東京電機大は、これまで工学部に入っていた建築や情報の学科を集めて「未来科学部」を新設。同大は02年度には2万1000人の志願者がいたが、今春は1万3000人にまで激減しており、「なんとか回復させたい」(同大)と必死だ。このほか、武蔵工業大(世田谷区)は従来の工学部に加え新たに「知識工学部」を設けて情報関連に特化した教育を目指し、上智大(新宿区)も08年度理工学部を再編する予定だ。 河合塾の神戸悟教育研究部チーフは「受験生は就職を考えて医療系学部に集まるが、資格を持っている人が多ければ就職に結び付かない恐れもある。科学技術を背負うのは工学系なので、受験生も広い視野で進路を選択してほしい」と話している。 ■高校での世界史未履修問題はなぜ起きたか? ゆとり教育と言っている割りには、現場のゆとりのない現状を無視した指導要領の改悪が原因であろう。この事件よくよく調べてみると、10年前からも起きていたようである。そうすると、2002年度(高校は2003年度)から始まったゆとりが原因ではないように思われるが実はそうではない。90年代から始まった学校週5日制の影響があるからだ。授業時間が足りなくなるにつれて、現場では苦肉の策として必修はずしが行われていたようだ。 ゆとり教育で中学校の学習内容がスカスカなため、今の高校生は基礎学力が落ちている。特に英語と数学で。だから、高校側としてはなんとしても英語と数学に力を入れたい。そんな中で、社会科に週4時間も時間を割くわけにもいかない。 文部科学省の学習指導要領には、このように記述されている。 第3款 各教科・科目の履修等 (2) 地理歴史のうち「世界史A」及び「世界史B」のうちから1科目 並びに「日本史A」,「日本史B」,「地理A」及び「地理B」のうちから1科目 (3) 公民のうち「現代社会」又は「倫理」・「政治・経済」 つまり、通称社会科と呼ばれている教科のうち、地理歴史という科目では、世界史(AorB)という科目を1つ必修とし、さらに日本史(AorB)か地理(AorB)のうち1科目、、合計2科目が必修となる。さらに、公民という科目のうち、現社or倫理・政経のうちち1科目が必修となり、合計3科目が必修となるのだ。 さらに問題なのが、世界史Bの内容は、4単位(35時間×4=140時間)で終わるような内容ではない。事実上210時間(6単位)は学ばないと終わらないほど内容が高度で範囲が膨大なのだ。 さて、国公立立大学を受験するためには、センター試験で5教科受験する必要がある。ところが、これが2次試験となると、文系は国英社、理系は英数理が主な入試科目となる。さらに理系の受験生は、3年生になると英語と数学だけでなく、理科を2科目勉強する必要があるため、とても社会科(地歴・公民)を勉強している余裕がない。また、入試で社会科が2科目科せられることはほとんどないことや、日本史や世界史に比べ地理の方が履修が容易であることなども影響しているだろう。 要するに、理科では自分が好きな科目(物理、化学、生物、地学)を2科目まで選び、それを受験に反映することが出来るのに対して、社会科では自分が好きな科目を1つしか受験に反映させることしかできない。にもかかわらず、必修科目は3科目もある。センター試験でしか社会科を必要としない受験生にとっては、世界史はまさにお荷物教科でしかない。入試で必要としないのだから、勉強したくないと言うのは、人間として至極当たり前のことである。文部科学省はそれを必修化しているのだから、ちぐはぐなやり方にこそ問題がある。 例えば、世界史を必修にするのならば、センター試験の地歴で世界史を必修にするなど、大学入試にも手を加えておく必要があっただろう。「高校で必修にしました。でも入試には出ません。」では、誰も勉強したがらないのは当たり前のことではないだろうか。 文部科学省は、この問題の責任を都道府県教育委員会にあるとしているが、もってほのかだ。原因は文部科学省の欠陥行政にある。ゆとり教育で、小中学校で削減された3割の内容のほとんどが、高校へしわ寄せとなっている、。社会科では4大文明や中世ヨーロッパは学ばないし、数学でも二次方程式の解や不等式は学ばなくなった。これらすべてが高校課程へしわ寄せとなって押し寄せている。その上、高校でも学校週5日制が導入された。もう日本の高校はパンク寸前だ。1時間授業(50分)を48分にして、その分授業回数を増やすという、苦肉の策に走っている高校もある。そこまでして授業時間を確保しようとしている高校現場の苦労を文部科学省は知っているのか?文部科学省こそ責任が問われるべきである。 ■富山高岡南高校必修のはずの世界史未履修で卒業不可?(2006.10.24) 富山県立高岡南高校(篠田伸雅校長)で、昨年度の2年生197人全員が、世界史、日本史、地理のうち1科目しか授業を受けていなかったことが分かった。学習指導要領では世界史が必修で、さらに日本史と地理のどちらかを履修するよう定めている。県教委によると、生徒の間で以前から大学入試に必要な科目だけを集中的に勉強したいという声があり、学校側が昨年度の運用で一つだけ選択させたという。単位不足で全員が卒業できない事態となりかねず、学校は卒業式までに必要な授業を行うという。 生徒は2科目分の教科書を買ったが、学校側は参考書として使用するように指導。取得単位を記録する生徒指導要録には、日本史や地理の授業で世界史的な要素に触れているなどとして、必要分の単位を取得したように記載していた。 実際には、71人が日本史、32人が世界史、94人が地理だけを選択。今後、50分授業を70回受ける必要があり、7限授業や土、日、冬休み、1月の大学センター試験終了後に行う方向で検討。生徒には、24日の学年集会で謝罪したという。 加藤敏久・県教委学校教育課長は記者会見で、「学校として指導要領に反するという意識が薄かった。入試を目前にした生徒たちに迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪。今年度の2年生は教諭の中から疑問の声が上がり、正規の授業を受けているという。 ■教諭のいじめで不登校に−鹿児島県奄美大島の中学校(2006.10.24サンスポ) 鹿児島県奄美市の市立朝日中学校で、2年生の女子生徒(14)が1年生だった昨年9月に担任の男性教諭(30)からいじめを受け、不登校になっていることが24日、分かった。学校側もいじめを認め、生徒の両親に謝罪しているという。 奄美市教育委員会によると、男性教諭は女子生徒に授業のプリントを渡さなかったり、出欠確認の時に名前を呼ばなかったりした。女子生徒は昨年10月から学校を休みがちとなり、進級した現在もほとんど欠席しているという。 男性教諭は「心ない言動で心の傷を負わせてしまった。申し訳ない」と話しており、3月の終業式では1年生全員の前で謝罪したが、女子生徒が面会を拒んでいることから、直接には謝罪できていないという。 2月に女子生徒の母親の訴えでいじめを把握した市教委は、3月に男性教諭を口頭での訓告処分とした。学校側は「教師として許されない。1日も早く学校に出て来てもらえるよう家庭訪問などを続けたい」としている。 ■教育再生会議早くも亀裂(2006.10.20朝日新聞) 「学校教育、ウチが引き受ける」 文科相、主導権を強調 安倍首相の肝いりで首相官邸に設置された「教育再生会議」(野依良治座長)と文科省の役割分担について、伊吹文部科学相は20日、学校教育をめぐるテーマはあくまでも文科省が主導権を握る姿勢を強調した。 この日開かれた衆院文部科学委員会で答弁に立った伊吹文科相は、家庭や地域社会の教育力を復権するには(1)地方の親の働き場所を確保するための公共事業や工場誘致(2)超過勤務手当を大幅に増額して同勤務をさせにくくし、都市部の親が早く帰宅できるようにするような労働法制の検討――の議論が必要と指摘。そのうえで、「再生会議はむしろそういう大局的な議論をしていただきたい」と語った。 一方で、文科相は、再生会議がこれから打ち出す報告や提言の中で中心を占めることになる学校教育をめぐる分野は「すべて我が省が引き受ける。(文科相の諮問機関である)中央教育審議会の意見を広く聞いて、いろいろな価値観の中から結論を出していただく」と述べた。この分野については、文科省でもう一度議論した上で、結論を決めるという方針を示したものだ。 これは、小渕〜森内閣の「教育改革国民会議」の例を踏襲したとも言える。同会議が提言した「大学の9月入学の積極的推進」などは、文科省の審議会で議論されたが、本格的には導入されなかった。 また、文科相は「教育は市場経済で決まる効率や利潤を超えた価値を扱っている。義務教育に市場原理が入ってくるのは感心しない」と語り、教育分野に競争原理を持ち込もうとしている政府の規制改革・民間開放推進会議の動きも牽制(けんせい)した。 ■大学は、アトラクション(=講義)がつまらないレジャーランドか?(2006.1018ジャストシステム) 大学生活で最も不満なのは「講義」――ジャストシステムが10月18日に発表した、大学1年生に対するアンケートでこんな結果が出た。 調査は、9月9日から11日にかけ、全国の大学1年生412人に対して、ネットで行った。 今通っている大学に進学した理由のトップは「ブランドや魅力」(34.0%)、2位は「就職に有利だから」と「資格を取るため」が同率(33.5%)だった。 大学生活の中で一番楽しいことは「友人と遊ぶ」(28.9%)がトップ。以下「サークル活動」(17.0%)、「趣味を楽しむ」(16.7%)と続いた。 大学生活の中で一番不満なことは「講義が期待したほど面白くない」(21.1%)がトップ。2位は「キャンパスが遠い」(16.3%)、3位は「特にない」(11.9%)となっている。 大学生活の満足度は、100点満点で平均61.1点、講義内容の満足度は同56.6点だった。 理想の大学教授は、上位から順に北野武さん、太田光さん、三谷幸喜さん、イチローさん、タモリさんだった。 教職員412人に対する調査も同時に行った。今の大学に欠けているものとして挙がったのは、順に「研究環境への投資」(36.4%)、「大学改革の前向きな取り組み」(35.4%)、「大学自体のPR活動」、「社会に出て役立つ講義内容」(29.1%)だった。 ■福岡三輪中男子生徒自殺の責任を問う(2006.10.19教心ネット) 今回の事件は、男子生徒の自殺の原因が“いじめ”であったことに加え、こともあろうに元担任の教師が「からかいやすかったから」と、そのいじめに加担していたことが波紋を呼んだ。 当初は、元担任教師がいじめに関与していて、それが原因になった可能性があることをにおわせていた学校関係者だったが、翌日になってその発言を撤回して関与を否定するコメントを発表。これが事態をさらに悪化させた。 遺族は事実関係究明のために、再三“無記名”でのアンケートの実施を学校側に要望したにもかかわらず、学校が行ったアンケートは、生徒が氏名を書き込む“実名形式”で行われた。案の定、アンケートの結果は大半が“白紙”だった。通常アンケートは、バイアスをさけるため「無記名」で行うのが常識。現場の教師はこんなことさえ知らないのか?それとも保身のために“わざと”やったのか?だとしたら、教師は指導のプロではなく、保身のプロということになる。 皮肉にもこのアンケートでは一部の生徒の勇気ある告発で、元担任の日々の言動が明らかになった。 ・太っている子には「豚」 ・亡くなった男子生徒の親から受けた相談内容を他の生徒に暴露する など、もはや教師として、いや人として失格だ。 学校側の対応も、“保身のため”の対応ばかり。ここ数年で7,8件のいじめがあったにもかかわらず、教委には「0件」とウソの報告をしていたことが発覚。今回の事件でも、当初は教師の関与を認めていたにもかかわらず、翌日には関与はないと二転三転。おそらく、前日に現場の教師から校長は突き上げを食らったのだろう。教委が校長をかばい、校長が教師をかばう。しかし、教師は生徒をかばわない。こんなことがまかり通っている学校とはいったい何なのだろうか? もちろん、すべての学校、すべての校長、すべての教師がそうだというわけではない。いっしょうけんめい「いじめに取り組んでいる」学校関係者は少ないないはずだ。そういう人たちが馬鹿を見る世の中で良いはずがない。 いじめを阻止するどころか、それに加担する教師。そんなとんでも教師をかばうとんでも校長やとんでも教委。それで給料がもらえるのだから、喜ばしかな公立学校。関係者へのそれ相応の処罰をのぞむ。 ■教育再生会議/事実評価からスタートを(山陰中央新報2006.10.14) 教育重視を掲げた安倍晋三首相肝いりの「教育再生会議」のメンバーが決まった。来週にも初会合を開き、官邸主導の改革案を順次提言するという。 首相直属の諮問機関は中曽根内閣の臨時教育審議会、小渕、森内閣の教育改革国民会議以来。文部科学省・中央教育審議会主導の改革とは一線を画すという触れ込みだ。 しかし座長に就くノーベル化学賞受賞者の野依良治・理化学研究所理事長、担当室長の「ヤンキー先生」こと義家弘介・横浜市教育委員らメンバーを見渡しても、どういう方向を向いているのか、明確なメッセージは伝わってこない。それどころか副室長に、かつて教育改革国民会議の事務局で中心的役割を果たした山中伸一・前文科省私学部長を据え、委員に元文部科学次官の小野元之・日本学術振興会理事長を任命しているのを見ると、文科省と一線を画すとする当初方針はどこへいったのか、という印象は否めない。 当面、全国学力テストの徹底や教員免許更新制、国による学校評価制度などが検討事項とされるが、いずれも既に文科省がレールを敷いたもので新味はない。 メンバーに教育現場の実情に通じている人が少ないのも気掛かりだ。制度に踏み込んだ議論というより、委員それぞれが持論をぶつけ合う展開になれば結局は「事務局主導で」にもなりかねない。まずは教育現場のニーズを事実を踏まえて検証し、問題の所在がどこにあるのか、再生会議としての診断を世に問うところから始めるべきだろう。 気になるのは学力問題の行方だ。会議をリードする山谷えり子首相補佐官や下村博文官房副長官は「ゆとり」で象徴される現行学習指導要領を「ゆるみ教育になってしまった」と批判。安倍首相も「ゆとり教育の弊害で落ちてしまった学力」と決め付けている。小野元次官も現役時代にゆとり路線修正を試みたことで知られる。 しかし昨年来、指導要領改定作業を積み上げてきた文科省や中央教育審議会は「指導要領の趣旨はよかったが、手だてに課題があった」として趣旨徹底を目指し、逆方向を向いている。 まずは事実評価から出発すべきだ。学力問題の引き金となった国際学力調査の評価では読解力の順位低下が大きな話題になったが、実は低学力の子どもの増加の方が深刻だ。親の年収で学力格差が広がっているとの調査結果もある。こうしたデータをきちんと議論の俎上(そじょう)に載せ、思い込みでなく問題の所在を丁寧に探ってほしい。山谷氏は民間のシンポジウムで、官邸がカリキュラムを見直すと発言したと伝えられる。政治が力ずくで教育内容に手を突っ込むようなことは願い下げだ。 全国学力テストや国による学校評価の導入で学校や個人を競わせても、そこで救われるのは、それこそ少数の上位層だけである。 世界標準から見れば日本の公教育水準はトップレベルにある。だが、国内総生産(GDP)当たりの公教育費は経済協力開発機構(OECD)加盟国でも最低レベル。四十人学級は安上がり教育の象徴だ。再生会議はこうした事実にこそ目を向けてほしい。 ■「元担任のいじめ」波紋 教師や保護者ら批判と不安(2006.10.16西日本新聞) 福岡県筑前町の三輪中学校2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺したとみられる事件で、1年生時の担任だった男性教諭が男子生徒へのいじめを誘発するような発言をしていたことに対し、九州の教師や保護者からは「教師の人権意識が問われる」との批判の声が上がる一方、「生徒への指導がますますやりにくくなる」と影響を不安視する声もあった。 福岡市の男性小学教諭(53)は、同市城南区の中学校で1991年、中三男子に対して担任教師が率先して引き起こした「葬式ごっこ」事件を思い浮かべ「あの事件は、先生が多くの子どもと同じレベルに並び、被害者の子ども側に立ちきれなかったことが原因だった。あの反省が生きていない」と悔やむ。「今回の元担任は、自らの言動が子どもの人権を侵したということをどこまで認識しているだろうか」と語った。 同市の30代女性中学教諭は「同僚にもエッ?と思うこと(生徒の陰口)をつい話してしまう先生はいるが、それを教室で生徒に話すというのはちょっと考えられない行為だ」と批判。同市の中学校に勤める50代女性教諭は「似たような教師を何人か知っている。本人はクラスを盛り上げるつもりの冗談が、人をあげつらう不快な話になり保護者から苦情が出たこともある」と語った。 一方、「1人の教師のために、生徒指導がますますやりにくくなってしまう」と危惧(きぐ)するのは熊本市の男性中学教諭(50)。「子どもたちはぶつかり合いながら成長していくもので、たくましく育ってもらいたいとの思いで指導するが、今回の事件をきっかけに、傷つけないよう配慮することばかりになりはしないか」と話した。 高校生と小学生の子どもがいる北九州市門司区の母親(46)は「校長や教育委員会と保護者との間で板挟みになり、だれも守ってくれる人がいない今の教師は、子どもにいかに気をひかれるかに神経をすり減らしているようにみえる。その結果、他の生徒にうけるような言動をしたのではないか」と語った。 ■<福岡いじめ自殺>発端は学年主任の「いじめ発言繰り返し」 (2006.10.15毎日新聞) 福岡県筑前町の町立三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、合谷(ごうや)智校長、中原敏隆町教育長、学年主任らが15日、男子生徒宅を訪れ、両親と面会した。学校側は、男子生徒の1年時の担任教諭を務めた学年主任(現在)がいじめ発言を繰り返し、それが発端となって他の生徒にまでいじめ行動が広がったことを認めた。 両親と学校側の面会は報道陣に公開された。両親らは、自殺直後に学校が全生徒から取ったアンケートと、両親が親しかった生徒2人に書いてもらったメモを基に「息子だけが1年の時からいじめられていた」「一部生徒がアンケートで学年主任によるいじめを記述している」と指摘した。 また、▽1年の時に生徒らをイチゴやジャムに例えてランク付けするなど人格無視の発言を繰り返した▽ケガをしているのに仮病よばわりやうそつき扱いした−−ことなどを、同級生2人から伝えられたことを明かし「間違いないか」とただした。学年主任は「(男子生徒が)からかいやすかったから」と、いじめ発言を繰り返していたことを認めた。 さらに、母親が男子生徒のインターネット利用について教諭に相談した内容を他の生徒たちに明かして、これに絡めてバカにしたあだ名をつけ、いじめを誘発していたことも指摘した。母親によると、男子生徒はこの後「学校に行きたくない」と言うようになったという。 両親がこうした教諭の言動がいじめ助長につながったのではないかと迫ると、合谷校長は「そう思います」と答えた。 両親との面会の後、中原教育長は報道陣に対し「校長から今朝、(1年時の担任教諭の)発言内容を聞いた。教師によるいじめがあったと判断している」。学年主任は「一生かけて償います」とうつむきながら謝罪した。 ■選ばれる学校3:公立小中学校、選択制で人気の固定化 (朝日新聞) 公立小中学校の学校選択制は、人気校と不人気校の明暗を分ける。競い合いは学校を変えるのか。 広島県の母親(44)はこの春、新小1の三女を連れ、因島から海を渡った尾道市街に引っ越した。どうしても娘を市立土堂小に入れたかった。百ます計算で有名な陰山英男先生が、3月まで校長をしていた学校だ。 因島の留守宅に長女と次女を残し、土堂小のそばに家賃4万円の家を借りた。そこまでするか、と夫にあきれられた。 3年前に陰山先生の講演を聴いて以来、公開授業などに10回は通った。 陰山先生は4月から京都の立命館小に移ったが、「ほかの先生や保護者の方々も、他校とは目の輝きが違うんです」。 尾道市は学校選択制があり、学区を超えて市内全域の学校を選べる。因島は今年、尾道市と合併したが、今春は移行期。因島から旧尾道市内の学校は選べなかった。 しかも、他校は学区外からの希望者が10人未満だが、土堂小だけは41人。抽選になる。確実に土堂に入るには、無条件に入学できる学区内に引っ越すしかなかった。 土堂小は選択制導入の前と後で児童数が激変した。小6は27人しかいないが、小1は60人だ。陰山前校長自身は「選択制には地域と学校の関係が薄れる負の面がある」と考える。が、「学区外の子が入って刺激を受けなければ、ここまで学校は活性化しなかった」と評価する保護者もいる。 ◇教育内容より人数・近さ 学校選択制をいち早く始めた東京都品川区では今春、制度を使った子どもが小中学校とも約3割。制度開始当初(小学校は00年度、中学校は01年度)のほぼ倍だ。 中学校のアンケートでは、「特色ある教育内容」を理由に選んだと答える親の割合が増えた。「学校側が、選ばれるために特色作りなどで努力している。学校を変えたい、という制度導入の狙い通り」と、区教委の吉村潔課長は話す。 が、専修大の嶺井正也教授と院生の中川登志男氏は「選択制の下では人気校と不人気校が固定化し、よほどのことがない限り入れ替わらない」と指摘する。 2氏は品川区の小中学校選択動向=グラフ=を調べた。その学校に他学区から「来たい子」と、その学校から他学区に「出たい子」を差し引いた。その「収支」は――。小学校は「制度開始以来ずっと+」と「ずっと−」が40校中計17校。中学校も18校中10校。ともに半数を占めた。 「健全な競争が働いているなら、もっと凸凹があっていいはずだ」 同区の八潮南中は今春、新入生が0人。「理由を聞くと『人数が少なくてサッカーや野球の部活ができない』『友達や先生が少ないのはいや』。教育内容を精いっぱい充実させてきたが、それでは選んでもらえなかった」と、校長は話す。 区教委は言う。「人数がすべてではない。確かに放っておけば固定化するが、今は過渡期。今後は、区教委の全面支援や施策によって必ず変わる」。昨年、「流出」が多い学校など8校を「重点支援校」とし、特色作りやPR方法を学校側と共に考えている。小中一貫校化や、校舎が古い学校の改築の計画も進める。 ただし、地方都市の場合は、選択制でも人気の差は開かない。大分県豊後高田市は、新小1約200人中、他学区希望は20人足らず。岐阜県瑞穂市も約540人中40人と1割未満。大半は「本来の学校より近い」などの理由という。 ■子どもに英語を習わせたい年齢ランキング 文部科学省が、「英語を使える日本人」を教育目標の一つとして掲げ、「小学校からの英語授業」も検討が進んでいる今、児童の英語教育熱は大いに高まっている。いったい何歳から英語を習わせればいいのか。これは子どもを持つ人はもちろん、教育や語学に関心を抱く人ならば気になるところだろう。ORICON STYLE では、『子どもに英語を習わせたい年齢』をリサーチした。 「合計」を始め、男子中高生を除く全ての性別/世代別で第1位になったのが「3歳」。「合計」で【22.6%】を獲得して、他の年齢に差をつけた。一般市民の感覚は、文部科学省の先を行っているようだ。 第2位が「5歳」、第3位が「0歳」で、6歳以下を回答としてあげた人は、実に計【65.8%】に及んだ。これは相当な数字だ。しかし、乳幼児の脳が語学の習得に向いているのはまぎれもない事実。理屈で教わるのではなく、音が直接脳の神経回路にインプットされるので、ネイティヴな発音にも強くなる。何だか幼児向け英語スクールの宣伝を書いているみたいだけど、本当のことらしい。英語教育の低年齢化はこれからも強まりそうだ。 ■小学校教員採用に「指定校推薦」 (2006.10.4産経新聞) 大阪府教委が、小学校教員の採用にあたり、現役大学生を対象に教員養成も兼ねた新たな採用システムの導入を検討していることが4日、わかった。府教委が指定した大学の推薦を受けた学生を学校現場で教育活動に参加させて実践力を高め、採用に結びつける。団塊の世代の退職期を控えて、教員不足が予想されることから、優秀な学生の早期獲得に乗り出すことにした。 府教委によると、「指定校推薦」の対象となるのは、教員養成課程があり、採用実績もある大学で、近畿圏の10校前後が見込まれる。 推薦を受けた大学生には、採用試験で1次の筆記テスト免除などの優遇策を検討。さらに、実践を積む機会として2〜3週間の教育実習に加え、独自に学校現場での教育活動に参加させる機会を増やす。 府教委が実施している大学生を活用した不登校児童・生徒支援事業などへの参加も想定され、学生の実践力を高めながら、人物や能力を見極める制度にしたい考えだ。 早ければ平成19年度から導入し、20年度実施の採用試験に結びつけたいとしている。 教員の大量退職時代を目前に控え、優秀な大学生の獲得競争は激しくなっている。特に採用規模の大きい小学校教員をめぐっては、東京都が16年度から教師養成塾を始めたり、神奈川県が今年度から大学推薦制を導入するなど過熱気味。優秀な人材確保に危機感を募らせた自治体が大学生の「青田買い」に走ったという見方もある。 大阪でも、昨年度実施の採用試験で小学校教員の倍率は2・6倍(前年度比0・6ポイント減)にまで落ち込んでおり、府教委が懸念を強めていた。 ■’07愛知知事選:県教委、30人学級に400億円愛知(2006.10.5毎日新聞) ◇自民側、石田氏の100億円に反論 次期知事選に民主党推薦で出馬する石田芳弘・犬山市長が掲げる公立小中学校での30人学級導入が選挙戦での争点の一つとなりそうだ。石田氏が必要な経費を100億円としたのに対し、県教委が4日開かれた9月定例県議会の文教委員会で、自民党県議の質問への答弁で400億円以上かかるとの試算を明らかにした。現職の神田真秋知事を推す自民側が石田氏への反論を本格化させた格好で、30人学級を巡り「前哨戦」が展開された。 焦点となったのは、民主党県議団との懇談での石田氏の発言。財源や算定根拠は明言しなかったものの、先月29日に「県下の小中学校全クラス、30人以下にするには100億円あればできます」と語った。 自民党の岩村進次氏が見解をただしたのに対し、県教委は教員5643人の増員に伴って1年間に人件費約446億円の上積みが必要とし、「100億円ではとてもできない」(猿渡均財務施設課長)と答えた。教員の1年の平均給与(約790万円)を基に算出した。 現在の1学級の定員は原則40人(小学1年は35人)。岩村氏は文教委員会で「少人数学級を否定するわけじゃないが、一気に行ける話じゃない」と石田氏をけん制した。 これに対し、民主党の中村友美氏は同委員会で、小中学校の05年度の校内暴力が前年度比で112件増えたことを踏まえ「少人数教育で(児童生徒に)きめ細かい対応をしていかなければならない。30人学級を進めていくことが校内暴力も少なくなることにつながると思う」と訴え、石田氏を援護した。 ■公立小学生の校内暴力、過去最多に 対教師30%超増(2006.9.13朝日新聞) 05年度に公立の小学校内で児童が起こした暴力行為の件数は、前年度より6.8%増の2018件で、統計を取り始めた97年度以降、過去最多となったことが13日、文部科学省の調査でわかった。特に教師への暴力は38.1%増の464件と、3年連続で30%を超え、歯止めがかかっていない。公立の小中高生全体の校内暴力も0.9%増の3万283件となり、2年ぶりに増加に転じた。 一方、いじめは全体で2万143件と7.1%の減少。また、国公私立高校の不登校者数は全体の1.7%にあたる5万9419人で、前年度より12.0%減った。高校中退者数も、統計を取り始めた82年度以降、最も少ない7万6693人だった。 ■6割超の親が「学力低下はゆとり教育のせい」 民間調査(2006.9.4産経新聞) 子供の学力低下の原因に「ゆとり教育」の導入を指摘する親が65.6%に達していることが、NTTレゾナントと三菱総合研究所が実施した調査で分かった。他の理由では「学習内容の質低下」(48.3%)、「教師の質低下」(44.2%)などが続いた。 調査結果によると、ゆとり教育の問題点について「学習内容の削減」と「授業時間数の削減」を挙げたのがそれぞれ約8割に達し、圧倒的に多かった。 学校教育に期待する内容では「学習内容の見直し」が61.2%と最多で、「教員の質の向上」も53.5%を占めた。「教育費負担の見直し」や「道徳教育の充実」を挙げたのもそれぞれ4割弱と多かった。 ■小中学生 計算「文章題」は苦手(2006.9.2読売新聞) 計算は出来ても、文章題から計算式を導き出す力は低い――。 文部科学省が所管する総合初等教育研究所が1日、発表した「『計算の力』の習得に関する調査」の結果から、そんな小中学生の実態が浮かんだ。 同研究所は「文章題の意味を理解し、かけ算やわり算を正しく使って式を作る力が劣る」と分析。今後、教師の指導法を改善する冊子などを開発していく方針だ。 調査は国公立の51小中学校、計1万1382人の児童・生徒が対象で、昨年3月に実施された。1985年、98年に続き3回目。これまでは小学生のみを対象としたが、今回は中学生も含め、新たに文章題も出題した。 計算問題については、例えば、「0・3÷0・4」という、小数同士のわり算の正答率が、小5で82・5%に達するなど、好結果が出た。平均正答率は、小学1〜4年で前回調査を1〜3ポイント上回り、小学5、6年もほぼ同じだった。 一方、文章題から計算式を導き出す問題では、小中とも正答率が低かった。 「0・6メートルの青いテープと、1・5メートルの赤いテープがあります。青いテープの長さは、赤いテープの長さの何倍でしょう」という問題の正答率は、小学5年で47・1%。計算式を作ることができたのも51・2%にすぎなかった。 「6リットルは、何リットルの1・2倍か」という問題では、「6×1・2」「1・2×6」「6÷1・2」「1・2÷6」の四つの選択肢から解答を選ぶのにもかかわらず、正答の「6÷1・2」を選んだのは、小5で50・3%。中学生でも65・4%にとどまった。 ■「お受験」も学研で、「桐杏学園」のアンセスを買収(2006.8.29読売新聞) 出版会社の学習研究社(学研)が“お受験”産業に本格参入する。少子化で受験関連市場が縮小傾向にある中で、有名な私立の幼稚園・小学校の志望者は年々増加していることから、幼児を対象にした受験塾の需要が増えると判断した。 当初は関東圏が中心だが、来春にも関西圏に進出する方針だ。 学研はすでに受験塾「桐杏学園」を運営する中高受験のアンセス(東京・豊島区)、幼稚園・小学校受験のアンセス幼児教育研究所(東京・渋谷区)を計約2億6000万円で買収、完全子会社化した。10月に2社を統合し、「学研クエスト」と商号変更して事業を本格的に展開する。 「桐杏学園」は、特に幼稚園・小学校受験塾として有名なため、首都圏では、同名で事業を続ける。現在は東京、千葉など24校だが、関西地区でも、同志社、立命館など有名私大の小学校開校が相次いでいるため、同地区でも新規開校を進める。3年で全国の拠点数を倍増させる計画で、初年度の売上高目標は7億円。 ■大学生による事件、幼稚さ増す 教育機関の悩み深く(2006.8.20産経新聞) ≪稚拙な動機≫ 「彼女にプレゼントを贈るためにやった」。駒沢や帝京などの私大生3人らが、昨年10月ごろから半年間で家電量販店などからDVDなど計約700点(約350万円相当)を万引し、警視庁に逮捕された。 捜査幹部は「大学生にもなって万引とは。幼稚の一言に尽きる」と嘆いた。大学生とは思えない稚拙な動機や短絡的な犯行は、全国で相次いでいる。 母親(58)殺害で7月に逮捕された大阪大工学部4年の男(24)は、母親の「24歳にもなって仕事もしないで」の言葉にかっとなり、金づちを振り下ろした。大学3年のころから学校にいかなくなり、4年に進級後も2度留年。「大学へ行く」と言って外出してはパチスロ店に入り浸り、両親からもらった小遣いもつぎ込んでいた。 ≪凶悪犯罪≫ 今年6月、大阪府立大や東大阪大の学生ら9人が女性をめぐるトラブルの報復として、男子大学生ら2人を岡山県内で生き埋めにして殺害した事件では、リーダー格の府立大農学部3年の男(21)らがゴルフクラブや金づちでめった打ちにした。事件発覚後、仲間の部屋で「死体を掘り起こし焼いてしまえば、警察に捕まっても大丈夫だ」と、平然と話し合っていた。 アメリカンフットボールの名門、京大の元部員3人は昨年暮れ、女子大生3人と「鍋パーティー」。瓶を回して飲み口が向いた人に一気飲みさせる「焼酎ルーレット」で泥酔させ、2人に集団婦女暴行した。わいせつな行為をしているところを他の2人が冷やかす"無軌道"ぶりだった。 大学生らのイベントサークル「スーパーフリー」による女子大生集団暴行事件(平成15年)では東大生も逮捕された。捜査関係者は「"一流大"と呼ばれる学生もそうでない大学生も徒党を組み、一昔前の素行不良の中高生並みの犯罪に手を染めている」と指摘する。 法政大教授で教育評論家の尾木直樹さんは「今の大学生は未発達で自立心が弱く、群れをなして行動する。常に友達に依存していないと生きていけない」と感じている。 尾木さんはリポートの名前をひらがなで書くなど、大学生の稚拙な犯罪と学力低下との関係に注目している。「今の大学生には向上心がまったくない。教育現場にかかわってきて、こんなことは初めて。中高生レベルの生徒が入学するようになって、私自身、中学校の教師になったようだ」と、大学生の稚拙な犯罪が今後も相次ぐことを危惧(きぐ)している。 ■東通村学習塾、中学全学年に拡大(2006.8.9東奧日報) 先進的な教育の村づくりを進める東通村で八日、本年度の「東通村学習塾」が開講した。村民からの学力向上への要望を受け二〇〇五年度に開設。二年目の本年度は対象を中学三年生から中学全学年に拡大、三年生の講習を週一回から週二回に増やすなど内容を充実させており、八十八人が来年三月まで受講する。 中学生の保護者と村教育委員会が共同で学習塾を開設した。むつ市の学習塾から来た講師三人が村体育館で英語、数学、国語、理科、社会を指導。三年生は毎週土、日曜の各四時間、二年生は毎週日曜、一年生は毎週土曜に各三時間受講する。夏休み・冬休み中は平日に特別講習を行う。教材費、テキスト代などは保護者負担だが、講師への謝礼は村が負担する。 本年度は村内全中学生の約37%に当たる八十八人が受講を申し込んだ。このうち三年生は全体の60%近い四十六人が受講している。 初日は三年生四十五人が受講した。志望校により三教室にクラス編成し講習を開始。北部中三年生の畑中麻衣さん(14)は「授業が分かりやすい。学習塾での勉強を通して自分の苦手な部分を克服していきたい」と熱心に授業を受けていた。 ■「他の組より厳しすぎ」、“抗議”で「通知表」再評価(2006.8.9読売新聞) 和歌山県紀の川市立名手小学校が、2年生1クラス(23人)の1学期の通知表について、「評価が厳しすぎる」との保護者の指摘を受けて評価し直して配ったところ、一部の保護者から「子どもが不信感を抱く」などと受け取りを拒否されていることがわかった。 北田勝博校長は、「今後は事前に教師間で決めた評価基準を徹底させ、評価後のチェックも怠らないようにする」と話している。 同小によると、2年生は2クラスあり、通知表は担任が、国語や算数など計6教科を30項目に分けて、A〜Cの3段階で絶対評価をつける。50歳代の女性教諭が担任するこのクラスでは、最高評価のAが1人平均3・6個だった。 <教心ネットの見解> 子どもの能力を伸ばす評価だと前評判だけが高かった絶対評価だが、学力水準を考慮して厳密に評価すれば、保護者や児童生徒からクレームがつく。あるいは、保護者や児童生徒からクレームがつかないように、評価を甘くする学校が大半だ。もはや評価としての指標として機能していないのは歴然。教師の負担は増える上に、学力を測るものさしとしての信頼性や妥当性が全くない「欠陥評価」であって、早急に廃止、改善すべきである。 また、こうした欠陥評価の導入を推進してきた学者有識者は、このような事態に陥った責任を問われるべきであろう。 【関連記事】 ・これでいいのか絶対評価!? ■<私大定員割れ>今年度 初めて4割に達した(2006.7.25毎日新聞) 定員割れした私立大が今年度初めて4割に達したことが24日、日本私立学校振興・共済事業団の調査で分かった。過去最悪の事態で、短大も5年ぶりに5割を超えた。大学、短大への進学希望者数と総定員が等しくなる「大学全入時代」の到来を来春に控え、私学経営が厳しさを増す実態を裏付けた形だ。 大学550校のうち、今年度の入学者が定員に満たなかったのは222校で、定員割れ率は40.4%。542校中160校(29.5%)が定員割れした前年度から62校も増加した。定員割れ率は89年度以来1けたで推移した後、99年度に10%を突破。00年度から30%前後をたどり、今年度初めて4割を超えた。また、定員の5割にも満たない学校は前年度から3校増えて20校(3.6%)となった。 短大は373校のうち193校が定員割れ。定員割れ率は51.7%と前年度から約10ポイント伸びた。 また、大学の今春の志願者数は約295万人と3年連続で減少、志願倍率も6・70倍と3年連続で低下し、過去最低を更新した。しかし、入学定員3000人以上のマンモス大学(23校)だけを見ると、志願倍率は10倍を超え、志願者数も約5万人増加。全体の約4%のマンモス大で志願者全体の約45%を占めている状況だ。 ■羊毛→ひつじげ、子孫→こまご… 学力低下どうフォロー(産経新聞2006.7.14) 国立教育政策研究所が14日公表した児童生徒の学力テストでは、基礎、応用力とも低下している実態が浮き彫りとなった。具体的に浮かび上がった課題について、教育現場でどう反映させていけばいいのだろうか。 【子孫はこまご】 漢字の読み書きの結果では、「日常生活や学校で使用頻度が高い漢字は定着している」と教育政策研究所の担当者。平均正答率は読み取りで7割、書き取りで6割を超えた。 一方、小4、小5で「挙手」「改行」が正確に読めたのは3割未満。書き取りでも「主力」「景品」「青春」「屋上」(小4)、「観光」「経験」「険しい」「要点」(小5)、「回覧」「設ける」「均等」「疑い」(小6)の正答率は4割にも満たなかった。 誤答例を見ると、「挙手」を「けんしゅ」、「子孫」を「こまご」、「羊毛」を「ひつじげ」、「改行」を「かいこう」とする児童が目立った。 教育政策研究所では、読書活動などを通じて漢字の使用頻度を上げることの必要性を強調。さらに間違えやすい漢字を一覧にまとめ、児童生徒に配布することも考えているという。 【支離滅裂】 小学生には「テレビの見方」について、中学生には「言葉の使い方」についてそれぞれ長文の意見文を書かせ、記述量や論旨構成、きちんとした意見表明ができているかを見た。 「テレビを近くで見てはいけない」と書き出したものの、視力が落ちる弊害の話題に触れた後、視力を良くする方策に論旨がぶれたり、自分の生活経験だけを並べただけで意見が盛り込まれていなかったりする文章が多かった。 中学生の作文では、設問が「言葉の使い方について」書くよう求めているのに、「言葉は大切だ」という論旨に終始し、課題への理解不足が散見した。現象の分析だけで自分の意見がなかったり、根拠なく唐突に結論を導き、「正しい言葉遣いをしたい」と結んだりする文章も多かった。 こうした結果について、宮川俊彦・国語作文教育研究所所長は「主張自体がないから、説得するための論理を組み立てられなくなる。自分で判断、表現させる環境も整備されていない」と指摘。解決策として「正解がない課題に取り組ませることが突破口になる」と話す。 【基礎も応用も?】 小学生は「3+2×4」など足し算とかけ算が交ざった簡単な四則計算に四苦八苦。小4では73.6%の正答率があったが、学年が上がるとともに急降下し、6年では58.1%と4割がつまずいていた。 「白のテープの0.6倍が赤いテープで、赤いテープは210センチ」という条件から、白いテープの長さを求める問題では、小6の24%しか正解者がいなかった。小4の履修分野を終えた後のフォローが不十分だったことが原因とみられる。 例示されたおはじきの並べ方から数学的な規則性や法則性を見いだし、一般化して数式を考える小学生への問題では、おはじきの数が100個になると、正答率は低下する傾向がみられた。 段差の水槽に一定の量ずつ水を入れる際の水面の高さの変化をグラフで示す問題では、正解の「イ」を選んだのは中1で22.7%、中2で32.7%、中3でも47.5%しか正答がなかった。特に、水面の高さも階段状に変化するとした「ア」と「オ」を正解に選んだ中1は42.6%に達しており、日常的な出来事を数学的にとらえることが苦手な中学生の実情が浮き彫りとなった。 <教心ネットの見解> 「自ら学び自ら考える力を育成しているはずのゆとり教育」だが、その実態は、 「白のテープの0.6倍が赤いテープで、赤いテープは210センチ」という条件から、白いテープの長さを求める問題が解けない子が76%もいるという深刻な学力低下だ。学校現場では、指導に工夫をしているが「授業時間が足りない」と言い訳ばかりが目立つ。現場の教師の「指導力低下」も著しいのではないか。 先のような問題は、 「白のテープ(?センチ)×0.6=赤のテープ(210センチ)」 ↓ 「□×0.6=210」 と□を使った式で表せば90%の子が解けるようになる問題です。それが24%しかできていないということは、明らかに現場教師の指導力が不足しているから。今は、こうした問題について、教師がくどくどと説明をしたり、子どもたちに延々とディスカッションをさせるなどして、とにかく授業で無駄なことに時間を割きすぎている。授業ではそういう中味のないことに時間を割くわりには、肝心な問題を解くことに労力を費やしていない。時間が足りないと言うのは授業のメリハリがないからにすぎない。 教師の役割は、子どもに基礎基本の学力をつけることである。学力低下は、教師の指導力低下が原因であることを忘れてはいけない。 ■3+2×4=20? 四則計算、小6の4割誤答(産経新聞2006.7.14) ≪小中生、数学的思考が苦手 学力テストで明らかに≫ 一貫した論旨の展開や数学的な思考が苦手な小中学生が多いことが14日、国立教育政策研究所が実施した学力テスト(特定の課題に関する調査)の結果で明らかになった。「3+2×4」(正答は11)という基本的な四則混合計算では小5の3分の1、小6の4割強が誤答し、深刻な計算力不足がうかがえる。国際調査で学力低下を示す結果が相次ぐなか、現在進められている「ゆとり教育」(現行の学習指導要領)の見直し作業にも影響を与えそうだ。 調査は昨年1月と2月、全国の国公私立の小学4年から中学3年までを対象に、各教科・学年ごとに3000人強ずつ実施。国語では漢字(読み・書き)と長文記述、算数・数学では「数学的に考える力」と「計算に関する力」を探った。従来の調査では把握できない、特定の学力に焦点を絞った調査は初めて。同研究所ではホームページで公表し、教育現場で活用してもらう。 国語の漢字では、読み・書き各50問ずつを出題し、うち10問は複数の学年にまたがる共通問題とした。日常生活で使用頻度が高い漢字は定着していたが、「挙手」「改行」の読み方は小4の8割強が誤答するなど、使用頻度が低い漢字の定着は不十分だった。 長文記述では小学生で400〜600字、中学生で600〜800字の記述量を求めた。自分の考えを明確にできるよう相互関係を考えて段落分けしたり、一貫した文章を書いたりする点で正答率が低かった。 算数・数学の場合、「数学的に考える力」で、グラフ化をはじめとして日常事象の考察に算数・数学を生かす力に問題があった。また、論理的に反証する力や数量関係の法則を発見する力、発展的に考える力が不十分だった。「計算に関する力」では、四則計算で、掛け算や割り算を足し算や引き算より優先させる決まりについての理解不足が目立った。 特定の課題に関する調査は、義務教育の指導改善策についての中央教育審議会答申(平成15年10月)を受けて、カリキュラムの見直しに反映させるために実施する。17年度には英語(中学のみ)と理科を行っており、現在集計中。今年度は社会を対象に行う。 【教心ネットの見解】 以前から指摘されていた問題点であって、このような悲惨な調査結果が出ることはわかっていたこと。ゆとり教育になって教科書が薄くなって、学校できちんと計算スキルなどを教えなくなったのが原因。ゆとり教育では、子どもの主体性を大切にしているため、学校では「途中の式」をかくように指導していない。これでは教師の手抜き教育だ。『「3+2×4」(正答は11)という基本的な四則混合計算では小5の3分の1、小6の4割強が誤答し、深刻な計算力不足がうかがえる。』が典型例で、これは読み書き計算を軽視する「ゆとり教育」の失敗を示す結果だ。 ■塾講師が高校で“出前授業” 三重・白子高、進学指導の助っ人(2006.7.5中日新聞) 三重県立白子高校(三重県鈴鹿市)が、課外の教科指導で学習塾と連携することを決めた。夏休み期間中の6日間、塾講師と同校の教員が2人一組になって英語、国語、数学の特別授業をする。公立校と学習塾の連携は東京都などで例があるが、東海3県では初めて。 3年前に民間から採用された大島謙校長が計画。地域の3つの塾が協力し、大島校長が自ら教育方針などを見定めて依頼した。 同校は進学希望の生徒を対象に行っていた課外補習を本年度から「白子塾」と名付けて強化。白子塾は、校内テストで学力が一定以上とされた生徒約30人で構成する「A塾」と基礎学習が中心の「B塾」に分かれ、普段は同校教員が指導する。 学習塾講師が教壇に立つのはA塾の夏休み特別授業。24日から6日間、市内の大学を会場に借りて同校教員とともに3教科を教える。 大島校長は「生徒が自分の可能性を高め、教員にも教育に対する民間ならではの視点を発見してもらいたい」と話している。塾講師を部活動の外部指導者のように位置付けて定期的に来校してもらうことも検討しているという。 塾講師を招く予算40万円を認めた県教委の高校教育室は「成果に注目したい」と期待するが、文部科学省教育課程課は「あくまでも公立校。教員自身が力量を高め、自ら指導する努力をすべきだ」と話している。 ■都道府県の学力テスト、小中で対策“過熱”(2006.6.30読売新聞) 都道府県が独自に行う学力テストで、事前対策の模擬試験を授業中に行うなど学校現場が“過熱”している地域のあることが分かった。「ひとりひとりの学力作り」という本来の目的と、「1点でも高く」と奔走する現場と。ずれの根底に何があるのか。 授業中に模試・予想問題… 小3から中3までの全員を対象に毎年10月、学力テストが実施される岩手県。3回目の昨年、ある小学校で1か月前から連日、テスト準備が行われた。 10分間の朝自習の時間や授業の一部を使い、試験科目の4教科でテスト対策の学習をした。教材は「おさらいプリント」。教師が過去の出題から正答率が低かった個所を抽出し、市販の問題集を参考に対策問題を作った。 本番2週間前には「模擬テスト」も実施した。当初は一部の教師だけで行っていたが、未実施の学年と大差がついたため、いつの間にか全員が取り組むようになった。保護者に事前に知らせていたが、授業は押せ押せになった。 テスト対策で授業に支障が出るのは本末転倒だ、と教師自身も思っている。「校長や親が点数を気にするし、自分らの評価に響くかも、といった不安もある。でも一生懸命頑張ってくれる子たちを見ると、これで良いのだろうかと……」と同校の教師は打ち明ける。 小5と中2の全員にテストを行う東京でも、放課後や授業中に、予想問題を繰り返し解かせた学校があった。一昨年には、テストと酷似した「予想問題」を直前に実施した学校のあったことが判明。都教育庁が関係者に事情を聞く事態になった。真相は未解明だが、同庁は問題用紙をギリギリまで学校に運ばないなど不正防止策をとることになった。 競争に拍車をかけるのが市区町村の教育委員会の姿勢だ。岩手県教職員組合の昨年末の調査では、約200校中約4割の学校で「事前指導の要求があった」「点数を上げるよう求められた」など“圧力”があった。東京でも、テストが近づくと、「授業で毎回小テストを実施」などと文書で指導した市区教委は少なくない。 こうした現状について、岩手県教委は「テストは健康診断と同じで、授業の問題点を見つけ、解決策を探るためのものだ。点数稼ぎのその場しのぎは姑息(こそく)だ」と困惑を示す。都教育庁も「事前指導がすべて悪ではないが、直前の指導ではなく、年間を通した学力づくりが望まれる」と話す。 結果公表について、岩手は「点数争いは好ましくない」と県全体の正答率にとどめる。東京は市区町村単位だ。しかし、教委や学校は、学校・学級ごとの結果を把握している。結果を把握し、診断しなければ改善はできないからだ。 「診断」と「授業力の評価」。テストはこの二つが表裏一体となっている。「評価」への不安が“過熱”を招いているようだ。 <教心ネットの見解> 本末転倒な話だ。教員のモラルが問われる。テストはあくまで手段であって、目的ではない。そもそもテストとは、結果が良ければ、どのような指導法が効果があったのかということの確認につながり、結果が悪ければ指導法に問題点があり改善する余地があるということを示す指標の一つに過ぎない。テストの結果に一喜一憂し、テストの点数のために指導法を変える(対策テストを行う)などというのは、本末転倒なこと。テストの結果に一番こだわっているのは教員ではないか?テストの結果が悪ければ、教師がその結果を真摯に受け止め、指導法を省みればよいだけである。 また、愛知県犬山市のように、学力テストに一切参加しないと言うの問題だ。きちんとした指導をしているのならその成果に自信や誇りを持ってしかるべきなのに、テストに参加しないのであれば指導の成果を確かめられない。「犬山市が育成している学力は、テストで測れる学力は学力ではないから、学力テストに参加するのは意味のないことだ」とするのでは、公教育を司る立場の人間として、納税者に説明責任を果たしていることにはならない。 テストは良くも悪くも「手段」にすぎないのにもかかわらず、学校現場がテストの結果にこだわりすぎている。テストを教育成果の指標の一つとして、自らの指導のありかたを省みるための道具として上手に活用すべきである。テストの点数を上げればよいとか、そもそもテストに参加する必要がないといった議論はまったくもって本末転倒な話であろう。教育者としてのモラルが問われている問題だ。 ■<夕張市>前年上回る夏のボーナス支給 財政再建団体で?(2006.6.30) 632億円の巨額負債を抱え、財政再建団体指定の申請を決めた北海道夕張市が、前年同期を上回る平均75万5000円の夏季期末勤勉手当(ボーナス)を職員に支給していたことが30日分かった。自治体が再建団体に転落するのは民間企業では倒産に当たるが、市幹部は「たまたま増えただけ。行財政正常化計画によって、年間を通じて支給されるボーナスは昨年を下回る」と説明、そこに危機意識は見られない。りそなグループや三菱自動車など経営危機にひんした民間企業では、ボーナス支給をやめる例は珍しくないが、同市の判断は果たして妥当なのか。 同市職員の夏季ボーナスは6月8日に市職員労働組合(厚谷司委員長)と合意し、同15日に支給された。支給額は▽後藤健二市長163万3900円▽助役143万7000円▽市議70万4000円で、それぞれ前年同期を若干上回った。一般職員は平均で前年同期と比べ7000円増えた。同市の一般職員の期末手当は0.025カ月引き上げた国家公務員に準じており、今年度は夏2.125カ月(前年同期2.1カ月)、冬2.325カ月(同2.35カ月)を支給する。同市は04年度から基本給を3カ年で一律5%減額する行財政正常化計画を実施中で、夏冬合わせた期末手当では、平均158万1600円(前年度158万7700円)で、約6000円の減額となる。 同市によると、支給額の引き下げには市条例の改正が必要だが、支給基準日の6月1日以前に改正しなければならないという。同市の給与担当者は「問題の表面化が急すぎた。市長や市議が返上を申し出た場合には公選法に抵触する」と話している。しかし、今年春には同市では事態の重大性を認識しており、事実上破たんしている財政状況について、国や道などに報告していた。 こうした市の説明に市民は批判的だ。同市清水沢清陵町の強力道信さん(71)は「一般市民だけではなく、年金生活の我々にも市の無駄遣いのツケが回されようとしている時期に、市職員のボーナスが増えたことは納得出来ない」と、怒りをぶちまける。 道の荒 |