教育時事 2010.4〜2011.3 トップへメール
■私立高無償化で公立の定員割れ続出…大阪(読売新聞2011.3.25)

 大阪府内の公立高校後期入試の合格発表が24日、135校であり、3万1424人が合格した。

 定員割れが相次ぎ、府教委は同日、現行の入試日程になった2003年度以降最も多い71校で2次募集を実施すると発表。府が新年度から拡充する私立高校授業料無償化で、私学への専願者が急増した影響とみられる。

 定員に満たず、2次募集をする公立高校は、前年度は25校で、今回は3倍近い。府教委の担当者は「想定していたよりも多かった。受験生にとっては、授業料が公立と同じように無償なら、先に試験のある私学で早く進路を決めてしまいたいという思いが強かったようだ。生徒のニーズに応えられる特色ある公立高校づくりを進めていきたい」と話した。

 2次募集は全日制47校(前年度9校)、多部制単位制1・2部3校(同なし)、定時制・多部制単位制3部21校(同16校)で実施され、出願は25日午前9時〜正午。出願時に面接がある。合格発表は29日。 .

「4人に1人が推薦」を大幅削減へ。
都立高校の受験が変わる .  全国の公立高校入試で、推薦入学の定員を見直すなどの動きが広がっている。背景には、推薦入学枠があることで中学生の学力が低下しているのではないかという疑念があるようだ。

 昨年10月20日、2010年度の東京都立高校の募集定員を正式決定する都教育委員会の定例会で、警察庁出身で元都副知事の竹花豊委員が、推薦入学の定員の多さに異論を唱えた。都立高入試の推薦枠は、普通科は定員の2割、工業科などの専門学科は5割を上限に各学校が決定。都立校全体でみた場合、現状では定員の4分の1程度が推薦枠となっている。
 その日の定例会では結局、総定員だけを了承。推薦分の定員も、1週間後に開いた臨時会で原案通り承認された。ただし11月の定例会では、入試制度のあり方を検討する委員会の設置を決定。11年度以降の入試では、都立高校の推薦枠が大幅に縮小されるとみられている。

 竹花委員は一昨年の同時期の定例会でも、文化・スポーツなどを除く一般推薦枠について「試験も行わないまま合格者を決めるのは問題」と見直しを求めていた。都立高校側には進学校を中心に「当然。遅すぎたぐらいだ」(校長)という声が強い一方、事実上の高校全入時代では「学力向上に効果があるとは思えない」(教諭)という冷めた見方もある。

 見直しの動きがあるのは東京だけではない。青森、埼玉、高知の3県の県立高校は10年度から、「自己推薦」などの学力検査を課さない入試を廃止。千葉、徳島の両県も11年度から同様の措置を取る。うち千葉県は、廃止理由の一つに「中学生の学力低下」への懸念を挙げる。
 推薦入学の拡大を含む公立高校入試の多様化は、受験競争の激化が社会問題となっていた90年代に文部省(当時)の旗振りで進められた。しかし現在は生徒の急減期にあたり、むしろ高校の統廃合が追いつかないほど。学力低下への批判もあり、見直しが進むのは必至だ。


■アメリカのAO入試はどうして機能しているのか?(ニューズウィーク日本版2011.3.10)

冷泉彰彦(作家・ジャーナリスト)

 京都大学の入試不正事件を契機に入試制度に関する議論が深まっているのは良いことだと思います。勿論、日本でも「情報を遮断した密室での筆記テスト」の弊害はずいぶん以前から指摘されており、例えば「入試では拾えないユニークな人材」を入学させようとAO(アドミッション・オフィス)入試というのがかなり以前から導入されているようです。

 ですが、現状は決して上手くいっていない、報道や教育関係者などから伝わって来るのはそんな感触です。最近では、AOで入った学生は就職試験で「要チェック」にして、一般入試に受かって入った学生とは区別するというような会社もあるようで、これまた大学入学後の教育内容をバカにした点で、「学歴ロンダリング」という言葉の持つイメージと同様の居心地の悪さを感じてしまう話です。

 そうは言っても、多くの大学でAO入学者には大学の授業についていけるように「入学前教育」をするという現実がある以上、本来の趣旨である「個性的な人材」の評価という効果よりも、安易な入学ルートに流れてしまっているというのも現実のようです。では、AO(入試事務室のこと)という名前の由来にもなったアメリカの大学受験制度はどうして機能しているのでしょうか? 「内申書+推薦状+履歴書+自宅で執筆したエッセイ+SAT(統一テスト)の成績」という要素だけで、難関校であっても合否判定については「それでよし」としている、その秘密はどこにあるのでしょう?

 以降は、私が10年以上にわたってアメリカでの高校生の進路指導をしたり、またアメリカの大学教員であった経験などから得た、個別の情報を整理したものです。勿論、各大学の具体的な合否基準は秘密のベールに包まれていて、詳細をうかがい知ることは不可能ですので、あくまで参考としてご理解いただければと思います。

(1)どうして高校の内申書が信用されているのでしょうか? そこには2つの理由があると思います。まず、高校の成績自体が「シラバス」という科目の詳細記述書に公開されている客観基準で出され、一定の信頼性があるようになっている点があります。例えば宿題が何%、小テストが何%、期末が何%というような計算式で、情状酌量はあまりないのが普通です。もう1つは、大学側が高校の学力レベルを統一テストの高校別平均点や独自の過去のデータベースなどで把握しているので、例えばある州のある高校で「微積分2レギュラー」の成績がBというのは、全国的に見てどの程度か見当がつくようになっているのです。

(2)情実が入りそうな推薦状がどうして機能しているのでしょうか? まず制度的には推薦状は密封封緘したものを推薦者が直送するという運用になっています。内容ですが、美辞麗句ではなく「具体的な事実」と「評価者が過去に出会った学生の中での相対的なレベル」を申告することになっています。勿論、1回だけであれば情実でウソを並べても通るかもしれませんが、各大学は「推薦者のデータベース」を密かに作っていて、合格後の被推薦者の学力や人物像と推薦状の信憑性を追跡しているという噂もあります。対象者の実力に反して美辞麗句で固めた推薦状を出したことが判明すると、ブラックリストに乗って以降はその人間の推薦状は効力がなくなるというわけです。ですから、評価者は自分の高校や運動クラブの学生について今後も推薦状を書く可能性がある場合はウソがつけないのです。

(3)エッセイや履歴書は、基本的に自宅で記入(最近はウェブで入力するのがほとんどですが)することになっています。ですからエッセイの場合は、辞書を引くのも構わないし、知的な言い回しを多く入れたいということで英語の先生などのアドバイスを受けて書いても事実上は構わないことになっています。では、どうしてそんな「自己申告」が許されるのかというと、日本の「小論文試験」のように「密室で情報を遮断して」得られる筆力や知識の判定というのとは違って、明確な目的があるからです。それは、個々の学生の持っている価値観、勉学意欲、知的成熟度などを判定するということです。勿論、そうであっても全く自立した批判精神のない学生が、大人に代筆してもらうということはあり得ます。こうしたケースに対しては、内申書や推薦状を読み込んで「立体的に人物像が浮かび上がるか?」という判定をするらしいのです。ファクトチェックで矛盾が発見されたり、人物像が情報ソースによって支離滅裂な場合は、アッサリ不合格にするという話も聞いたことがあります。入試事務室の中で、複数の目による判定を行って慎重を期すという話も聞いたことがあります。

(4)そうは言っても、やはりアメリカの入試でモノを言うのはSATという統一テストです。これはなかなか良く出来ていて、高校生には悩みの種になっています。作りとしては、日本のセンター試験の問題をもっと細切れにして、数を多くし、時間制限をきつくしたような設計で、通常のものは「数学+国語読解+国語作文(文法を含む)」で800点×3で2400点満点。その他にSAT2と言われる個別教科テストがあって、数学・生物・化学・物理・米国史・世界史・英文学・各外国語などがあり、これも日本のセンター試験よりやや厳しいものです。分量が多く時間との戦いがあるので点数は非常にバラつきが出るのと、問題や統計処理に独自のノウハウがあるので、各大学からは重宝がられ、高校生からは憎まれているのです。

(5)後は、私立大学などを中心に「求める学生像」を掘り下げているという点があります。「伝統の継承者と破壊者のバランスを取る」「授業を活性化してくれる人材」「学問レベルの向上を期待できる人材」「経済的に成功して将来寄付金を出してくれそうな人材」「二重言語、二重文化の背景を持った学生」「科学・芸術・社会への関心の中で最低でも二領域に個性を感じさせる人材」・・・学校によっても違うでしょうが、そんな観点で見ているようです。例えば書類選考でスクリーニングした後に面接を課すような場合には、こうした点に留意してチェックするそうです。ちなみに「志望校入学が至上目的の学生」というのは、まずダメというか、できるだけ排除するようにするそうです。目的と手段を取り違えており、燃え尽き症候群に陥る可能性が高いからだといいます。

 そんなわけで、AO入試とはいってもかなり手間暇をかけたことをやっているわけです。そんなアメリカからみると、学力検査をしないAO、履歴や人物の評価をしない一般入試、例外的な才能を拾うだけの一芸入試などは、どれも粗っぽく見えます。勿論、アメリカの入試にも根本的欠陥があります。それは「何も取り柄のない学生」が必要以上に「居場所のない」ところへ追い込まれること、そして公教育に依拠しない「反骨の気概」というのが若者に生まれにくいという点です。ですが、それ以外の点については、日本の入試改革のひとつの方向性として参考にはなると思うのです。


■英単語…難しいと右脳、簡単なら左脳(読売新聞2011.2.24)

 難しい英単語を聞くと、右脳の活動が高まり、易しい単語の時には左脳が活発に働くことが、首都大学東京の萩原裕子教授らが小学生約500人の脳活動を計測した研究でわかった。

 右脳は音のリズムや強弱の分析にかかわっているとされ、研究結果は、英語を覚えるにつれ、右脳から左脳に活動の中心が移る可能性を示している。外国語の習い始めには音を聞かせる方法が良いのかなど、効果的な学習法の開発につながるかもしれない。米専門誌電子版に25日掲載される。

 萩原教授らは、国内の小学1〜5年生が、難度の異なる英単語を復唱している時の脳活動を測定した。abash、nadirなど難しい英単語を復唱する時は、右脳の「縁上回(えんじょうかい)」と呼ばれる場所の活動が活発になり、brother、pictureなど易しい英単語では左脳にある「角回(かくかい)」の活動が高まった。萩原教授によれば、新しい外国語を学ぶ時には、まず右脳で「音」の一種として聞くが、慣れるにつれ、日本語を聞く時のように意味を持つ「言語」として処理するようになるとみられるという。

 単語の意味を理解するなど言語を処理する能力は主に左脳がつかさどると考えられている。だが、子どもが外国語を覚える時の脳活動については、よくわかっていなかった。 .


■大学でも担任制度導入 教授は学生に「学校は楽しいぞ」(NEWSポストセブン2011.2.17)

 大学生の学力低下が叫ばれて久しい。大学進学率が上がったことや小中高で「ゆとり教育」が導入されたことなどが原因と指摘されるが、実際の大学を歩くと、その深刻さは「学力低下」という言葉では表わせない。そもそも「学ぶ意欲がない学生」ばかりなのだ。大学も困っている。勉学に興味のない学生は退学率も高く、退学者が増えれば授業料収入が減り、大学のイメージダウンを招いて入学者も減らす。そこで、最近の大学は、学習意欲のない学生を引き留めるために、あの手この手を繰り出している。
 
 関東にある某私大では、数年前から「担任教員制」を導入した。学生を40人程度のクラスに振り分けて、1人の担任をつけるというものだ。担任が週1コマ行なう授業は「キャリアデザイン」と呼ばれ、なぜ勉強が必要なのか、なぜ大学に通うのか、大学に通うことが将来にどう活きるのかを話し合う。やっていることは小学校の「ホームルーム」と同レベルだ。
 
 担任には、さらに重要な役割がある。欠席が続いている学生がいれば、自宅や下宿に連絡して、会う約束を取り付ける。何とか研究室に呼び出して「最近悩んでることはあるのか?」「学校はいいところだぞ」とフォローをするというのである。

 友達の作り方を教える、というのは都内に複数のキャンパスを持つ某私大だ。入学したらすぐに海や山で「新入生合宿」を行ない、学友作りのサポートをする。教職員が、学生を六大学野球の観戦や箱根駅伝の応援に引率することもあるという。職員はこう嘆いた。

「大学に通うのは楽しいと思ってもらわないと、研究どころではないし、大学の経営も成り立たない。実際、こういったやり方には“小学生のお守りをするために大学教授になったんじゃない”と反発する先生もいます」


■横須賀市教委が小学校に学習ルーム開設、放課後に個別指導で学力向上へ/神奈川(カナロコ2011.2.16)

 横須賀市教育委員会は2011年度から、学校の授業についていくことが困難な児童を対象に、放課後に補習や個別指導を行う学習ルームを開設する。児童のペースに合わせた指導を行うことで小学校段階からの学習習慣を身に付けさせ、基礎学力の定着を図るとともに、不登校の解消も目指す。11年度の当初予算案に「学力向上事業」として2400万円を計上した。同市教委によると、こうした学習ルームの設置は県内初の試みという。

 市内に47校ある市立小学校のうち、希望する学校で週に1回、年35回の計画で実施。曜日や時間、対象学年は各学校ごとに異なる。同市教委から派遣された非常勤講師「サポートティーチャー」が教材などを使いながら学習に課題のある児童の指導に当たる。サポートティーチャーのほか、指導に協力するボランティアも各校が地域で募る。早ければ4月下旬からスタートする学校もあるという。

 同市教委は学習指導要領の改定に伴い、2年ほど前から児童の学力向上に向けた取り組みを再検討。その過程で、学習面でついていけないことが不登校の原因になっているケースもあることなどから、全体の学力向上とは別に、学習が困難な児童に学ぶ楽しさや意欲を身に付けてもらうことが早急な課題として浮かび上がった。09年度の市内の不登校児童数は113人。全児童数に占める割合は約0・5%で、全国平均(約0・3%)の約1・6倍。学習ルームで児童の学習への不安を解消し、不登校児童数の減少を目指す。

 また、開設の背景には、学校現場で担任教諭が日々の業務に追われ、児童一人一人に対するケアが行き届いていない現状がある。授業になかなかついていけない児童に対するきめ細かな指導が課題になっていた。

 サポートティーチャーは全員が小学校の教員免許取得者で、教員経験のある退職者が中心。同市教委は「サポートティーチャーと学校でしっかり連携を取って児童の課題を把握し、その子に寄り添った学習指導を行う。児童たちが学ぶ意欲を高められる場にしたい」としている。


■底辺大学生 九九できない・アルファベットわからない(2011.02.15)

 大学への進学率が上がる一方で、底辺校といわれる大学では、学力の低い学生の存在に頭を悩ませている。千葉のある工業系大学で基礎数学の授業を受け持つ講師がいう。

「微分・積分など、高校レベルの学力がない程度ならばまだマシな方です。一次関数までレベルを下げてもまだ理解できない学生が多かったので、ひょっとしたらと思って九九の計算を解かせてみたんですが、全問正解したのは半数以下で仰天しましたよ」

 こんな学生を、エンジニアとして就職させるのは不可能だ。埼玉大学教授の岡部恒治氏はこう語る。

「私が『分数ができない大学生』という著作を出してから10年が経ちますが、大学生の学力は当時よりもひどくなっている。現在、大学の半数以上は、正規の授業やゼミとは別に、小学生から高校生レベルの国語、数学などの補習授業を行ない、学び直させているんです」
 
 埼玉の某大学で英語を教える講師はこう打ち明ける。

「ウチの大学では、中学1年生が最初に教わるI、MY、ME、YOU、YOUR、YOUといった人称代名詞から学び直しています。アルファベットの順番がわからず、辞書すらまともに引けない学生が多いですから仕方がない」

 ついには、小学校の「国語」さえまともにできない大学生も出現している。中国地方の某大学では、学生と教員の間で「交換日記」をつけているという。学生は、「つまらなかった」程度しか書けない。そこで教員は、「いつ、どこで、何があって、どのように、つまらないのかを書かないと伝わらないよ」と、5W1Hを教えるところから始めている。

 学力低下を嘆いているのは、“最底辺”の大学だけではない。名門・早稲田大学では「1万人シリーズ」と銘打ち、同大に入学する新入生約1万人に対し、インターネットを使ったリメディアル教育(補習授業)を施している。

 科目は、日本語、数学、英語の3つ。例えば日本語の授業では、レポートの文献の引用の仕方について「書物に書かれている内容と自分の考えの区別が分かるように書く」といった基本的な事項を教えたり、毎週400字程度の作文を課して、クラス指導員がコメントと評価点をつけて返却したりしている。


■東大、幼児の脳機能発達過程には複数のプロセスが存在することを発見(マイコミジャーナル2011.2.14)

東京大学 大学院総合文化研究科の開一夫教授らの研究グループは、近赤外分光法を用いて、幼児の脳機能発達過程には複数のプロセスが存在することを突き止めた。Developmental Cognitive Neuroscience誌のオンライン版に掲載された。

これまでの研究により、子どものある認知課題の成績とある特定の脳領域の活動の強さの間には関連があることが示されていた。これらの結果から、研究者らは、その特定の脳領域の活動が強くなることで認知課題の成績が向上すると推測し、脳発達においては一本道の経路であるということが想定されてきた。

研究グループでは、幼児に認知課題を与え、3歳時点と4歳時点における下前頭領域の活動を、近赤外分光法を用いて計測。その結果、3歳時点で認知課題を解ける幼児(グループA)は右の下前頭領域を活動させたのに対して、解けなかった幼児(グループB)はその領域を活動させなかったことが判明した。

その後、グループAの幼児は、4歳時点では左右両側の下前頭領域を活動させた。一方、グループBの幼児は、認知課題を解けるようになったが、右側ではなく左の下前頭領域を活動させたことが確認された。

この結果、同じ課題においても、早くから解ける子どもとそうでない子どもの脳の発達プロセスには違いがあることにより、幼児の脳の発達には複数の経路が存在することが示された。

なお、研究グループではこの結果を踏まえ、子どもに対する画一的な教育的関わりでは不十分で、子どもに応じて関わりを変える必要性があることを示唆していると指摘している。


■小中一貫の英語教育 成果(2011.1.20読売新聞)
金沢市が英語の小中一貫教育で成果を上げている。中学卒業時に英検3級レベル以上の生徒が5年間で倍増した。

同市は2004年、国から「小中一貫英語教育特区」の認定を受け、全市立小、中学校で一貫指導に乗り出した。小学校で英語を本格的に教えるのは3年生から。毎週1時間、3〜5年生は市独自の副読本で、「聞く、話す」から始め、段階的に「読む、書く」を学習。6年生は中学1年の教科書を前倒しして学ぶ。

授業は、市教委が雇った英語インストラクターが、担任教師とペアを組んで実施。インストラクター46人のうち44人は日本人。海外生活などを経験し、日英両語に通じている強みを生かして、担任と息のあった授業を目指す。

明成小学校で11日に行われた4年2組の授業。担任の谷田遥教諭(25)が英語で「田中先生はどこにいますか」と尋ねると、「ヒー・イズ・イン・ザ・スタッフルーム(彼は職員室にいます)」と、元気な声で答えが返ってきた。すかさず、インストラクターの川瀬薫さん(36)が「パーフェクト!」とほめた。

中川響君(10)は「英語が話せてうれしい。もっと話せるようになりたい」とほほ笑む。  毎年、市立中の3年生が受検する「英語能力判定テスト」(日本英語検定協会主催)では、英検3級相当以上の生徒が、04年度の22・5%から、09年度は42・5%に倍増。市教委は「小中一貫の指導が効果を上げている」と胸を張る。

新年度から全国の小学校で英語が必修化されると、中学校の英語教育と、どう接続させていくかが課題になる。その意味で、同市の取り組みから学ぶことは多そうだ。(金沢支局 藤元陽)

■受験を知らない子供たち、懸念は学力低下より突破力(東洋経済オンライン1月31日)
ある上場企業の人事担当者の話。「入社2年目ぐらいから伸びない、つまずく若手社員にある共通点がある。それは大学入試を一般受験ではなく、AO入試(アドミッション・オフィス入試、学科試験ではなく、大学が求める学生像に照らし合わせて合否を決める)や推薦で入学していること」。

もちろん、個人差はあり、そうでない人もたくさんいることを断らなければならない。しかし、ここ数年で急増したAO入試や推薦入学が、転機を迎えていることも確かだ。

文部科学省によれば、2009年度の大学入学者のうち、私立大学の場合、AO入試が10%、推薦入試が41%と、非学力型入試の割合が半数を超えている。国公立大学でも計17%に及ぶ。国公立、私立とも急増しているのはAO入試だ。AO入試は1990年に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスが初めて導入、97年の中央教育審議会が答申で入試改善の方策として挙げたことを受け、各大学が競うように採用した。

しかし、08年12月には推奨した中央教育審自身がAO入試増加などを受け「入試の選抜機能が低下、入学者の学力水準を担保することが困難になりつつある」と指摘している。

この背景には大学側の思惑もある。AO入試は、合格者のうちどの程度実際に入学したかを示す入学率(歩止まり)がほかより高い。一般入試で3割台、推薦でも8割台の入学率の中、AOでは95%と取りこぼしが極めて少ない。少子化で受験者が減る中、確実に学生を確保できるAO入試は大学にとって願ってもない入試策だったのだ。また、入試時期もこれまで制約がなく、「早いところでは3年の1学期のうちに合格を出す」(塾関係者)大学もあるという。また、推薦入学では全入学者の半分までと枠が定められているのに対し、AOでは特に制限がない。

さらに、入学者の確保には苦労しない上位校でも隠れた思惑がある。AOや推薦入試の枠を広げ、一般入試の枠を狭めることで合格難易度を上げ、結果的にその大学の偏差値を上昇させることにつながっているというのだ。大学は認めないものの、「関係者の中では常識」(同)という。これによって、同大学・同学部内での学力格差拡大を引き起こしているとの見方もある。

これらを受けて文科省では、AO入試の願書受け付けを8月以降に制限するとともに、AO入試でも大学入試センター試験や英検など資格・検定試験などで学力確認をしたうえで合否判定するよう、国公私立大へ通知した。

「AO入試はそもそもエリート層発掘のために生まれた。しかし、対象の幅を広げすぎたため、ほとんどそれが機能しなくなっている。これを続けるのなら、学力を担保する方策は不可欠」(ニッセイ基礎研究所経済調査部長・櫨浩一氏)という指摘はもっともであろう。
(以下省略)

■小学生から働く教育 ニート・フリーター対策 職人が講義(2011.1.30産経新聞)
担当教員の配置検討
社会問題化している働く意欲が薄いニートやフリーターの対策として、文部科学省は小中学校や高校で仕事について学ぶ「キャリア教育」を本格推進するため、各学校に担当教員の配置を検討していることが29日、分かった。

平成24年度からすべての公立小中学、高校で月2時間以上のキャリア教育の授業を行うほか、中高では年間5日以上の職場体験やインターンシップ(就業体験)を実施したい考えだ。文科省は「子供のうちから働くことへの意識を養いたい」としている。

キャリア教育では、授業で職場について詳しく教えたり、子供に職場を体験させるためには企業や職場側の協力が必要。文科省では各学校で担当教員を指定し、職場体験に協力してくれる企業を探す、地域の社会人や職人に学校での講義を依頼するなどの業務を担当する。

中学・高校では生徒の進路や就職指導を行う進路指導主事に担当を兼務させることを検討。小学校には指導主事はいないため、新たに担当を指定するという。

キャリア教育は現行でも中高を中心に行われているが、学校側の裁量に任されており、職場体験などは実現しにくいのが現状。学校側からは「企業が協力してくれない」などの声が上がる一方、企業からは「学校からの働き掛けがない」と反論もある。

文科省では、学校で担当教員を決めることで、企業など外部とのパイプ役となり連携強化を深め、こうした問題点の解消を目指している。

文科省によると、21年度に年間5日以上の職場体験を行っている学校は、中学校で19・2%。高校では正確な統計がないが、文科省では担当教員の配置で実施率の向上につなげたいとしている。

文科省は今月中にキャリア教育のための専門家会議を設置。担当教員の具体的な役割などを議論し、23年度中に指針をまとめる。  厚生労働省の調査では、19年3月の卒業者で就職後3年間に離職した人の割合は大卒で31%、高卒で40%に達し、フリーターは21年時点で178万人に上っている。

■全受験生に学力検査、前・後期の一本化も、県立高校入試改正案 神奈川(2011.1.29カナロコ)
県立高校入試制度のあり方を議論してきた県教育委員会の外部組織「入学者選抜制度検討協議会」(会長=高木展郎横浜国立大教授)は28日、現行の前・後期2回の選抜制度を廃止し、一本化した上で、すべての受験生に学力検査を課す改正案を打ち出した。新学習指導要領の学力重視傾向を視野に、学力検査を行わない前期選抜は「学力低下を招く」と判断。提言を受けた県教委は、周知期間を設けた上で、早ければ2013年度入試にも導入する見通しだ。

改正案は、新学習指導要領がゆとり教育路線から学力重視に軸を移し、
▽基礎的・基本的な知識と技能
▽課題解決に必要な思考力、判断力、表現力
▽学習意欲―の3要素を求めている点を踏まえて策定された。

これらを的確に把握するため、知識・技能や判断力などの能力を測る学力検査に加え、学習意欲を見極めるために面接、または作文を組み合わせて実施する。 調査書(内申書)については、各中学校の評価基準格差に対する不公平感の解消や、高校ごとに設定された選考基準の簡素化を目指す。これまでと同様に中学2、3年時の評定を用いる予定だが、配点割合は今後検討していく。

新方式は「すべての高校に共通する基盤」として設定され、学力検査は原則5教科。各高校の特色に応じて自己表現活動や実技といった検査が加えられる一方、進学重点校などで実施している独自問題入試は、一本化の趣旨を踏まえてあり方が再検討される。

現行制度は04年度入試で導入された。「前期選抜」は調査書と面接などで定員の20〜50%を選び、「後期選抜」では学力検査の結果を中心に合否を決めている。

だが、同制度をめぐっては、前期選抜で学力検査を行わずに合否が決まることに伴う学力低下への懸念や入試期間の長期化、選抜方法の複雑化―といった課題が保護者や教育現場から指摘されていた。

■<偏差値>埼玉県で「復活」 「進路指導でデータ必要」(2010.12.26毎日新聞)
埼玉県の公立中学校で昨年度、校長会などによる公的テストを実施した学校が9割に上ったことが、県教委のまとめで分かった。テストは市単位や複数の自治体にまたがり行われ、偏差値や志望校ごとの順位を出す地域もある。90年代の業者テスト追放に合わせて学校現場から消えたはずの偏差値だが、進学指導を学習塾に頼る傾向が強まったことから「復活」した。

県教委によると09年度は423校のうち391校で公的テストが実施された。3年生約6万人が受けたとみられる。テストを作るのは中学の教師が中心だが、業者が問題作成、採点、データ作成をする地域もある。

さいたま市では校長会が主催し、約1万人が9月と11月の2回受け、得点や順位、志望校別の得点分布図などが示された。生徒に渡す資料に偏差値は表示されないが、教師は偏差値を把握し、生徒から聞かれれば答えることもあるという。

県教委は92年秋「偏差値にとらわれない進路指導を」と、中学校で行っていた業者テストの偏差値を高校側に提示しない方針を全国に先駆けて打ち出した。翌年2月、旧文部省は業者テスト追放の通達を出した。

公的テストは業者テスト追放以前から行われていたが、県教委は「第2の偏差値を生み出す危険性がある」として公的テストについても自粛するよう各市町村教委に求めていた。しかし、かえって偏差値を基に進路指導をする学習塾に生徒や親が頼る傾向が強まったという。このため県教委は06年11月「進路相談に活用できる資料が十分でなく、中学校に対する生徒・保護者の信頼感が損なわれる懸念がある」と、公的テスト容認に方針転換した。実施校は年々増え、09年度はほぼ県内全域での実施となった。

県教委義務教育指導課は「小学生から、目標を持って自分の進路を決めるよう丁寧に指導している。詳細は把握していないが偏差値を出していたとしても、以前のように偏差値での(進路先の)振り分けにはならないと考える」としている。

文部科学省は「公的テストについては把握していない」、東京・神奈川・千葉の各教育委員会は「中間や期末テストなど日々の学習状況を基に進路指導している」と話している。

■研修会:「小学校で英語」 教諭350人が意見交換(2010.11.30毎日新聞)
学習指導要領の改定により、来年度から小学校で英語による授業が始まるのを前に、県内の小中学校教諭約350人を集めた研修会(県教委など主催)が、山口市秋穂二島の県セミナーパークであった。

昨年度、実践研究校に指定された長門市立向陽小の教諭が事例発表。言葉が通じなくても、表情やジェスチャーを交えて伝えようとする力を身につけさせることを心がけたといい、写真を見せて「これはなに?」と問いかけるなどの手法を報告した。

数人ずつのグループに分かれた意見交換では、「小学校では学習より慣れることが主眼とされているが、中学で落差に戸惑う恐れもあり、アルファベットぐらいは教えた方がいいのでは」などの意見が出ていた。

■セクハラサイコロ教諭に教え子「辞めないで」と千羽鶴と署名活動(2010.11.24NEWS ポストセブン)
埼玉県入間市の小学校で持ち上がった「セクハラサイコロ」騒動。59才のベテラン男性教諭・Aが手づくりした、1辺2〜3センチメートルの木のサイコロには、「キス」「ハナクソ」「ハグ」「ツバホッペ」などと書かれていた。

遅刻をしたり、宿題を忘れたりした児童にこのサイコロを振らせ、出た目によって、“罰”として教諭が児童にキスやハグをしたり、ハナクソをつけたりしていたと報じられた。ところが、あらためて取材してみると、聞こえてくるのは、児童たちの「先生、辞めないで!」という声だった。

A教諭の教え子だった卒業生が実情を打ち明ける。

「サイコロを振っても、書いてあるようなセクハラ行為をすることはなかった。例えば『ハナクソ』が出たら、先生が鼻を手で隠して鼻くそをほじっているフリをして、“もうやるなよ”というだけ。知り合いの弟がいま先生のクラスにいますが、実際にはキスもハグもないんです。そもそも今回騒ぎになったのは、別のクラスの子と保護者が、本当のことをよく知らないのに問題にして警察や学校に訴えたから。だから、ねじ曲がった形で広まってしまったんです」

騒動が報じられてから、教諭は体調不良を理由に学校を休んでおり、周囲との連絡を断っているという。しかし、卒業生や保護者らは、復帰を願う署名活動を行っている。そしてクラスの児童たちは、「先生が復帰しますように」との願いをこめて、千羽鶴を折った。

本誌がA教諭の自宅を訪れると、妻がこう答えた。「主人は“子供たちはわかってくれていると思うので、それだけで自分は充分だ”と話していました。生涯、現場に立って児童と向き合っていくのが夢ですので、いつごろになるかはわかりませんが、必ず現場に戻りたいといっています」

■「君は××」教諭2人、生徒の言動5段階格付け(2010.10.28読売新聞)
広島県福山市内の市立中学校で、2年生のクラスの担任ら教諭2人が生徒の言動を「◎」から「××(ばつばつ)」まで5段階で評価し、生徒を「君は、××だ」と呼ぶなどしていたことがわかった。ショックを受けた生徒の保護者から「子どもが登校を嫌がっている」などと抗議を受け、学校は「生徒に動揺を与え、不適切な指導だった」と謝罪した。

市教委などによると、2年担任の50歳代の女性教諭と、副担任の40歳代の男性教諭で、9月初めから「◎ 人としてすばらしく、価値あること」「○ できればやった方が良いこと」「△ あたり前のこと」「× できればやらない方がよいこと」「×× 人として絶対にやってはいけないこと」と、評価基準を書いた紙を教室に張り出した。

下校前のホームルームの時間に、その日の行動について、5段階の自己評価を発表させたり、教諭2人側から評価を知らせたりしていた。女性教諭は生徒の反省が足りないとして「動物以下だ」と言ったこともあったという。

基準を書いた紙を見た保護者が9月下旬に抗議。学校は今月1、18日に説明会を開き、校長らが謝罪した。

■「バカなんじゃないか」小2担任が学級通信で児童を非難(2010.10.26産経新聞)
大阪府箕面市の市立小学校で、2年生の担任の男性教諭(56)が、クラスメートをいじめたとする男児について「バカなんじゃないか」「相当な心の病を抱えているとしか言いようがない」などと、学級通信で非難していたことが25日、学校関係者への取材で分かった。学校側は、学級通信が保護者に渡ってからその内容を把握したといい、校長は「内容は許し難いことで、子供を傷つけ大変申し訳ない」と話している。

問題になっているのは、男性教諭が今月19日にクラスの子供たちに手渡し、自宅に持って帰らせた学級通信。タイトルは「SHORT HOPE」と付けられ、A4用紙4枚分の分量がある。

学校関係者によると、教諭の担当するクラスでは、特定の女児について、十数人が「○○菌」などと呼ぶなどのいじめが起きており、問題になっていた。

男性教諭は、中心になっているのは3人と指摘し、学級通信では「たった3名でクラスが崩壊させられることもある」と“危機感”を表明。今月15日には授業で事実確認を行い、いじめをやめるよう指導したことを紹介した。

しかし、授業から3日後の掃除の時間、このうち1人が女児が持とうとしたモップについて「このモップ持つと菌がつく」とはやしたてたとして、学級通信で「言葉は悪いがバカなんじゃないかと思う。或(あるい)は相当な心の病を抱えているとしか言いようがない」などと非難した。

箕面市教委によると、学校外への配布物については、校長が内容を確認してから配布するよう指導しているが、校長は今回の学級通信の内容について配布前には把握していなかった。

学校によると、男性教諭は「(いじめが)自分としては大変なことだから指導したいと思って書いたが、配布してから、まずい文章だと思った」と反省しているという。男性教諭は現在も担任を続けている。

学校は28日に、このクラスの保護者を対象に説明会を開き、校長と担任が謝罪する予定。

■小3授業で女性教諭、自殺や殺人をクイズに(2010.10.23読売新聞)
東京都杉並区の区立浜田山小学校で、3年生担任の女性教諭(23)が授業中に、自殺や殺人に絡むクイズを出していたことがわかった。

区教委によると、教諭は19日、2時限目の算数の授業の終わりごろに「3人姉妹の長女が自殺し、次女はその葬式に来た男性を好きになった。再会するにはどうすれば?」というクイズを出した。「妹(三女)を殺せば葬式で会える」が正解で、子供たちはショックを受けた様子だったという。

教諭は厳重注意を受けた。「子供たちにせがまれて、大学時代に友人と楽しんだクイズを出してしまった。非常に軽率な事をして反省している」と話しており、保護者に謝罪したという。

井出隆安教育長は「不適切な指導で児童の心を傷つけた。心からおわびし、信頼回復に努める」としている。

■誰が校長を殺したか…これが中間試験?(2010.10.23読売新聞)
愛知県東海市の県立東海商業高校の中間試験で、同高校を舞台に「校長を殺害した教諭」を実名の選択肢で答えさせる問題が出題されていたことが、23日わかった。

問題に登場する国枝裕校長は「不適切な設問」として、問題を作成した20歳代の男性教諭に口頭で厳重注意した。

同校によると、商業科目を体験的に学習する「総合実践」の試験に「頭の柔軟さを知るため」として出題された。問題は、校長が職員室で暗殺され、自分の血で書き残した「41124」の文字を手がかりに、実在の教諭7人の中から犯人を選択するというもの。3年生の2クラス77人が解答した。

「41124」は横書きにして180度回転させて見ると「カていカ」と読めることから、家庭科の担当教諭が犯人とされた。同校の総合実践の試験では、これまでもクイズ形式の出題をしているという。

■苦手科目、小学4年までは国語 読解力不足が算数にも影響(2010.10.17産経新聞)
小学生の苦手科目などについて聞いた民間の調査で小学4年までは国語が苦手な子供が目立つ傾向がでた。高学年になると算数が苦手な子が増えるが、問題の意図を読み取る読解力不足や、考えを整理して書く記述式が苦手な傾向は教科にかかわらず共通し、「算数の苦手意識克服は、低学年での国語学習がポイント」と分析している。

中学受験などの個別指導教室などを行っている「スーパーウェブ」が運営するインターネットのサイト「中学受験情報局 かしこい塾の使い方」で約1100人を対象にアンケート調査した。

算数が苦手な子が多いと思われがちだが、4年生では算数(36%)より国語(39%)を苦手とする子供が多い。具体的な悩みも聞いたところ「登場人物の気持ちなど書かれていないことを想像して答えるのが苦手」「本を読むことは嫌いではないが文章の内容の理解力が足りない」などがあった。学年が上がると算数が苦手な子が増えるが、悩みは「筋道を立てて順序よく解いていくのが面倒で苦手」など。

読解力については国語で「何字以内で書きなさい」といった問題や算数、理科で途中の式を書く問題が苦手という子が多く、「文章をしっかり読み取ること、同時に考えを整理して書くことがどの学年でも悩みの種になっている」と分析している。

■教諭が授業中に生徒の口ふさぎ気絶させる 「まだ5秒、もう少し我慢しろ」(2010.9.30)
横浜市教育委員会は30日、市立山内中学(青葉区)の理科の男性教諭(50)が授業中、「呼吸の大切さを教える」として1年生の男子生徒(12)の口と鼻を手でふさぎ気絶させたとして、戒告処分にしたと発表した。生徒はすぐに意識を取り戻し、健康状態に問題はなかったという。

市教委によると、教諭は6月24日、「呼吸について」という内容の授業で、教壇の近くに座っていた生徒を立たせ、後方から首に左手を添え、右手で口と鼻をふさいだ。教諭はあらかじめ男子生徒に、「苦しくなったら先生の手をたたいて合図して」と伝えており、開始5秒後に生徒は合図を出した。

しかし、教諭は「まだ5秒。もう少し我慢しろ」と手を離さないでいたところ、生徒はすぐに気を失ってその場に崩れ落ちたという。

教諭が生徒を抱き起こして背中をたたいたところ、意識を取り戻したといい、病院に搬送するなどの処置をとらなかった。教諭は授業を続け、同校の管理職や保護者へ報告しなかった。生徒が母親に話し、母親から同校に連絡があって発覚した。

市教委の伊藤保則教職員人事部長は「極めて遺憾。今後このようなことが生じないよう、全力で取り組んでいく」とコメントした。

■「殺人」題材に割り算出題=授業中に小学校教諭―愛知・岡崎(2010.9.15時事通信)
愛知県岡崎市の市立小学校に勤務する男性教諭(45)が5月、担任する学級の算数の授業で「殺人」を題材にした割り算の問題を出題していたことが15日、同市教育委員会への取材で分かった。市教委は男性教諭を厳重注意処分とした。

市教委によると、男性教諭は3年生の学級担任。5月中旬、算数の授業で割り算を教えた際、「ここに18人の子どもがいる。1日に3人ずつ殺すと、何日で全員殺せるでしょう」と口頭で出題したという。

児童の親が7月12日に市教委に報告し、問題が発覚。市教委は同月16日付で男性教諭を厳重注意処分とした。

■44.3%の親、「学校教育は十分でない」(2010.9.13Business Media 誠)
「学校教育が十分だ」と思っている親はどのくらいいるのだろうか。幼稚園児を持つ親に聞いたところ、今の学校教育が十分だと思っている親は、わずか6.6%であることが、小学館集英社プロダクションの調査で分かった。全体の15.4%は「学校教育が十分」としているが、44.3%は「十分だとは思わない」と答えた。

「学校教育が十分」と答えた親を見てみると、小学校低学年の子どもを持つ親は18.5%、小学校中学年の親は17.7%。子どもの学年が上がると一旦十分だと思う親は増えるものの、小学校高学年の親は極端に減ってわずか2.9%。「低学年、中学年での学校教育への安心、信頼感が中学受験や学習の難易度の高まりによって一気に消えている傾向が見て取れた」

 また学校の授業を補うために「塾や通信教育などは必要だ」と思う親は、全体で60.7%(幼稚園児を持つ親は55.1%、小学校低学年61.0%、小学校中学年63.9%、小学校高学年73.5%)。一方、「なくても構わない」は6.8%にとどまった。

■変わる子どもの読書−量も読解力も低下(2010.8.25産経新聞)
■「表紙で選ぶ」「夏だけ」…活字離れ進む
パソコン、携帯電話、携帯ゲーム機…と、子供たちが向き合うメディアが多様化した現在、彼らの読書はどうなっているのか。専門家らは読書量や読解力の低下、その背景にある物語性の低い児童書の傾向など、多くの課題を指摘する。

◆さらに二極化
「本をどんどん読む子が『面白かった』と話し、周りの子に本のことが口コミで広がることがある。一方で、読まない子、漫画や電車の本ばかりで壁を作ってしまう子もいる」

東京都狛江市で7月に開催された「子どもの本全国研究集会」(日本子どもの本研究会主催)。パネルディスカッションで、千葉県市川市立小学校の学校司書、太田和順子さんは子供たちの読書における二極化を指摘した。家庭環境が崩壊し、読書どころではない子も増えているという。

埼玉県三芳町立図書館副館長の代田(しろた)知子さんも「子供が確実に本を読まなくなっている。活字の詰まった本は読もうとせず、『表紙で選ぶ』『夏にしか読まない』という子も」と、活字離れの進行を憂慮。また、最近の児童書の傾向として「しっかりした物語世界を持たず、お笑い番組のようなギャグや笑わせるような内容が目立つ」とし、「それで“読書”につながるのか」と疑問を投げかけた。

書店の課題を提起するのは、日本児童図書出版協会広報委員長で偕成社編集部の今野(こんの)弘志さん。「書店には売れている本、テレビ番組を基にしたような絵本が多くなっている。『どんな本がいいですか』と聞いても答えられない、本を知らない店員が増えた」。身近な町の書店が減っていることも子供を読書から遠ざけている要因という。

一方、児童文学者で元教員の依田(よだ)逸夫さんは「(児童書は)書いても無駄とまでは言わないが、初版部数が少ない。書店がなかなか置いてくれず、しかもすぐ店頭から引っ込めてしまう」と書き手の悩みを明かす。

◆図書館活用が鍵
 読解力の低下も気がかりだ。今野さんは「かつて小学3、4年生向けに出した本でも高学年が読むなど、今は想定より2年ほど上の子が読んでいる」と話す。

本は、子供が調べものを通じて知識を高める役割も持つ。明治学院大学教授の下田好行さん(学習指導学・教材開発論)は「国語の授業では、教科書の作品を緻密(ちみつ)に分析的になぞる授業が多く、子供も教師も疲れてしまっている。もっと学校図書館を活用し、自分で情報を集め、考えて表現する指導を」と強調する。

今年は国民読書年だが、本は子供からますます縁遠い存在になりつつある。日本子どもの本研究会会長の黒澤浩さんは、教員経験を基に「学校と家庭に“読書のベルト”をかけよう」と呼びかける。例えば、教員と生徒で作る学校図書館便りの充実は、父母も目にするため効果的だという。

■「よく読む」「時々読む」高校生は半数以下
活字離れの傾向は特に高校生で著しいことが、Benesse教育研究開発センター(東京都新宿区)の「子ども生活実態基本調査」で浮かび上がった。調査は昨年8〜10月、小学4年〜高校2年生の1万3797人について調べた。

それによると、漫画や雑誌以外の本を「よく読む」「時々読む」は小学生が61.1%、中学生56.3%、高校生47.2%と、年代を追って低下。5年前の前回調査と比べると小学生は2.7ポイント微増したが、高校生は5ポイント低下している。

新聞記事を読むのも高校生は前回より11.8ポイント低下し、33%にとどまった。


■中高生がなりたい職業調査、高校生は進路具体化につれ夢から現実志向に (ナリナリドットコム2010.8.19 )
「将来どんな仕事がしたいか」は、まだ社会に出ていない子どもや学生に聞く定番の質問。大きな夢を抱くのも良し、堅実な目標を掲げるのも良し、いずれにしても“将来の自分像”を思い描くのは大切なことだが、モバイルリサーチを行うモッピーラボは、中学生と高校生を対象に「ライフスタイルに関する調査」を実施し、「なりたい職業」などについての回答をまとめた。

この調査は全国の13歳から18歳の男女を対象に、6,397サンプルを集めたもの。まず、進学意向のある高校生に対し「高校卒業後に興味のある専攻分野」についてたずねたところ、男性トップは「工学・建築」(24.1%)で、これに「経済・経営・商」(19.3%)が続いた。一方の女性は「美術・デザイン・音楽」(23.6%)がトップ。これに「人間・心理・哲学・宗教」(20.9%)が続いている。

次に「将来なりたい職業」についてたずねたところ、男子中学生では「スポーツ選手」(15.9%)、女子中学生では「芸能関係」(21.3%)が1位に。男子高校生は「公務員」(8.9%)、女子高校生は「美容関係」(10.7%)がそれぞれ1位で、中学生よりも堅実志向がうかがえる。

また、中学生は特定の職業への人気が集中しているが、高校生では人気が分散。イメージや憧れだけでなく、自分自身の得意・不得意などさまざまな要素を考慮した結果となったようだ。

☆「将来なりたい職業」調査結果(モッピーラボ調べ/左から1→3位)
[男子中学生]スポーツ選手(15.9%)/教師(10.9%)/公務員(9.8%)
[女子中学生]芸能関係(21.3%)/美容関係(19.2%)/公務員(4.8%)
[男子高校生]公務員(8.9%)/教師(7.8%)/会社員(6.9%)
[女子高校生]美容関係(10.7%)/芸能関係(9.6%)/教師(5.4%)

■岩手、学力テスト・中学下位低迷 「数学苦手」返上なるか(2010.8.9河北新報)
全国学力テストの中学校数学で、岩手県がまたも全国下位グループに甘んじ、県教委からは「早期の立て直しが必要」との声が上がっている。平均正答率が東北では4年連続最下位、東北トップの秋田県とは約10ポイントもの開きがあった。原因として、岩手独特の宿題や指導法が浮かび上がる。

県教委などによると、中学校数学の学力が振るわない原因は、約20年前に全国に広まった自主学習ノートの実践がいまだに目立つからだという。宿題方法の一つである自主学習ノートは、生徒が家庭学習したい科目を自由に選んで勉強するやり方。生徒が好きな教科ばかりを選ぶ傾向にあり、県教委は「中には、大きな字で同じ漢字を書いてくる子もいる」と実態を明かす。

自主学習ノートは、学習指導要領で推進された「自ら学ぶ」が基本。だが、現在は特定教科への偏りが問題視され、ノートの在り方を見直す自治体が増えている。

県立総合教育センター(花巻市)が昨年度に教員を対象に行った調査によると、自主学習ノートと課題宿題の組み合わせなどでどんなふうに家庭学習をやらせているかの質問に「自主学習ノート中心」という回答が最も多く、44.5%だった。

だが、現場教師の心理は複雑なようだ。「自主学習ノートが学力向上に寄与するか」との問いに、主要5教科の担当教員の63.6%が「そうは感じない」と回答。数学教員だけでは66.6%が否定的な見解を示した。各教師の思いとは裏腹の指導が行われている理由について、県教委は「先輩後輩の関係」や「伝統」などが現場で重んじられているからとみる。

県教委がもう一つ問題視するのが、数学教員の手作りプリントだ。

授業時に生徒にプリントを配布して、問題を解かせる手法。生徒に板書を写させる時間を省いて授業の効率化と内容の充実を図ろうと、かつての岩手大学長が提唱し、40年以上の歴史を持つ。

同大教育学部の立花正男准教授(数学教育)は「現在では形式だけが受け継がれている」と指摘。県教委学校教育室も「一部で見られる、ただ問題を解かせるだけのプリントは、生徒に復習させる機会を与えづらい」と現場に指導法の見直しを呼び掛けている。

果たして、岩手の中学生の数学力は向上するのか。盛岡市など県内20カ所で学習塾を展開するM進の高橋栄一学習塾事業部長は「量や質に関して県全体でルールを定めるなどしないと、ただやるだけの子が増えてしまう。県教委が仕切ってやらない限り、期待は持てない」と話す。

県PTA連合会の米沢慎悦会長は「子どもが自主的に考えるのには限界がある。先生が家庭学習のテーマをきちんと示して取り組ませてほしい」と注文する。

■学力テスト:「新聞記事」と「コラム」、半数が区別できず(2010.7.30毎日新聞)
12年度から完全実施される中学校の新学習指導要領に「新聞活用」が明記されたことを踏まえ、今回、中学の国語B(活用)に新聞記事を読ませて読解力をみる問題が初めて出題された。太宰治の生誕100年にまつわるニュース記事と、読書に関するコラムを掲載した架空の新聞を読んだ上で、設問に答えるという内容。

二つの記事の書き方の違いを選ばせたところ、「記事は事実を中心に客観的に書いているが、コラムは事実だけではなく書き手の意見や感想も交えて書いている」という正答を選んだのは50.2%にとどまった。客観的な文章と主観的な文章の区別がつかずに戸惑う生徒が多くいたとみられ、文科省は「さまざまな文章に触れさせる必要がある」と指摘している。

■楽天 英語を12年中に社内公用語化(2010.6.30毎日新聞)
楽天の三木谷浩史社長は30日、東京都内で会見し、社内の公用語を12年中に英語に完全に切り替えると発表した。三木谷社長は「世界企業に脱皮するには英語が必要と判断した」と理由を説明。同時に発表した今後の国際事業戦略についても、英語で説明を行った。

三木谷社長は会見の冒頭、英語で「社内の公用語を英語に変えている最中であり、(ここは)日本だが英語で説明させてもらう」と断ったうえで、同社の将来ビジョンを解説。その後の記者らとの質疑応答では、英語の質問には英語で、日本語には日本語で応じた。

同社では役員会議などの資料を英語にし、役員会議や幹部会議などでの会話も、英語で行い始めている。三木谷社長は「世界で事業を成功させるには、スタッフレベルの英語のコミュニケーションが重要になってくる。海外の優秀な人材を得るためにも必要」と説明し、必要があれば本社機能の一部海外移転もあり得るとの考えも示した。

今後の国際戦略については、事業を現在の6カ国・地域から27カ国・地域へ拡大し、グループの販売額を09年度の1兆円から将来的に20兆円まで伸ばす目標も打ち出した。

楽天以外の国内企業では、日産自動車が社内の経営会議などを英語で行っているほか、カジュアル衣料のユニクロを展開するファーストリテイリングが12年3月から英語を社内公用語化する方針だ。

■幼稚園教諭と保育士、資格統合へ=13年度の「こども園」創設に併せ―政府検討(2010.6.29時事通信)
政府が、幼保一体化を推進するため、2013年度をめどに幼稚園教諭と保育士資格の統合を検討していることが28日、分かった。幼稚園と保育所の機能を兼ね備え、親の就労状況に関係なく子どもを預けられる「こども園」制度の創設に併せて実施する考え。現状では新資格を創設する案などが浮上している。政府は教職員免許法や児童福祉法を改正する方針だ。

現在、幼稚園は幼児教育を重視する教育施設、保育所は共働き世帯の子を受け入れる児童福祉施設と位置付けられ、教職員の資格も別々になっている。ただ、保育所でも3〜6歳児に対して幼児教育を行っており、教育面で両施設の区別はなくなりつつある。

具体的な資格統合に際しては、両方の資質を兼ね備えた「こども士」といった新資格を創設する案がある。また、幼稚園教諭と保育士の資格を残したまま、取得カリキュラムを共通化する考え方もある。現行だと、幼稚園教諭には一種、二種などがあり、二種の場合は短大などで62単位以上の取得が必要。一方、保育士は68単位以上取得することが条件となる。一部の短大では両方の資格を取得できるカリキュラムを編成しているが、学生の負担感は大きかった。このため、カリキュラムの共通化で、より資格を取りやすくする。 

■政治も経済も英語で学ぶ 「使える」言葉目指す(2010.6.21朝日新聞)
中学、高校、大学。通算10年勉強しても、社会に出て「使えない」といわれる日本の英語教育。そんな批判を打ち破ろうと、英語教育の科目以外で、英語による授業を採り入れている大学が2008年度で190に及ぶ。海外に展開する企業からの求人も視野に入れており、「使える英語」への模索が続く。

■立教大、企業にプレゼン 国際教養大、学生全員が留学
「『東アジア』の定義は? どんどん意見を出して」

東京・池袋の立教大。今年4月、経営学部の「東アジア経済」の授業で、アダム・ジョンズ助教が質問を始めた。学生たちの手が次々挙がる。

「なぜ、東アジアが大事?」「日本、中国、韓国のうち、最大の経済大国はどの国?」。たたみかける助教との会話は、すべて英語だ。

経営学部は、2006年4月に開設した。国際経営学科の1、2年生が履修する英語コース「バイリンガル・ビジネスリーダー・プログラム」(BBL)が目玉で、「経営学を英語で学ぶ」ことを目指した独自のプログラムだ。

文章の大意をつかむ訓練として、経営に関する英語の雑誌記事や書籍を使って速読と多読を徹底する。英文レポートの宿題も多い。BBL主査の松本茂教授は「日本の高校では英文を一文ごと日本語に訳して理解させる。それでは大学の授業では通用しない」と指摘する。

3年になると、マーケティングやマネジメントなどの専門科目の7割以上の授業が英語だけで行われる。企業の協力を得て、学生が商品の販売促進の企画を立てたり、実際に会社に行って英語でプレゼンをしたりして実践に触れる。

今春送り出した学部初めての卒業生は、丸紅や日本IBM、シティバンクなど国際展開する大手企業にも就職した。

4年生の奥山宏美さん(21)は「海外留学もいいけれど、同じレベルで学べるなら国内も良いと思った。英語だけでなく、『プラスアルファ』を学べるのがいい」と話す。

日本にいながら、授業は英語だけ、という大学もある。

国際教養大(秋田市)では、04年の開学以降、学生全員が1年間留学する。提携先は年々増え、現在は欧米やアジアなど109大学。留学先で取った単位は卒業単位に認定される。

定員は1学年150人。入学後、英語の集中プログラムを受ける。英語を母語としない人の英語能力検定TOEFLの平均点は、入学時は500点程度だが、留学までに550点、卒業時は600点を超えるという。

こうした仕組みの旗振り役は、かつて東京外国語大の学長も務めた中嶋嶺雄学長だ。中学から大学まで10年間学んでも、身につかない日本の英語教育の現状に「このままでは国際的に活躍できる人材が育たない」と危機感を抱いていたという。

キャリア開発室には、海外展開する大手企業から「説明会をしたい」という申し込みが相次ぐ。「秋田市までわざわざ採用担当者がやって来てくれる」と中嶋学長は胸を張る。

■中央大、意欲ある学生募り講座
「使える英語」の仕組みづくりは、簡単ではない。

中央大総合政策学部(東京都八王子市)には、苦い経験がある。1993年に創設した時、必修の上級英語の授業をとるために、TOEFLで500点を条件にした。だが、留年したり、卒業できなくなったりする学生も出てくると、批判の声が起こり、2005年度から点数の制約はなくなった。

「500点の壁」がなくなると、入学直後の新入生の平均点はその後もほとんど変わっていないのに、在学中の点数の「伸び」が急激に落ちた。河野光雄学部長は「ハードルを設けて学生の乗り越える力を引き出すことも、教育の一つの側面だと改めて感じた」と話す。

「教訓」を生かし、今年度からは、英語で学ぶ講座の拡充を始めた。中心に据えるのは、約250人の学部生から意欲のある学生を募る「チャレンジャーズ・プログラム」。1、2年生の必修科目の授業を「英語のみ」で受ける試みだ。30人の枠に新入生68人が応募した。

■企業のニーズ反映 190大学に
文部科学省の調査では、英語教育以外の政治、経済や文学などで、英語による授業を採り入れている大学は08年度に190大学あり、全体の26%にのぼる。英語による授業だけを履修して卒業できる大学は、国際教養大のほか、上智大国際教養学部、早稲田大国際教養学部など全国に7大学8学部ある。

背景には、経済の国際化に対応する学生を求める企業側のニーズがある。文科省と経済産業省が共同事務局の「グローバル人材育成委員会」が4月にまとめた報告書では、企業が必要とする語学力を国際比較したスイスの研究機関の調査結果が引用された。日本人が57カ国・地域中55位だったことを挙げて、「日本人の語学力や国際経験の評価は低い」と明言した。ちなみに中国は42位、韓国は34位。解決策の一つとして「専門科目を外国語で学ぶことを前提とした外国語教育プログラムが有効」と紹介した。

■パナソニック採用の8割外国人 大学生就職深刻になる一方だ(2010.6.20J-CASTニュース)

日本人大学生の就職難が深刻化する一方で、外国人採用を増やす企業が相次いでいる。国内市場で成長が見込めず、アジアや新興国で事業を強化するためだが、日本の大学生の前途はますます厳しい。

カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングでは、2010年の国内新卒採用者約200人のうち、外国人が約100人だった。11年も国内新卒採用約600人のうち、半数を外国人にする。

■楽天、パナソニック、ローソンなど大幅増
ユニクロが外国人採用を拡大する背景には、海外出店の加速がある。10年8月期上期(09年9月〜10年2月)に海外で売上げが倍増し、営業利益は4倍以上となった。5年後には海外事業規模が日本を越えるようにしたいと考えている。  アジア市場では中国と韓国に集中する。10年5月に上海にグローバル旗艦店をオープンし、秋には台北に出店する計画だ。東南アジアでも、マレーシア・クアラルンプールといった都市に続々出店する考えだ。欧米ではニューヨークとパリで複数出店し、他の欧米主要都市にも広げる。

楽天は10年度の国内新卒採用者約400人中、外国人が17人で、現地採用では中国で15人、インドで21人を採った。国内で採用した外国人は基本的には国内で勤務する。現地採用はエンジニア職だ。11年度は国内新卒採用450〜500人のうち、70人程度を外国人で増やす。現地採用枠はインドと中国あわせて70〜100人を予定している。

同社はEC事業の海外展開に力を入れている。中国最大の検索サービスを運営する百度(バイドゥ)と合弁会社を作り、ECモール「楽酷天」を10年6月9日にオープンした。ほかにアメリカ、インドネシア、タイ、台湾で事業を展開し、10年12月までに全10か国に拡大する。将来的には27か国に進出する計画で、広報担当者は「外国人社員がますます増えるだろう」と話している。

■新卒採用1390人のうち日本人は290人
パナソニックの場合、10年度新卒採用1250人のうち海外で外国人を採用する「グローバル採用枠」は750人だった。11年度は外国人の割合を増やし、新卒採用1390人のうち、「グローバル採用枠」を1100人にする。残る290人についても、日本人だけを採るわけではないという。大坪文雄社長は『文藝春秋』10年7月号のなかでこうした方針を示し、「日本国内の新卒採用は290人に厳選し、なおかつ国籍を問わず海外から留学している人たちを積極的に採用します」と述べている。

同社は中期経営計画で、3年後の売上高を10兆円に設定している。このうち海外での売上げ比率を現在の48%から55%まで引き上げる考えだ。これは海外市場で年間5兆5000億円売ることを意味し、達成すれば海外での販売が国内市場を上回ることになる。2018年度には海外比率を60%以上まで伸ばしていく考えで、裏を返せば、日本の比重が急速に減っていくことになる。外国人採用枠の拡大は、グローバル化を図る上で、日本人よりも外国人が必要と判断したためだ。

ローソンは08年度から外国人留学生の新卒採用を始め、10年度は新卒採用者88人中17人が外国人だった。これまでに中国、ベトナム、韓国、台湾、インドネシアなどの留学生を採用した。11年度は60人中20人が外国人となる予定だ。同社広報担当者は、「外国人を採用することで社内を活性化するのが狙い」という。

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表・城繁幸さんは、
「国内で外国人新卒者を採用する会社は2、3年前からありましたが、大手が本格的に採用し始めたのは2010年からです。理由は、日本市場に将来性が見込めず、新興国でビジネスを展開するためです。今後、国内向けのサービスを展開している企業以外は、外国人採用を強化していくと思います」 と話している。

不景気で新卒採用枠が減っているなかでライバルが増えれば、日本人の新卒者は大変だ。

「大学で勉強していない人は就職が難しくなると思いますよ。中国人や韓国人は最低2か国語を話せて、専門知識の勉強もしています。これまでのような会社に就職してから教えてもらうという考えでは、外国人と同じ土俵に立てません」

■鬱・彙…常用漢字表、新たに196字答申(読売新聞2010.6.7)

文化審議会(文部科学相の諮問機関、西原鈴子会長)は7日、現行の常用漢字表から5字を削除し196字を追加するなどした「改定常用漢字表」(2136字)を答申した。

一般での使用の目安になる常用漢字の見直しは29年ぶり。答申は漢字を「手書き」する重要性を認めつつ、初めて「すべてを書ける必要はない」として、パソコンなど情報機器の普及で登場する機会が増えた難しい漢字も多く盛り込んだ。早ければ今年11月にも内閣告示される。

常用漢字は、学校現場では高校までにほぼ書けるよう指導されている。新漢字に「鬱(うつ)」、語彙(ごい)の「彙」など書くことが難しい字も含まれていることを踏まえ、学校でどう指導するかは、教育行政に委ねるとした。このため文部科学省は、どこまで書けるように指導するかや学年別の割りあてなどを検討する専門家会議を設置することを決めた。

常用漢字表の見直しは、パソコンや携帯電話の普及で「変換」が容易になったことなどを背景に2005年に始まり、書籍、新聞、インターネットでの出現頻度や、複数の熟語で使えるかどうかを総合判断した。

答申は、「すべてを手書きできる必要はない」としたほか、年齢などに応じて難しい常用漢字にも振り仮名を用いるよう促した。一方、手書きに関する項目を設け、「漢字を手で書くことは日本の文化として極めて大切」と重要性を強調した。

固有名詞にしか使用しない漢字は常用漢字に含まないことが前提だが、今回の改定では例外的に「茨」「岡」「埼」「栃」「阜」など県名に使う漢字を追加した。

新たに加わった「遜」「遡」「謎」は、従来常用漢字で用いられ、点が一つの「1点しんにゅう」の使用も許され、同じ漢字で異なる字体が混在することになった。 

■大学生の基礎学力低下、提携の高校で補習へ(読売新聞2010.5.15)

大学生の基礎学力の低下が問題となる中、埼玉県の県立高校が来年度から、提携先の大学生を聴講生として受け入れることになった。

大学が独自に高校レベルの補習を行うケースは増えているが、高校への“差し戻し”は異例。歓迎ムードの教授たちに対し、学生からは「恥ずかしくて通えない」との声も上がっている。

提携したのは、県立吹上秋桜高校(鴻巣市)と、県内にある大東文化大(東松山市)、ものつくり大(行田市)。高校生が大学で講義を受けるなどの「高大連携」を3月に締結した際、学力不足の学生の受け入れでも合意したという。

学生は高校生と一緒に授業を受け、授業料は1科目年間1750円前後を想定。対象となる科目や学生など詳細は今後決める。

学生の学力不足を補うため、補習授業を実施する大学が増えている。文部科学省によると、1996年度の実施大学は572校中52校(約9%)だったが、2007年度は742校中244校(約33%)に上った。

大東文化大学務局長の山崎俊次教授は「学力は年々下がっているが、講師や教授が高校教員のように基礎を教えられるわけではない。全科目の補習を行うのも難しい」と高校での補習に期待をかける。

同高は4月に開校した昼夜開講の単位制学校。「地域社会に開かれた学校」を目指し、在校生以外を対象にした科目履修制度もある。「授業は午後9時まで。制服もなく、大学生でも学びやすいはず」と同高。

大東文化大2年の男子学生(19)は「高校時代は受験に出やすい英単語や古典ぐらいしか勉強しなかった。興味ある科目を勉強できるなら授業を受けてみたい」と歓迎するが、同大1年の女子学生(18)は「高校に通うのは少し恥ずかしい。友達にも言えない」。学生たちには賛否両論のようだ。

■東京都、デュアルシステム制度を4工業高校に導入(2010.4.23日刊工業新聞)
東京都は22日、高校生が企業で長期職業訓練を受ける教育制度「デュアルシステム」の新規導入工業高校4校を発表した。2011年度から葛西工業高校(江戸川区)と多摩工業高校(福生市)で、12年度から北豊島工業高校(板橋区)と田無工業高校(西東京市)で導入する。これでシステム導入校は5校になり、都内各地で地元中小企業に即戦力を輩出する仕組みが整う。

デュアルシステムは学校での座学と企業での実習を並行して行うもので、生徒と企業が合意すれば実習先に就職することも可能。企業にとっては採用時のミスマッチが減り、即戦力を雇用できるメリットもある。都は04年に六郷工科高校(大田区)に全国で初めてデュアルシステムの学科を設置。毎年、同学科の卒業生の半数程度が実習先企業に就職している。

新規導入校は高卒就職率が60―70%と高く、また地域に産業が集積している高校を選んだ。

■文部科学省 教育討論サイト「熟議カケアイ」開設(2010.4.19)
文部科学省は17日、教職員や保護者らの教育政策についての声を集めるため、議論が行われるインターネット上のホームページ「熟議カケアイ」を開設した。 熟議カケアイは、事前に氏名や住所などを登録しておけば、年齢や国籍を問わず参加が可能となる。参加者はホームページ上で、教員、保護者などの立場だけを明らかにして、意見を書き込む。「教員の資質向上策」「理想の学校像」などのテーマごとに掲示板が設けられニックネームで投稿、討論する仕組み。登録者以外も閲覧のみ可能。 掲示板には文科省職員も議論の整理役として参加。一つのテーマについて1カ月程度の期間を設け、一定の結論が得られた段階で、政務三役の政策決定に生かす。 初回のテーマは、「教員の資質向上」。集約された意見は6月をメドに取りまとめ、法律や制度作りに反映させるという。ホームページは「熟議カケアイ」と名付けられた。 「熟議カケアイ」=http://jukugi.mext.go.jp/

■早期教育効果は小学生で消える(2010.4.19AERA)
小学校入学前に読み書きを習得する子どもは多い。その風潮に警鐘を 鳴らす研究が報告されている。本質的な学力を決めるのは親子関係だという。

都内に住む30代の母親は最近、4歳の女の子が図書館で読んでいる本を見て驚いた。絵はなく、漢字まじりの文字ばかり並ぶ小学校中学年用の読み物だ。自分の小学1年生の子どもは、入学してようやくひらがなを習ったばかりだというのに。思わず「すごいね」と声をかけると、女の子は「漢字も書けるよ」と言って、スラスラと漢字を書いた。女の子の母親と話すと、通っている有名私立幼稚園では珍しくない光景だという。

所得よりも養育態度
最近、地方都市から東京に転居してきた40代の母親の長男が通った保育園は、外遊びを重視し、幼児の読み書きなど早期教育には批判的な方針だった。長男は文字をほとんど書けないまま小学校に入学した。入学後、近所の5歳の女の子が持っていた「お勉強ノート」を見て圧倒された。画数の多い小学校中学年向けの漢字がびっしりとノートのマスを埋めていた。入学後も、わが子がカタカナに四苦八苦する傍らで「5年生の漢字が書けるよ」「九九できるよ」と豪語する級友の存在を知り、長男が勉強についていけるか心配になった。

しかし、お茶の水女子大学の内田伸子教授(発達心理学)は、文字の読み書きなどの早期教育に批判的だ。内田教授は昨年秋の東アジア学術交流会議で「幼児のリテラシー習得に及ぼす社会文化的要因の影響」調査を発表した。

ちょうどその2カ月ほど前、文部科学省は全国学力テストの結果を分析し、親の所得が高いほど子どもの学力が高いという調査を発表していた。親の年収が1200万円以上では国語、算数の正答率が全体の平均より8〜10ポイント高く、200万円未満では逆に10ポイント以上低かった。

だが、内田教授の調査では、子どもの学力格差は親の所得格差ではなく、親子のかかわり方が大きく影響していた。たしかに「読み・書き」能力だけみれば、3歳では親の所得や教育投資額が多いほど高かった。しかし、その差は子どもの年齢が上がるにつれて縮まり、小学校入学前に消滅した。文字などの早期教育の効果はわずか、数年しか続かないのだ。

すでに内田教授は20年以上前に実施した調査で、3、4歳で文字を習得している子と、習得していない子との差は、小学校入学後に急速に縮まり、1年生の9月には両者の差は消えてしまうということを指摘してきた。また、別の研究でも、漢字の習得では、早期教育を受けなかった子どもとの差は小学校2年生ごろに消滅し、むしろ国語嫌いは早期教育を受けた子に多かったということもわかっている。

■増える2学期制、導入の公立小中が5年で倍(2010.4.17読売新聞)

学ぶ内容や授業時間が増える新しい学習指導要領の完全実施を前に、何とか授業時間を確保しようと、行事を少なくできる「2学期制」の導入や夏休みを短縮する動きが公立小中学校を中心に広がっている。

来年春から小学校で使われる教科書も分厚くなるだけに、教師の間では「内容をしっかり教えるには時間が必要」との声が強まる一方だ。

「特に高学年で授業時間の余裕がないので多いに越したことはない」

今春から2学期制を導入し、授業14時限分を積み増した新潟市立曽野木小の青木祐一校長(57)が話す。同市の市立小では従来の83校に加え同小など4校が新たに2学期制を取り入れ、全体で75%を超えた。

2学期制は、10月の連休などを境に1年を二つに分ける。従来の3学期制に比べ、始業式、終業式を1回分省略することなどにより10〜15時限ほど授業時間を確保できるほか、教師が通知表作成などにかける時間を子供と向き合うために使うことも可能だ。

文部科学省の調査では、2009年度、2学期制を実施している公立小は21・8%(4668校)、公立中23%(2284校)。04年度の9・4%、10・4%からそれぞれ倍増した。

■とちぎの教育未来塾:教員への情熱、共有を 現職と学生、机並べ講座 /栃木(2010.4.7毎日新聞)
◇県教委、10月に開設 全国初の試み
県教委は6日、県内の若手教員と栃木県の公立学校教員を志望する学生が机を並べて学ぶ「とちぎの教育未来塾」を10月に開設すると発表した。教育委員会が、現職教員と教員志望の学生が一緒に受講できる講座を開催するのは全国で初めての試みという。

教員は講座を通して基礎を確立し、学生と接することで先輩としての自覚を持つことが期待される。学生は教員と一緒に学ぶことで教員の仕事を理解し、教員への情熱を高めてほしいという。

募集する教員は、採用5年目までの公立小中学校、県立高校、特別支援学校の教員やそれらの学校の常勤・非常勤講師。学生は栃木県の公立学校の教員を志望する短大生、大学生、大学院生。募集人数は計約60人。

今年7月から募集を開始し、講座は10月から11年3月まで月2回程度。受講料は無料。

県総合教育センター研修部は「学生には教員という仕事を早めにつかんでもらい、いずれは栃木県の教員になってほしい」と期待を込めて話す。

問い合わせは同部「とちぎの教育未来塾」担当(電話028・665・7202)。

(教心ネット:http://www.kyo-sin.net/)

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