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■県教委:高校生の苦手分野を解説、教員向け指導書作成 /鳥取(2012.1.24毎日新聞)
県教委はこのほど、県内の高校生の苦手分野を解説した教員向けの指導書を作成した。学力向上につながる指導方法などを研究している「新時代を拓(ひら)く学びの創造プロジェクト」の一環。3月以降、県内の県立高校に配布し、来年度から使用してもらう。
各教科の県立高校教員らで組織する同プロジェクトの学力向上部会が、県内の全日制高校の生徒が受けた模試の成績を分析。生徒たちの苦手分野について、その指導事例や理解度を確認する問題などをまとめた。
作成したのは国語(現代文)、社会(地理歴史)、数学(1、A)、理科(理科基礎)、英語の5冊。社会の日本史では、外交史や土地制度史などのテーマで歴史の流れをとらえる問題に弱いことから、各テーマ別の年表を作成。理科では、「各単元ごとの結びつきについて考えていない」傾向から、各単元や用語のつながりを意識した教材作りや指導方法を掲載している。
指導書はデジタル化されており、教員が自由に手を加え、授業に活用できる。今後は、これらの指導書を利用した結果を教員同士が共有できるデータベースを作成。それを元に来年度も新しい指導書作りを検討する。県教委の御舩斎紀(みふねよしただ)主査は「授業で活用してもらうことで、高校分野でのつまずきを減らしたい。つまずくことが無くなれば、思考力や応用力が身につくことにもつながる」と話している。
■中高生、国費で英検受験…まず各都道府県8校(2012.1.7読売新聞)
文部科学省は2012年度に各都道府県で公立中学校・高校計8校程度の生徒に、英語検定試験などを国費で受験させる事業に乗り出す。
半数は外国人教員らによる英語指導を充実させた「拠点校」に充て、一般校の成績と比較する。英語力の底上げに向け、指導法の改善につなげるのが狙いだ。
文科省が公立中高生に、民間の英語試験を国費で受けさせるのは初めて。日本英語検定協会が運営する英検の場合、中学卒業程度の3級で検定料は2500円程度。学力調査が目的のため、受験しても英語能力の資格は付与しない。
文科省は都道府県の希望に応じ、原則として中学2校、高校2校の計4校ずつを拠点校に指定し、英検受験の対象校とする。そのうえで、各県に中高同じ数の一般校を選んでもらい、8校態勢で受験させる。ただ、拠点校が4校に満たない県があれば他県分を増やす。
拠点校では、英会話のクラブ活動などを通じ、授業以外でも英会話に触れる機会を大幅に増やす。指導法の効果は一般校との成績比較で検証する。
拠点校指定や英検活用の背景には、「『使える英語』の教育が遅れている」(文科省幹部)との判断がある。日本は、英語能力試験「TOEFL」の国別比較(2010年)で、アジア30か国中27位と著しく低い。文科省は事業を5年は継続し、拠点校も増やしたい考えだ。
■衝撃 大学生のあきれた知能程度 4人に1人「太陽は東に沈む」!(J-CASTニュース2011.11.21)
大学生の学力低下が指摘されるなか、大学生・短大生の4人の1人が、日没の方向を「東」と答えていたことが明らかになった。また、地球の周りを回る天体として太陽を挙げた人も2割近くいた。この数値は小学生を対象に行った調査結果と大きくは変わらず、中高の理科教育の意義が問われることにもなりかねない。
実態が明らかになったのは、東海大学産業工学部(熊本市)の藤下光身(ふじした・みつみ)教授らが2011年4月から5月にかけて行った「短期大学生・大学生に対する天文基礎知識調査」。調査内容は、11年9月に鹿児島大学で開かれた日本天文学会の「秋季年会」でも発表された。
月が満ち欠けする理由についても正答半分
調査は国内の公私立の短大3校・大学2校を対象に行われ、天文学に関する基礎知識を選択式の問題を9問出題。1年生を中心に667人が回答した。調査を行う際の取り決めで、調査対象の学校名は明らかにされていない。
日没の方向を聞いたところ、正解の「西」と答えた人が75%で、「東」と回答した人が22%にのぼった。「南」「北」と答えた人も、あわせて3%いた。南半球で日没する方向を聞いと、正解の「西」は44%に低下し、「東」が37%に増加した。
月が満ち欠けする理由についても、「太陽・月・地球の位置関係」と正答できたのは56%で、「地球の影の影響」との回答が42%にのぼった。
「天動説」を唱える人も続出。人工衛星のように地球の周りを回る天体を複数回答で選んでもらったところ、「月」と回答したのは74%にとどまり、「火星」が33%、「太陽」が18%にのぼった。
小学生からほとんど成長せず?
実は、01年から04年にかけて、小学校4〜6年生に対して同様の調査が行われている。調査では、約4割の子どもが「太陽は地球の周りを回っている」と考えていることや、太陽が西に沈むと理解している子どもが6〜7割しかいないことが判明し、波紋が広がった。
当時の小学生は現在の大学生の世代にあたるため、今回の調査は、この世代がどの程度知識の面で成長しているかをみる狙いもあった。だが、中学校、高校を経ても知識レベルで大きく成長していることは確認できなかった形で、藤下教授は、
正答率の低さは衝撃的」
と嘆息。
「若い人が、『どちらの方角から日が昇るか』といった、科学を意識しなくても生きていける現状があるのではないか。学生に『石ころが、だいたい何グラムか』『30センチはどのくらいの長さか』という質問をしても、とんでもない答えが返ってくることがある」
と、学校の理科の授業で習ったことと、自分が実際に生きている世界との断絶を指摘している。
■若手社員を海外へ 国際競争で危機感持つ日本企業 グローバル人材急ぐ(産経新聞2011.11.19)
企業活動のグローバル化が進む中、若手社員を海外に派遣する企業が増えている。背景には、縮小が続く国内市場よりも海外市場に重点を置こうとする国内企業の現状がある。できるだけ若いうちから海外経験を積ませるため、20代の全社員を派遣したり、入社前の内定者を対象にしたりする企業もある。激しさを増す国際競争は、多くの企業をグローバル人材育成に駆り立てている。
三菱商事は、今年度から入社8年目までの全社員に海外経験を義務づける新制度を導入。これまで年間約50人だった海外派遣人数を、毎年の新卒採用人数と同程度の150〜170人に拡大した。海外ビジネスの主戦場が新興国となっている昨今、「欧米と違い、これらの国々に精通している若者は少ない」(同社広報)とし、会社側が働きかけて海外経験をさせることの必要性を訴える。
丸紅は昨年度から、入社7年目までの全社員に海外経験をさせる制度を導入した。
メーカーでは、日立製作所が派遣人数を約10倍に大幅拡大。今年度と来年度の2年間で、30代中ごろまでの社員計2千人をグループから選んで1〜3カ月間、海外の現地工場や語学学校、取引先などに派遣する。海外派遣記録はデータベース化し、将来の人事配置にも生かす。同社は海外売上比率を来年度には50%超とする目標を掲げており、グローバル志向は強まる一方だ。
9月にスイスの製薬大手ナイコメッドを約1兆円規模で大型買収した武田薬品工業は、来年度以降に派遣対象者を30代後半の中堅クラスから20代後半に若返りさせる方針だ。海外の関連会社などに派遣し、期間も従来の2年より長くする見通し。同社広報によると「公募も含め(対象者の)選抜方法を見直す」予定という。
入社前の内定者に海外留学の機会を与える企業もある。トヨタ自動車は来年度の新入社員から最大10人を入社前の半年間、米国ペンシルベニア大学に短期留学させる。授業料、渡航費は会社側が負担。「日本の国際競争力向上のため」(同社広報)にも、より早期の海外経験が重要と判断した。
こうした動きについて、グローバル人材育成センター(大阪市中央区)の村上福寿郎代表取締役は「約20年前、韓国のサムスン電子が社員の海外派遣を積極的に行い、グローバル戦略で成功した例がある。日本での動きは遅いくらいだが、国内企業には相当の危機感があるはずだ」としている。
■人事担当者「6+5×3=33」と答える就活生続出で不安になる(NEWSポストセブン2011.10.21)
マイナビによる「12年卒企業新卒内定状況調査」によると、企業の採用活動の印象は「昨年より厳しかった」、「昨年並みに厳しかった」が約80%を占め、その理由の実に半数が「学生の質が低下したから」という回答を寄せた。中でも著しいのが、企業が大卒に求めていた「基礎学力」の低下だという。生命保険会社の採用担当者が語る。
「目立つのが誤字脱字。携帯やパソコンに慣れてしまっているせいか、漢字を書けない学生が多い。しかも、そうした誤字に気づかずメールを送ってくる。学力に加えて注意力も足りない」
食品メーカーの人事担当者も呆れを隠さない。
「四則計算もできないのには参りました。6+5×3というような簡単な計算でも、33と書く学生が多くいて“ウソだろ?”と我が目を疑いました(正解は21)。あまりにも多いから、自分の方が間違っているのかと不安になったくらいですよ」
そのくせ、面接などには強い、「就職活動に慣れた」マニュアル学生が増えていると語るのは、人材コンサルタント・常見陽平氏だ。
「就職活動だけやたら頑張った“就活のプロ”のようなタイプが増えています。企業研究もせず、手当たり次第に受けていくため、場慣れする。ところが、こうしたタイプは面接官から『君からわが社に質問はあるか』と逆質問を求められると全く対応できないのです」
学力はない、要領がいいように見えても突発的な事象には対応できない――。そうなると、わざわざ大卒にこだわる必要があるのかという疑問が浮かんでくる。
精密機器メーカーの採用担当者が嘆く。
「理工系学部なのに、分数の計算がわからないという学生が現実にいる。いくら大学名が素晴らしくても、数学などの基礎科目をやらせてみないと安心できないというのが本音です。
企業側も苦しく、採用してから育てるという余力なんてないところがほとんど。社会人マナーは教えていけば、最初は“1年目だから”と笑って済ませられるけど、学力は本人の努力がないと無理です。せめて大学で基礎的な学力だけでいいから身につけてきてほしいと考えています」
■高校時代「物理得意」だった人は高給料!(2011/10/21)
理系学部出身者の平均所得は文系学部出身者より約130万円高く、そのうち高校時代に物理が得意だった人が最も高所得−。経済産業研究所は20日、こんな調査結果を発表した。
昭和15年4月生まれ以降の大卒者を対象に今年2月に行ったインターネット調査で、回答を得た約1万1千人のデータを分析。平均所得は全体が552万円だったのに対し、理系学部出身者は637万円、文系学部出身者は510万円と、大きな格差がみられた。
理系学部出身者の平均所得は、高校時代に得意だった理科科目別では物理681万円、地学647万円、化学620万円、生物549万円の順だった。
研究チームリーダーの西村和雄・京都大経済研究所特任教授は、「理系は文系よりも人数が少ないうえに産業界の需要が多く、文系による代替がきかないため所得が高くなる」と分析した。
■「アルファベットの読み方」学ぶ日本橋学館大学(ポストセブン2011.10.21)
漫画の世界の話ではない。「本物の“バカ田大学”が日本にあった」――と話題になっている。そんなありがたくない評価を受けているのが、創立11年目の私立大学・日本橋学館大学だ。キャンパスがあるのは東京・日本橋……ではなく、千葉・柏市。学生数は463人だ。
有名になった発端は、同大がHPで公開するシラバス(学習計画概要)だった。入学初年度の履修科目「基礎力リテラシー」には、驚くべき内容が記されている。
まずは英語。〈英語を好きになる〉と題した全15回(前期)の授業内容は、「授業の進め方」で始まり、第2回は「アルファベットの書き方・読み方」、第3回が「辞書の構成・辞書の使い方」……。そして第10回目にようやく「be動詞」を学ぶことになる。
「中学生かよ!」と思わずツッコミを入れたくなるが、まさにその通り。使用する教材は中学1〜3年生の参考書である。〈高校までの算数・数学をみなおし、数学的思考を身につける〉とした数学では、「小数の計算 分数の計算」、「円の面積」……。
そして日本語会話の講義は、第2回「クラスで自己紹介する」に続いて、第3回は「目上の人を○○に誘う」。となれば……、第4回は「目上の人の誘いを断る」。さながらマナー教室のようである。
シラバスだけではない。同大HPによると、〈初年次教育〉の目指すものとして、授業の受け方、ノートの取り方、などとある。まずは心構えということか。全学科共通のゼミでは、「親睦球技大会(仲間と汗を流そう)」、「学生生活マナー(授業の受け方)」などと並んで、「日本橋学館クイズ(大学を知ろう)」というものもある。ゼミで学ぶ大学生にクイズが出題されてしまうのである。
こうした教育内容が明らかになったために、大学教育に関するネット掲示板などでは、「中学に入り直した方がいい」「文科省は大学免許を取り消すべき」などと批判の嵐。大手予備校によれば同大の偏差値は40なのに、「もはや測定不能」とまでからかわれている。
しかし、いまや2人に1人が大卒という時代。ひどいところは「学級崩壊」が発生し、学力低下どころか「学ぶ意欲がない学生ばかり」というのが現実だ。学力も悲惨なもので、ある大学では「九九の計算に全問正解したのが受講者の半数以下」だったという。
日本橋学館大学のカリキュラムは、そうした現実を正面から受け止めたものであるという。同大学の教授で、講義内容を決定する教務委員会の委員長を務める塩澤寛樹氏が説明する。
「基礎力リテラシーは必修科目ではなく、入学後のテストで基礎学力に欠けると見なした学生を対象に履修させる補習的な科目で、約6割が受講します。確かに入学生の中には、アルファベットを全部書けない学生もいる。
英語が分からない以前に、嫌いだと拒絶する学生もいます。そうした学生に大学レベルの英語を詰め込んでも意味がありません。就職時期には少なくとも一般教養ある学生を育てたいとの思いから、シラバスを公開した。これは本学の覚悟の現われです」
■数学、物理得意だと高所得=「国語」と180万円差―大卒就業者1万人調査(時事通信社2011.10.20)
文系、理系を合わせた大卒就業者約1万人(平均年齢43歳)の得意科目と平均所得(年収)の関係を調べると、数学が得意な人の所得が約620万円と最も高く、2番目は理科が得意な人の約608万円だったと、同志社大や京都大などの研究グループが20日発表した。数学が得意な人と国語が得意な人とでは、約183万円の差があった。
理系の就業者約3200人では、理科4科目の中で物理が得意な人の所得が約681万円で最も高く、生物が得意な人が約549万円で最低だった。こうした傾向は世代を通じて共通していたが、学習指導要領が変わり、「ゆとり」や「個性」が強調されて学習内容が減るにつれ、理数が得意な人が減っていた。
同志社大経済学部の八木匡教授らによると、数学や物理が得意な人の所得が高いのは、論理的な思考能力が仕事の役に立っているだけでなく、理数が得意な人が減少傾向にある中、労働市場での評価が相対的に高まっている可能性がある。
■日本橋学館大学 「アルファベットの書き方」の講義内容とは(NEWSポストセブン2011.10.18)
インターネットで「中学生レベル」「バカ田大学」「偏差値40だが実質は測定不能」などと嘲笑を浴びた日本橋学館大学の「基礎力リテラシー」。これに対し大学側は、「質の低下した学生に基礎学力をつけ、立派な社会人を育てたい」という反論を寄せた。そして今回、横山幸三・学長(72)がインタビューに応じ、同大学の教育論について語った。
大学生の質の低下は長い教員生活で確かに感じます。
筑波大学で教えていた、約10年前の話です。私は英語教師ですから、板書を筆記体で行なっていました。すると学生から「読めない」といわれた。その学生たちは、そもそも中学・高校時代に筆記体を学んでいなかったのです(※)。さすがに稀ではありますが、本学の学生にはアルファベットの小文字の「b」と「d」の区別がつかない学生がいたと聞いています。
基礎学力を強調するのは、本学の教育目標が、むしろ、その先の専門性を高めて社会に役立つ人材を育てることにあるからです。
本学は総合経営、人間心理、総合文化という3学科を設置し、その専門教育の中で、臨床心理士などの資格取得を目指しながら、将来の進路を明確にイメージできるように学生を指導します。その目標を果たすためには、基礎をなおざりにできるはずがありません。
当たり前ですが、中高レベルの授業ばかりをやっているわけではありません。むしろ、基礎教育の授業は、学生にその先の専門教育を意識させるために、専門知識を極めたベテラン教員を充てているのです。
例えば『週刊ポスト』の記事で取り上げられた「アルファベットの書き方」は、90分間、ずっと書き方だけ教えているわけではない。英語史を専門とする教授が、文字の成り立ちなどにまで幅広く解説しています。学生たちは、言語の発展の歴史・経緯について、興味を持って聞くようになります。
ちなみに、『ポスト』が「マナー教室」と揶揄していた日本語の授業は、留学生対象のものです。さすがにそこまで学生のレベルは落ちていないことをこの場を借りて断わっておきます。
「バカ教育で大学への補助金(税金)を無駄遣いしている」という批判があることも知っています。しかし我々は、勉強嫌いになった状況を放置され続けた学生を受け入れ、高等教育を受ける意欲を取り戻させることまで請け負っているのです。そうした批判はお門違いではないでしょうか。
■「個性より学力」 AO入試曲がり角 成績低下、国公立実施学部初の減少(2011.9.24産経新聞)
高校時代の活動や人物像などを評価し、書類審査や面接などで合否を決めるアドミッション・オフィス(AO)入試を見直す動きが広がっている。国公立では初めて実施学部が減少、私立でも縮小や廃止を打ち出す大学が出始めた。受験関係者は「大学が一般入試でしっかりと学力を見る傾向にある」と指摘。「個性より学力」の傾向が強まりつつあるようだ。
文部科学省の国公立大の平成24年度入試概要によると、東京工業大工学部や北九州市立大外国語学部など5大学5学部で新たにAO入試を導入するが、東工大理学部や京都府立大の文学部、生命環境学部など5大学6学部が廃止。AO入試を実施する大学数は今春と同じ69大学で、学部数は1減の172学部となる。国公立でのAO入試実施初年度となる12年度から初めて学部数が減少した。
AO入試は、「個性的な学生の獲得」を目的に私立を中心に導入が進み、国公立では12年度に東北大や筑波大などが初めて導入。その後は右肩上がりで伸び続け、大学数は21年度に40・8%と初めて4割を突破し、学部数も同年度に30・7%で3割を超えていた。
一方、一般入試に比べて入学者の成績が低下傾向にあるとの指摘があった。文科省は昨年5月、大学教育を受けるために必要な基礎学力が備わっているかを把握するため、大学入試センター試験の結果や高校の調査書の成績をAO入試の出願要件や合否判定に用いることを初めて要請。23年度は25大学61学部がセンター試験を課し、24年度も26大学64学部がセンター試験を併用する。
22年度に464大学1118学部が実施した私立でも、縮小や廃止の動きが出ている。23年度は同志社大の文学部と心理学部、明治大の理工学部の機械工学科などで廃止。同志社大は来春も社会学部で、明治大も理工学部の物理学科でそれぞれAO入試を取りやめる。早稲田大も来春、政経学部のAO入試の定員を約90人から約50人に減らす。
明治大は「物理学科では過去2年、AO入試の定員2人に対し、大学が求めている学力を満たした生徒の受験がなく、合格者を出せなかった。他の入試にその分の定員をシフトすべきだと判断した」と説明。一方、同志社大では「多くの大学がAO入試を導入したことで、特徴的な学生の確保が難しくなった」と話す。
河合塾教育情報部の富沢弘和チーフは、「AO入試の受験生にも大学側は一定の学力を求める傾向にある。AO入試の受験生も基礎学力を身につけることが必要」と指摘している。
■英語の発音 ソフトで矯正(2011年8月4日 読売新聞)
地元企業が開発したパソコンソフトを使って、英語の正しい発音を学ぶ授業が今年度から、茨城県の公立中学校で始まった。従来の授業では難しかったきめの細かい個別指導が可能になるため、県は期待を寄せている。
このソフトは、つくば市のIT開発会社「プロンテスト」が、産業技術総合研究所と共同開発した言語音声分析技術を利用したもので、その名も「発音力」。
パソコンの画面に映し出された単語や文をマイクに吹き込むと、音声を即座に分析し、口の開き方や舌の使い方をどう直せば良くなるか、イラスト付きで丁寧に教えてくれる。正確に発音できれば、画面に「100点」が現れる。県は今年度、公立中232校のうち99校に同ソフトを導入し、来年度は全校に広げる予定だ。
潮来市立潮来第二中学校では先月13日、2年生30人がコンピューター室で、マイク付きヘッドホンをつけて、同ソフトによる学習にのぞんだ。生徒たちが「October(オクトーバー)(10月)」と発音すると、画面に「のどは開いたままで唇を少し丸くして下さい」など、具体的なアドバイスが表示された。根崎薫教諭(27)から「恥ずかしがらずに、もっと大きな声で」と励まされながら、生徒たちは繰り返し練習していた。
女子生徒(14)は「自分に合わせたアドバイスをしてくれるので上達できそう。画面に100点が出た時はうれしい」と笑顔だった。
県教育庁義務教育課の谷田部由実子指導主事は「正しい発音を身につけることで、英語を聞く力や書く力も向上させたい」と話している。
■自由記述欄や演習問題…教科書に工夫(2011.7.6産経新聞)
日本の児童生徒が国際的に弱いとされる、知識や経験を活用しながら自分の考えや思考内容を筋道立てて表現する「PISA型学力」。来春からの教科書では児童生徒の考察を表現させる欄を大幅に増やす趣向がこらされている。中には、実験に基づき科学的な物の見方をしっかり定着させるためあえて専用ノートを作成、理科教科書と一体で検定合格させた今までにない取り組みも出てきた。児童生徒の学力低下が嘆かれて約10年。「PISA型学力」の巻き返しに向けて随所に工夫を重ねた教科書はこの夏、全国の教育委員会で採択される。
「話しあってみよう」「考えてみよう」「自分のことばで伝えよう」「説明してみよう」
この春、教科書検定に合格した教科書は、これまでよりも大幅にボリュームアップした。指導要領が「学力向上」路線に転じたこともあり、発展学習などを大幅に取り込むなど内容面の充実が図られた。とりわけ目立つのが「PISA型学力」の向上に向け、理数系教科書で児童生徒の考察を促すコーナーが大幅に増えたことだ。
なかでも、啓林館は理科の教科書と専用ノートを一体にして検定合格させた。専用ノートには普段の授業の狙いや必要なスキルを身につけるポイント整理や基本のチェック、考察の自由記述欄や演習問題などを盛り込んでいる。教科書とセットで授業に使い、自学自習にも使える、今までに例のない教科書だ。
同社では「現状指摘される理科授業の問題点はまず黒板の丸写しに終わること。もうひとつは実験はやるが、考察を経ずにやりっ放しで終わること。いずれも科学的な物の見方に結びつかない」と指摘。「この教科書は教育現場に授業改革をうながすとともに、生徒にも科学的な考察作業を課しており、PISA型学力の向上という日本の課題解決に向けた私たちなりの提案だ」と胸を張る。
「PISA型学力」とは、学習した知識や経験を活用して筋道立てた考察ができるか、必要な情報を選びながら考え方を積極的に説明・表現する力。学校のカリキュラムを漏れなく習得する学力とは少し趣が異なり、OECD(経済協力開発機構)の国際学習到達度調査(PISA)で試される。
国際調査から日本の生徒は学習意欲が著しく低く、選択式問題はともかく自由回答や論述形式の設問に極端に弱いことなどが問題点として浮上。日本の教育関係者に大きな衝撃を与えたことから「PISAショック」と呼ばれる。ゆとり教育の誤りが決定的となり、学力向上に向けた指導要領の改定や教科書の充実などが進められている。
■高校入試:県立高協議会、推薦入試廃止へ 13年度導入、基礎学力向上を期待/茨城(2011.6.25毎日新聞)
県立高校の入試制度について、県内の教育関係者らでつくる「県立高等学校等入学者選抜方法協議会」は現行の推薦入試を廃止して一般入試に一本化し、全員に学力検査を課すことを決めた。13年度から導入の見通し。本県は1996年度から推薦入試を導入したが、全国的な廃止の流れに沿って、17年間で終了する見込みとなった。
23日の第2回協議会でこうした方針を盛り込んだ入学者選抜制度改善骨子をまとめた。現行制度は、学力検査を行う一般入試と、学校長の推薦書に基づいて調査書や面接などを資料として判断する推薦入試がある。推薦枠は募集定員のうち、普通科30%、総合・専門学科50%、衛生看護・福祉・音楽・芸術科70%が上限。推薦入試は一般入試より1カ月早く行われ、人物を多面的に評価できるという声がある一方で、基礎学力の向上には全受験者に学力検査を課した方が良いとの意見も出ていた。
新制度の骨子では、受験者全員に原則として5教科の学力検査を課す▽学校裁量で選抜資料やその配分を決め、推薦入試の趣旨を継承する「特色選抜枠(仮称)」を設定できる▽2次募集では面接を実施する−−という3項目を盛り込んだ。
県教委高校教育課の調査では、過去、ほとんどの都道府県で推薦入試を実施していたが約半数が廃止し、今年度実施したのは27都道府県。廃止は今後さらに増える見通しという。
制度改善骨子に沿った新制度案は来月の協議会で正式決定し、教育長に報告される。
■「ゆとり」以前の数学教科書が復刻 先生の虎の巻に(2011.6.6産経新聞)
子供の学力低下を招いたと批判される「ゆとり教育」。その脱却を目指し、来年度から中学校で実施される新学習指導要領を前に、ゆとり以前の昭和50年代前半の数学教科書が復刻され、現場の研究用教材として人気だ。3千セット発行されこの手の教材としては好調な売れ行きで、出版社にも問い合わせが相次いでいるという。
復刻された教科書は、啓林館(大阪市天王寺区)の「新訂数学」で53年から55年に使用された。昭和の高い数学力を支えた教科書の一つで、「集合の概念」をはじめ、「不等式」「二次方程式の解の公式」など現在は高校で教える内容を収録しているのが大きな特徴。
数学者の岡本和夫・東大名誉教授は「『新訂数学』は数学教育を構築した教科書といってもいい」と評価する。
同社の統合企画部小・中企画課の中嶋朋宏課長は「教育転換の節目に、これからの数学指導を担う若い先生方の研究用教材として復刻しました。現場の教員から多数の問い合わせがあり、ゆとり以前はここまで教えていたのかと、高い評価を頂いている」と説明する。
私立の東京都市大学付属中学校(東京都世田谷区)では現在、「ゆとり教科書」に独自に、今では高校の単元となった「集合の概念」や「二次方程式の解の公式」などを補完。同高校数学科の田口哲夫教諭は、「現在のゆとり教科書は不十分で、日本の子供たちは数学を面白いと思えなくなっている」と指摘。復刻された「新訂数学」については、「単元ごとの導入部分が分かりやすく説明されるなど、日本が高い数学力を誇った原点ともいえる良質の教科書。特に若い教員に読んでほしい」と評価する。
ゆとり教育は、昭和50年代後半から段階的に進められ、平成14年度の完全学校週5日制に合わせて、授業時間を縮減し学習内容を平易にするなど、実質的にスタートした。
しかし「ゆとり後」は、日本の学力の低下が顕著に。経済協力開発機構(OECD)が世界の15歳を対象に行う学習到達度調査では、12年にトップだった日本の数学が、10位(18年)、9位(21年)へと転落している。
こうした状況を受け、20年告示の新学習指導要領では、ゆとり教育を全面的に見直し。検定に合格した中学の教科書全14科目131冊は、現行教科書と比較してページ数が平均24・5%増加。数学は、理科の45・2%増に次ぐ32・8%のボリューム増となっている。
■板書:チョークの持ち方教えます 奈良教育大が必修化−−全国初(2011.5.31毎日新聞)
奈良教育大(奈良市高畑町)は30日、教員を目指す学生を対象に、黒板に書く技術を高める「板書技法」の科目を新設、必修化すると発表した。同大学によると、福岡教育大(福岡県宗像市)で選択科目として実施されているが、必修化は全国初という。奈良教育大は「団塊の世代の教員が定年を迎え、即戦力が求められている。現場感覚のある教員の卵を育てたい」と意気込んでいる。
来春の入学生が2年時に週1回で計15回、講義を受ける。縦書きと横書きの違い、白と赤のチョークの使い分け、見出しの付け方、図や表の使い方など基礎を学ぶ。仕上げに同級生を相手に模擬授業もする。いずれも書道を専攻する教授と准教授計4人が指導する。
奈良教育大の前身、奈良学芸大時代の1965年に、書道の専攻科が設置された。生田周二・副学長は「奈良の特色ある教育を生かしたい」と話した。
07年度から板書の講義を取り入れている福岡教育大では、壁3面に黒板を設置し、約40人が同時に板書を練習できる専用教室がある。愛媛県立三島高校で在籍中に「書の甲子園」(毎日新聞社など主催)で顧問として全国優勝を果たした同大の服部一啓(かずたか)准教授(書道)は「学生にはチョークの持ち方から教える。強調したいポイントは、チョークの音を立てて書くなど、音による効果も大切」と話した。
■マインドマップは学校教育の分野にも広がりつつある 「マインドマップ」で言葉を図に―短い言葉つなぎ表現力向上(日経プラスワン2011.5.14)
B4判の白い紙に子どもたちが夢中になって言葉を書き込んでいく。新たな言葉を線で結び、外へ外へと塊はどんどん大きくなる。「思い浮かばなかったら、線だけ広げていってもいいですよ」。教師が呼びかけると、手が止まっていた子どもが再びペンを動かし始める。
東京都江東区の香取小学校は言葉を放射状につないで思考をまとめる「マインドマップ」を授業に取り入れている。マインドマップは英国の教育者が開発した手法だ。上から順に箇条書きする通常のメモとは違い、色やイラストなどを多用して視覚に訴えかける。発想力や記憶力が高まるとされ、日本では会議やプレゼンテーションなど主にビジネスの現場で使われてきた。それが学校教育の分野にもじわりと広がっている。
4月20日、5年生のクラスでは高学年になって頑張りたいことをみんなで考えた。「生活↓手伝い↓食器洗い」。具体的な目標にたどり着くまで、なるべく短い言葉で、思いつくまま書き続ける。
「わー、いっぱい書いたね」「その色使いがかわいい」。15分かけて書き終えた後、4人1組になって自分のマップを見せ合う。最後に各組の代表者がみんなの前で発表。「算数や文章力をアップしたい」。どの子も紙を見ずにハキハキした口調で述べる。
吹奏楽クラブに所属する子は「課題曲↓練習↓1日1時間」などと書いている。岩崎香帆さん(10)は「みんなに曲を聴いてもらいたい。もっと練習する」とマップを見せる。「言葉を書いていくと『あれもやりたい』って思いつく。友達のものを見ると、さらにイメージが広がった」
今村義昌くん(10)は「楽しいので書くのは大変じゃないよ」という。新年度からコンピュータークラブの書記係になったので、「低学年のお手本になれるように頑張りたい」と意欲を燃やしていた。
同小学校がマインドマップづくりを始めたのは2007年。国語や理科の授業で、おとなしい子が手を挙げるようになり、発表が苦手な子が何分も話せるようになった。井上光広先生(46)は「最初は言葉が浮かばない。線でもイラストでもいいのでとにかく書いていくと、急に言葉があふれ出す子もいる」と話す。
埼玉県熊谷市の大里中学校では代島克信先生(55)が2年生の国語や道徳の授業に取り入れている。先生が本を読み、生徒がそれを聞きながらマインドマップを作る。物語の登場人物はどんな人物か、設定となっている背景は何か、キーワードを拾ってまとめていく。「内容を深く早く理解することができ、生徒から的確な意見が出るようになった」という。
日本でマインドマップの普及に取り組むブザン教育協会(東京都豊島区)によると、全国で50校以上の小中高等学校が導入しているという。
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「ゆとり教育」は実は20年以上前から始まっていた。学習指導要領が、社会問題や教育観とどのような関連を持っているか一目瞭然です。(オリジナルは社楽の会管理人作成ですが、教心ネット管理人が編集し直したものです)
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