教心ネット学校心理学講座 学習障害(LD)、注意欠陥多動障害(ADHD)、広汎性発達障害(自閉症)
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▼知的障害(精神発達遅滞)
以前は、「精神薄弱」と呼んでいたが、表現上の問題から現在では「精神遅滞」や「精神発達遅滞」と呼ぶようになった。しかし、現在では学校教育場面では「知的障害」と表現しており、、精神遅滞や精神発達障害という用語は医学分野で使われている。

定義は、、発達期において、知能面に明らかな遅滞が生じ、それにより適応行動が困難であることとされている。診断の基準は、知能検査(WISCなど)による知能指数(IQ)が70未満、知能偏差が30未満のもの。統計上、IQ70未満は約2.7%存在し、約37人に1人がこれに該当する。

▼学習障害(LD)
学習障害(Learning Disabilities)とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない(旧文部省の定義による)。本定義における「学習」とは心理学における学習(経験による行動の変容)であり、学習障害=勉強ができないとは同義ではないので注意すべきである。なお、ディスレクシア(難読症や識字障害)はLDの臨床例の一つである。

学習障害には、学習面(聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力)での障害のほかにも、運動性・動作性のLD、行動性のLD、対人関係に困難を示すなど、症例は多岐にわたる。よって、広義の学習障害は、学習面だけでなく、生活面で必要な技能や知識を習得するのに著しい困難を示すことを指す。

偉人の中には、LDや後述するADHDの可能性を示す者が多々いる。芸術家として有名なピカソは、算数は特に苦手であり、ダリはかんしゃくもちだった。科学者では、アインシュタインやエジソンが有名である。俳優のトム・クルーズは小さい時から読み書きが苦手で、セリフをスムーズに読めないのでテープに録音して覚えているという。

一般に、女児よりも男児の方が読解や識字に困難をきたすことが多いが、これはあくまでも個人差の範囲内である。また、母語の獲得が十分ではない幼少期から母語以外の言語を併用して習得した場合、例えば日本に生まれたにもかかわらず外国語優位で子育てをした場合、漢字の習得に困難をきたすなどLDと似たような症状を示すことがあるが、これはLDではない。

【LD簡易チェックシート】
<聞くこと>
□聞き間違いや聞きもらしがある
□個別に言われると理解できるが、集団場面では聞き取ることが難しい
□指示を理解することが難しい
□会話の流れや文脈が理解することが難しい

<話すこと>
□適切な速さで話すことが困難(早口である、あるいはたどたどしく話す)
□言葉につまったり、どもったりする
□会話が単語の羅列にとどまり、極端に短い文で、内容的に乏しい
□思いつくままに話し、筋道の通った話をすることが難しい

<読むこと>
□逐語読み(たどたどしく読むこと)である
□勝手読み(語句と関連のない読み方、読み飛ばし、言葉を一対一対応させずに読む)が多い(例:行きました→いました、定食→しょうくい、行進→しんこう)
□文中の語句や行を抜かしたり、何度も繰り返し読んだりする
□文章の要点や指示を読みとることが難しい(「〜の原因を述べているところを答えましょう」→「〜をします」、記号で答えましょう→自分の言葉で答える)
□句読点で区切って読むことが難しい
□イントネーションがおかしい(例:明日→す)

<書くこと>
□鏡映文字(上下左右が逆さま、あるいは入れ替わった文字)を書く(例:短い→豆矢い、b→d、u→n)
□独特の筆順(棒線を右から左へ、下から上へなど)で書く
□字の細かい部分を何度も間違える(余→人に示、配→西に己、はねやはらいが逆など)
□句読点を正しく打つことができない
□限られた言葉や長さの文章しか書くことができない

<計算すること>
□学年相応の数の意味や数の表し方を理解するのが難しい(例:百六を1006と書く、分母と分子を逆に書く)
□計算をすることが著しく難しい(例:小3以降でひと桁同士のたし算やひき算ができない、九九が言えない)
□計算をするのにとても時間がかかる

<推論すること>
□学年相応の単位表現(長さやかさの単位の使用)をすることが難しい(例:ものさしの長さ→30リットル、ランドセルの重さ3m)
□学年相応の図形(ひし形や円など)を描くことが難しい
□早合点や飛躍した考えをする
□物事の因果関係を理解することが難しい
□方向や位置関係を理解することが難しい(例:教室移動ができない、道に迷うなど)

<運動・動作>
□はさみの持ち方や靴ひも結び方など、細かい作業をすることが難しい
□学年相応の運動をすること(跳び箱、縄跳びなど)が著しく難しい
□音楽の音程や拍子をとることが著しく難しい

<行動>
□順番を待つことができない
□同じ間違いを何度もする
□衝動的な行動をとる

<対人関係>
□他人の考えや感情を読みとることが難しい
□他人と関わることが難しい
□基本的な挨拶や礼儀を身につけることが難しい

▼注意欠陥多動障害(ADHD)
注意欠陥多動性障害(Attention Deficit Hyperactivity Disorder)は、遺伝的要因で、注意力を維持しにくい、時間感覚がずれている、情報をまとめることが困難、じっとしていられないなどの症状を呈し、日常生活に大きな支障をもたらす障害である。しつけや本人の努力だけで症状などに対処するのは困難である。女児よりも男児に発症例が多い。

幼少期の子ども全般に同様の症状が見られることが多いが、大半のケースは一過性でで、加齢と共に症状が無くなったり軽減したりするのが普通である。遺伝的要因が原因であると考えられるため、栄養不足や睡眠不足、親子関係や対人関係など適応面での問題による一時的な注意欠陥や行動障害はこれに含まないが、専門家でない者がこれらを判別することは困難である。

【ADHD簡易チェックシート】
□不注意な間違いや衝動的な行動が頻繁にある
□席に座っていられない
□理由もないのにそわそわしたり、じっとしていられなかったりする
□課題や活動に集中して取り組むことが難しい
□面と向かって話すことが難しい
□質問や指示が終わらないうちに、出し抜けに答えたり行動したりする
□指示を理解できず、パニックを起こすことがある
□過度にしゃべる
□忘れ物や無くし物が頻繁にある

(教心ネット:http://www.kyo-sin.net/)

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